大前研一からのメッセージ

資産運用を日本の国技に

『死ぬ瞬間の貯蓄が一番高い。』

これは日本人特有の現象だ。おカネは貯めるのが目的じゃない。
人生を謳歌し、後悔のない生活を送るための手段だ。

わが国は戦後政策による「貯金をして将来に備えよ」という時代が続いた。その結果、今の日本人は、500兆円もの郵貯の定額預金を、金利を生まないところに眠らしておくことに何の疑問も持っていない。

そしてそれを預かった郵便局は国債と投信を買って1兆円の利益を出したのに、払う金利は0.3%。そこに疑問を持たない日本人は、平均3500万円持って墓場に行くのだ。

私は言いたい。
「だったら自分で国債、投信を買ったほうがいいに決まっているし、死ぬ前に、資金計画を立ててやりたい事を全部やり、幸せに死んだほうがいい!」

大前研一

撮影/太田真三(小学館)

実際、世界の人々はライフプランを鮮明に描き、正味資産価値からの不足額を資産運用によって獲得することで人生を楽しんでいる。自分にとってのおカネの意味をもっと考えてほしい。

今までは、毎年昇進昇給があったが、現在の日本は年収差がどんどん広がっている。そして、日本の債務も増える一方だ。年金は事実上破綻し、国は年金額を減らし、受給開始年齢を上げ、掛け金も上げるしかない。だからこの先の日本人に必要なことは、「国に頼らず、自分で資産形成をして 自衛する」ことだ。

1996年以降の金融ビッグバンで、お金にボーダーはない。多額の金融マネーが世界中を24時間行きかっている。 日本にいながら買える世界中の金融商品も、まだまだ増えていくだろう。しかし知的武装が整っていない。

ディスカッションを重ね、うまくいった人・失敗した人のノウハウを交換・蓄積し、増やす技術・リスク・分割投資を学び、世界標準の5%〜10%の利回りを達成してほしい。そして、そうした「リスクマネー」に国民がお金を流し、政府が無駄使いできないような日本になれば、日本はよくなっていくことだろう。

もちろん資産運用のスキルは一朝一夕に身につくものではない。資産運用の重要性が染色体に入っていくまで勉強するのだ。さぁ、熱意を持って勉強し、資産運用を自分のものにしてください。

大前研一

国際標準からかけ離れた日本人のマネープラン

日本人には資産運用や資産形成という概念がない。
戦後から現代に渡って何もわからないまま目をつむって貯蓄、資産と言えば家の購入だけをしてきた日本の歴史を探る。日本と似ていたドイツは資産形成を学び、それは十数年で大きな違いになって現れた。資産形成に対する無関心からの脱却へのパスポート。

大前研一プロフィール

ビジネス・ブレークスルー大学 学長

1943年、福岡県に生まれる。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。以来ディレクター、日本支社長、常務会メンバー、アジア太平洋地区会長を歴任し1994年に退社。以後も世界の大企業、国家レベルのアドバイザーとして活躍するかたわら、グローバルな視点と大胆な発想による活発な提言を続けている。現在、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長及びビジネス・ブレークスルー大学大学院学長(2005年4月に本邦初の遠隔教育法によるMBAプログラムとして開講)、2010年4月にはビジネス・ブレークスルー大学が開校、学長に就任。日本の将来を担う人材の育成に力を注いでいる。

著書

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