外国人投資家が一斉に手仕舞い!?|株式・資産形成講座メルマガ

  2007/08/15(水)  
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外国人投資家が一斉に手仕舞い!?

外国人投資家(非居住者)による売り越し額が、過去最高となりました。

財務省が8月2日発表した対外及び対内証券売買契約等の状況によると、 7月22日から28日の外国人投資家による 株式・中長期債・短期債を合わせたネット合計が、 1兆1,123億円の売り越しとなり、 2005年1月に統計を取りだして以来の最高となりました。


財務省のグラフをみると、 外国人投資家が「日本から急速に逃げている」ことがわかります。

それもそのはずで、 今回のサブプライム問題によって 海外の大手の金融機関が500億や、 ものによっては1,000億とかのロスを出すことによって、 ポジションや流動性を確保しなければならない状態になっています。

とはいうものの、外国人投資家は、 海外におけるポジション(今回は日本)は精算しても、 アメリカに関してはキープしなければならないと考えています。

そのため, 東京や周辺マーケットをバンバン売ってしまうという事態になり、 現在の売り越し額に大きな影響を与えているわけです。

つまり,日本というのは「緊急の場所」ではないことから、 外国人投資家は、メインのところに流動性を持たせるために、 海外の大手の金融機関や外国人投資家が 日本におけるポジションを一斉に手仕舞いをしているというわけです。

このようなことから「1週間で売り越しが1兆円」という 今までに見たことないような数字になりました。

その影響は、他の途上国も含め世界中に広がり、 各国ともに,この週はガクッと落ち込みました。

他方、円キャリーをやっていた人たちは、 「せっかく低金利で借りているんだから、今のうちに返してしまえ」 というように、手仕舞いに向かっている可能性もあります。

こういう動向になってくると アメリカのドルのほうが弱くなって、 円のほうが強くなるという傾向が強まることになります。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長
大前研一

8月5日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学 vol.9
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第9回 『為替レートと対外純資産』

今回は「対外純資産」という経済指標について解説します。

ここで「純資産」という言葉ですが、これは通常の「資本」や「国富」の計算同様に、「資産-負債」で計算されます。したがって、「対外純資産」とは「対外資産」から「対外負債」を引くことで算出されます。

つまり、自国民が他国民の金融商品を保有する金額が「対外資産」であり、自国の金融商品を他国に保有されている金額が「対外負債」なので、その差が「プラス」であるということは、国内外の「金融商品」が国を跨いで移動することにより、結局、「自国から他国へ資金が流れた」ということを表しています。

また、この「金融商品」とは株式や債券等なので、対外純資産が「プラス」ということは、海外のどこかの国の企業や政府が「資金調達を増やした」ということになります。

この事実は注目すべきです。

一般に、経済が活発である場合には、生産等を自国内で賄うことが困難になる(生産能力がMAXに近づく)ため、海外から輸入をすることで乗り切ることになる(輸入が増加する)とともに、そのための資金も海外に頼ることになるため、対外的に資金調達をすることが必要になります。

海外から資金調達すると、当該国にとっては対外負債(対外純資産がマイナスになっている状態を意味します)が増加することになります。

このように対外負債が増加する方向にある国の経済は「景気が良い」状態にあると考えられ、好調な経済を背景に金利に先高感があるような場合、当該国の通貨は高くなる方向に推移すると考えられます。

しかし、対外負債は"いずれ"返済する必要があるので、将来時点において当該対外負債国の通貨は(当該相手国通貨が増価するので)下落することになると予想されます。

以上より、経済に問題がなく、金利に先高感がある場合には、当該通貨が増価する方向に動くと考えられますが、逆に、景気に陰りが感じられ、高金利ゆえに返済に対する不安が表面化すると当該通貨は減価する方向に動くことになります。

このように同じ経済指標であっても、解釈は一様ではなく、周りの情勢を考慮して複数の経済指標を合わせて分析する必要があるのです。

なお、経済が好況である国ほど輸入が増加し、経常(貿易)赤字が増加することになるので、その資金調達のために対外負債が増加することになります。

つまり、「経常収支の動向」を見ることにより「対外純資産の増減」の現状を把握することができるので、為替レートを分析する必要から、経常収支や貿易収支の動向が注目されているのです。
講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
 
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第12号、いかがでしたでしょうか。

ジャスダックの新株式市場、NEOが上場申請受付を始めました。

将来性のある先端企業を支援、育成する目的で新設されたNEO。

その意味は「New(新しい)」「Entrepreneurs'(起業家達の)」 「Opportunity(機会)」の頭文字を取ったものだそうです。

具体的な上場企業名はまだ明らかになっていませんが、 上場基準はジャスダックより更に緩和される(その代わり、 四半期ごとに事業計画の進捗報告等が義務付けられる)とのこと。

現状、新興市場としての印象が強いジャスダック。

NEOの企業ラインナップはもちろんのこと、これを機に ジャスダック本体のイメージチェンジができるのかどうかも 興味深いところです。

秋以降の上場が楽しみになってきました。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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