家計の資産残高は1,536兆円!その行方は?|株式・資産形成講座メルマガ

  2007/07/04(水)  
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家計の資産残高は1,536兆円!その行方は?

日銀が6月15日に発表した2006年度末の資金循環統計によると、家計が保有する預金や株式などの金融資産の残高は前年度末に比べて、1%増加の1,536兆1,628億円となっていることがわかりました

サラリーマン所得が減り続けている中、家計金融資産が増えていることは驚くべき事実です。

最近の統計によると、一時、99年度に1,400兆円を越えたものの、00年度~02年度にかけて1,400兆円を割り込み、その後、順調に上がってきて、ついに1,536兆になりました。

この家計金融資産を国民一人当たりの金額に直すと、なんと1千万円を超えることになります。ご自身の周りを考えた時に、その実感はあるでしょうか?

「そんなお金どこにあるの?」なんてこともよく聞きます。 しかし、資産の内容を見てみると、最近でこそ「リスク資産(株・投信などの金融商品)」が若干シェアを伸ばしているものの、割合として多いのは「定期性預金」、「保険」、「流動性預金」などであり、特殊な項目があるわけではありません。

つまり、このグラフは一般の人の資産分布であって、「普通の人々の資産を積み上げると1,536兆になる」というのは、まぎれもない事実なのです。

では、誰が持っているのでしょうか? 現在の日本は国民の40%以上が50歳以上なっている高齢化社会です。 つまり、高齢者の人が金融資産を沢山持っていて、家計金融資産統計を引き上げているということなのです。


では次に、リスク資産の内訳を見てみましょう。
投資信託はすごく伸びていることがわかると思います。

しかし、日経平均株価を見てみると、2005年はかなり良かった(年初11,458円から年末16,111円)のですが、2006年になってから穏やかな伸びに変わり(年始16,294円から年末17,225円)、この1年ぐらいはあまり伸びていません(年始17,322円であり、現在18,000円を挟んだ展開)。

つまり、投信については「狙うべきタイミング」はもう終わっていて、今頃になって入っていくのでは「時すでに遅し」ということかもしれません。

日本の金融資産に占める株式の割合は、世界でもまれに見る低さです。

そして、「他の金融資産で運用しているか?」といえば、それもあまり行っておらず、50%は現金・預金に置いている状況なのです。

こういう国は、世界でも日本以外には例がないです。

また、「不動産」についての考え方も大きく違います。
日本の場合は、不動産を自分の住まいと考え、30~40年かけてローンを返して、一生をその一戸の家で終わります。

他方、アメリカの場合、資産形成として「不動産」を考えているので、アメリカ人は「平均4回」家を移ります。 そしてその都度、前よりも"いい家"に移っています。 アメリカでは不動産を金融商品と捉えているため、周りの地価なども考慮し、自分が住まないで、家賃収入を得ながら運用することも当たり前なのです。

この辺が日本との大きな違いです。 家計の資産が1,500兆を越えたといっても、そのほとんどは利回りが「1%にも満たない預貯金」に入れているという「世界でも極めて特殊な国民」が「日本人」なのです。
講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長
大前研一

6月24日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学 vol.2
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第3回 『おカネの量と為替レート』

今回はおカネの話をします。 多くの人が、中央銀行(つまり、日銀)は「おカネの量を変化させることができる」と考えています。しかし、実際には日銀が行う「金融政策」で、直接、マネーサプライを変化させることはできません。

日銀は金融機関や中央政府と取引がありますが、一般の企業や個人とは取引ができません。つまり、日銀が社会に対してアクセスできるのは「中央政府」や「金融機関」などに限られているので、そこを通じてしか、政策を実行することができないのです。

また、日銀は「おカネをバラ撒く」わけではなく、金融機関(特に銀行)から債券(一般に「国債」)などを買い取る形で「おカネ」を供給します。ただ、この場合の「おカネ」も「現金(つまり、紙幣)」で供給されることは稀であり、通常は「日銀当座預金」といわれる「銀行システム間でのみ取引されるローカルなおカネ」を供給することになります。

そして、銀行は日本銀行から供給された「日銀当座預金」を原資にして「貸出」等を行うことにより「信用創造」が起こり、当初日本銀行が供給した「日銀当座預金」の何倍もの「現金通貨」や「預金通貨」(つまり、これらが一般的な「おカネ=マネーサプライ」です)を社会に供給することができることになります。

以上より、日本銀行は「通貨量(マネーサプライ)を変化させる」ための政策として「金融政策」を行いますが、実際にマネーサプライを変化させるのは、一般の銀行の行動にかかっていることがわかります。

では、現状の金融政策はどうなっているのでしょうか?

現状、「デフレ」といわれる状態は一応解消されたものの、「インフレ」という状態(モノが継続的に値上がりをする状態)を確実にするためには、マネーサプライを「増加させる」必要があり、そのためには「金融緩和政策」という政策を行う必要があります。

この場合、日銀は「日銀当座預金」を供給するのですが、銀行などは国内の一般事業会社への貸出をそれほど増加させていないため、マネーサプライはあまり増えていません。

この意味では、現状の金融緩和政策が「正常に機能していない」ということがいえます。

では、銀行は貸出可能な資金を「どうしているのか?」ということですが、銀行は企業貸出可能な資金を「海外へ貸し出している」ことが考えられます(これを「円キャリートレード」などと呼んでいます)。

海外に流れた「おカネ」は一般に、国内において「信用創造を起こさない」ので、マネーサプライの増加にはつながりません。

しかし、対外的に「円」が大量に供給されていることになるので、「円という通貨の量」が、他の「通貨量」に比べて増加することになり、「円という通貨の価値」は低下する(つまり、円安)ことになります。
講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ 
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
 
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第6号、いかがでしたでしょうか。

皆さんは、ご自身のキャッシュフロー表を作られたことがあるでしょうか。

生活費はもちろん、マイホーム資金や保険、養育費などを年度ごとに表計算ソフトに落とし込んでいくことで、例えば「80歳まで生きるとしたらいくら必要なのか」をはっきりと認識することができます。

絶対に実現したい目的のために貯蓄目標を立てるためには、お金はあればあるほどいい!などと思わずに、はっきりと「手元資金を何パーセントで資産運用すれば自分の人生における目的が達成できるのか」を理解しておく必要があります。

キャッシュフロー表を作成し、物価や収入などの状況に応じて見直す。

ぜひ皆さんも、株を計画的な資産運用の手段として活用してください。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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