|
|
今まで講座でも紹介しなかったオリジナルティ溢れるチャート分析で現在の相場を予測し買い場を探す。
株式市場の1か月を振り返える中で、有名な格言を紹介したいと思います。
「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。」
それを表したのが下の図になります。
ヤフーファイナンスのチャートフォリオといって、全銘柄のチャートの形を示したもので、その全銘柄数によって表されるものです。
「楽観」の場合は、全てが上がっていて好調を示している形になります。
「幸福感」は上昇してそろそろ天井の感じや、ストップした形を表しています。
そして上がりきったものは、下がりますので「幸福感」の下の「消えていく」になります。これは急落や下押しなどを表しているわけです。
そして、ドスンと底をついて「悲観」です。
底までいってようやくみえてくる上げに基調が「懐疑」という形で、下げ止まりやリバウンドなどを表しています。
基本的には、この数のものが、時計回りと反対方向に銘柄が動いているというわけです。
それでは、本当にチャートの動きがそうなっているかをみてみたいと思います。
7月9日には、日経平均というのは非常に強かった日経平均終値高値が18261.98円のところをみてみると、「楽観」のところが非常に多くありました。
そこから、もう少し下がる7月27日から日経平均が急落していくわけですけどその直前というところを見ると、少しづつ左側の「幸福感」のところに移ってきていることがわかると思います。
日経平均自体は少し休憩していますが、全体としては「幸福感」のところに入ったということで注意が必要なゾーンに来ているわけです。
そして、本当にそこから急落していき、実際の目先で一番下がったところは、8月17日の日経平均終値安値が15273.68円で、かなり下がった結果になりました。
そこでチャートをみてみると、圧倒的に「消えていく」が多く、急落を示しています。
そして、もう一度戻ります。
17日からみて、急落後ほぼ1,000円戻り、やはりチャートも「悲観」の形に少し動いています。
そして直近の9月10日は?というと、
日経平均が15764.97円で、「悲観」にスライドがほぼ完了し次に「懐疑」に移り、右に上げてほしいという状況になっています。
そこで気になる買い時というのは、やはり「悲観」から「懐疑」も移って来ている時になり、逆に売り場というのは、「楽観」から「幸福感」の辺りになると思います。
ということで、現在は買い場が近づいているのではないか?と私はみています。
その合図としては、「悲観」から横スライドしてくる時が「懐疑」に移る目安と思っていください
|
|
マネックス証券株式会社 マーケティング部 副部長
藤本 誠之
9月12日放送
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。 |
|
|
|
ブレークスルー経済学 |
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。 |
|
第14回 『国際収支均衡という考え方』
経常収支とは「モノやサービスにおける国を跨いだ移動」についての収支であり、資本収支とは「国を跨いで移動した資金によって変動した対外資産負債の増減」を「収支」という形で表したものです。
したがって、「モノやサービスの収支尻」と「おカネの増減」は絶対値で等しくなければなりません(符号は逆)。それゆえ、「経常収支+資本収支=0(ゼロ)」という「国際収支の考え方」が生まれることになるのです。
理論上は「経常収支+資本収支=0」でいいのですが、実務的な観点から、国際収支統計では資本収支を「民間保有の対外資産負債の増減」と為替レート等の安定化のために「政府が保有している対外資産の増減」に分けて記録しています(「資本収支」という場合、一般には民間の分を指します)。
このうち後者の「政府が保有している対外資産」のことを「外貨準備高」といい、ここではその「増減」を記録しています。つまり、国を跨いで移動した資金によって変動した対外資産負債の増減を「民間部門による増減」と「政府部門による増減」にわけて記録していることになります(つまり、経常収支+資本収支+外貨準備増(-)減(+)=0)。また、政府はこの「外貨準備」を使って「為替介入」などを行います。
ここで資本収支の場合、「対外資産の増加(減少)」とは「現時点の資金の流出(流入)」を意味するので、資本収支が「赤字化(黒字化)」し、国際収支統計上は「マイナス(プラス)」の値が増加することになります*。
*対外資産とは相手国サイドでみれば負債なので、「自国の対外資産が増加した」ということは、その資産を取得するために自国から相手国へ資金が流出していることになります。
このような関係を「外貨準備高」に当てはめれば、「外貨準備高」とはそもそも「政府保有の対外資産」なので、その対外資産が「増加(減少)」するということは「現時点の資金の流出(流入)」を意味するので、「資本収支」を「赤字化(黒字化)」させることになり、国際収支統計上は「マイナス(プラス)」の値が増加することになります。つまり、「外貨準備高の増加(減少)」は国際収支統計上の「マイナス(プラス)の値の増加」になります。
以上が国際収支の考え方です。
では、例えば為替レートが一定であった時に、「当該国の景気」が良くなれば「輸入」が増加し、経常収支は「赤字化」することが考えられます。
この場合、当該国の「景気が良い」ということは当該国の資金ニーズが高いことを意味するので、「国内金利が上昇する」ことになります。そして、この「金利の上昇」を受けて海外から資金が流入し、「資本収支は黒字化する」ことになり、トータルとしての国際収支は均衡すること(つまり、「0(ゼロ)」)になります。
このように「モノやサービス」の移動とそれに伴う「資金」の流れが、ともに絶対値が等しく、方向が逆になるので、「一方が黒字化すれば、他方は赤字化する」ということで理解できると思います。
では、別の例として「モノやサービスの移動」に関係のない状態の下で「資金移動」だけが起こった場合、どのような事態になるでしょうか?
ある国の国際収支が均衡していた時、何かの事情により、当該国に資金が流入してきたとします(資本収支の「黒字化」)。この場合、この資金流入により、「為替レート」は自国通貨高(つまり、円高)になります。この「円高」により、経常収支は「赤字化」するため、元の通り、国際収支は「均衡」を取り戻すことが可能です。
しかし、経常収支の「赤字化」は、当該国にとって「深刻なダメージになる」と政府が判断した場合、円高阻止のために「円(自国通貨)を売って、ドル(貿易相手国通貨)を購入する」という「為替介入」を行うことがあります。
これを「円売り介入」といいますが、このような介入の場合、ドル(貿易相手国通貨)を買うことになるので「外貨準備」は増加することになり、政府保有の「対外資産が増加する」ので、「資金流出」と同じ効果があることになります(「外貨準備の増加」は国際収支的には「マイナスの値」の増加になります)。
この場合には、民間部門の「資本収支の黒字化」は政府部門の「外貨準備の増加」で相殺され「為替レート」には影響を与えず、経常収支は一定のまま保つことが可能となるのです。
|
|
|
前田拓生(Takuo Maeda)
ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
|
|
|
|
|
|
グローバルマネー・ジャーナル第17号、いかがでしたでしょうか。
俗に言う定年まであと30年を切り、
真剣に長期投資を意識するようになりました。
とはいえ、自分で理想的なポートフォリオを組み、
しっかり運用できるようになるのはまだ先になりそうなので、
自分と家族のために、メインとなるコア投信くらいは決めて
おこうと思っています。
先日、うちの株式講座でも講師をしていただいている、
さわかみ投信の澤上篤人さんにお会いする機会があり、
そのようなお話をしたところ、
「30年間毎月コツコツと一定額を積み立てれば、自分でも驚くほど
大きな財産となる」
「奥さんと子供の分も考えているのであれば、各々の名義で投信を
始めるのがよい、そうすれば万一の時、せっかく運用してきた運用益を
相続税として失うことが無いのだから」
とアドバイスをいただき、なるほどその通りと納得しました。
投信一つ取ってみても、まだまだ知識不足だと感じた一日でした。
来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!
|
株式・資産形成講座
一戸 |
|