金は上昇トレンドか!?|株式・資産形成講座メルマガ

  2007/10/03(水)  
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本文タイトル
金は上昇トレンドか!?

信用に基づかない固有の価値を持つ「金」の本質

まず「金」についてですが、金には「物としての側面」と「金融商品としての側面」があります。そのため、金価格は「金の需要と供給だけ」で動くのではなく、他の金融資産と比較により、相対的に金が有利な場合は、金投資が盛んになり、金価格は上がります。

また、そもそも、ニクソンが金本位制に基づくドルと金との交換を停止するまでは、35米ドルにより1オンスの金と交換していました。そのような歴史から、とくに欧米では金を資産形成の方法として尊重する風潮が根強くあり、金を金融資産として貯めるのは世界の常識です。

それでは、金価格に影響を与える要因について考えていきたいと思います。

ドル建ての金価格はドルと逆相関になることが多く、「ドルが安いと金が上がる」ということが下記グラフでわかると思います。


2005年はドル高で金高だったので例外ですが、それ以外はドル安で金高という関係になっています。



現在はドル安の傾向にあります。今後も、サブプライムローンの影響が米国の個人消費支出に影響を及ぼしたり、実体経済を停滞させると、ドル安が続くものと思っています。


ユーロやポンド、人民元はこのグラフでわかるようにドルに対して右肩上がりに価値を上げているのに対し、金価格は出遅れていたというのが、最近の金高の一つの根拠です。

従って、ドル安と金高の関係を考えると「まだまだ上がる」のではないかと思います。

ドル安/金高になるもう一つの要因としては、米国の景気があります。

前述のようにサブプライムローンが深く米国の実体経済にも影響を及ぼす事態になると、金価格に影響を与えます。


サブプライムローンの本質は、住宅ローンの借り換えが不動産価格の下落によってできなくなることであり、返済が滞ると不良債権が発生するとともに、不動産の売却が多くなり不動産バブルが崩壊することにあります。不良債権を持っている金融機関は「どこだろうか」というババ掴みの恐れから信用が収縮します。

また、金融資産のほとんどは、何等かの信用で裏付けされています。貨幣は国家の信用に基づき、株価や債券は企業や政府の信用に基づいています。

それらの信用が無くなったときに真価を発揮するのが金です。なぜならモノとしての金は古代エジプト時代から3000年以上の歴史と文化を通じて、信用に基づかない固有の価値として崇められてきたからです。

従って、ドル安を背景とした他の投資対象の魅力が薄れると、相対的価値としての金を安全な資産逃避先として珍重される傾向が現れます。正に「まさかの時の金」なのです。
講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学 株式・資産形成講座講師
株式会社フィスコ コモディティー代表取締役社長
近藤 雅世

9月18日放送
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、一部再構成したものです
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第16回 『中国における外貨準備高増加の背景』

本日は、中国経済における国際収支についてみていきます。中国の場合には国際的な資金の流れが、ほぼ「理論通り」になっているので、経済学の理解には非常に良い教材だと思います。

ところで中国は、少し前まで、計画経済を中心にした社会主義国であったことから、それほど目立った経済発展はしていませんでした。しかし、ここにきて急速に経済が向上したことから、現在では「世界の工場」として機能し、それによる貿易黒字を背景に国民所得を増加させてきています。

そこで、この急速な経済発展による景気の向上(これを「第1の変化」とする)によって、国際収支上、どのような均衡が考えられるのかをみていきます。

本来、国民所得の増加は「金利の上昇」を招くため、この国内金利の上昇は貿易相手国の金利が一定であるという条件の下で、自国通貨高(つまり、人民元高)を招きます(資本収支の黒字化)。

しかし、中国政府は「完全な固定」ではないものの、為替レートを「一定の水準に留める政策」を行っているので、中国政府が想定しているレートを超えるような「人民元高」になるようであれば、為替介入(ここでは「人民元売り介入」)を行うことになります。

つまり、「人民元売り介入」により、外貨準備高を増加させ、資本収支黒字を解消させることになります。これによって為替レートは「初期の状態(「第1の変化」が起こる前の状態)」に戻すのです。

このような為替介入は、人民元を大量に市場に放出することになるので、「第1の変化」からすれば「金利低下」になります。そのため、設備投資等に代表される「企業の支出」が増加し、国民所得は"さらに"増加することになります。

以上から、中国では貿易黒字になっても、自国通貨売り介入を行うので、「金利は初期状態のままで、国民所得が増加する」ということになります。

現状、中国で「外貨準備高」が積みあがっているのは、以上のようなメカニズムが働いているからなのです。したがって、一部誤解をしている方がいるようですが、中国が「外貨準備を増加させている」のは、国際社会における「地位向上」という意味ではなく、単に「為替介入の結果」なのです。

このように中国による為替介入は自国が有利になるように人為的に為替レートを誘導しているだけなので、「貿易均衡」という考え方から「中国へ輸出をしたい」と考えている国では、この為替レートによって「不利益を被る」ことになります。

そのため、中国に対する貿易相手国(例えば、米国やユーロ圏、日本など)は適正な為替レート(つまり、人民元高)になるように中国政府に抗議することになるのです。

講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
 
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第19号、いかがでしたでしょうか。

10/1、日本郵政公社が民営化しました。

中でも業績好調なのが、定期分配型の投信なのだそうです。

数年前の投信は調子の良いものが多数ありましたが、今では各社とも実績にかげりが出てきています。

投信は中長期で見るものですから、単年実績でどうという話では ありませんが、私自身は株であれ投信であれ、その企業、そのファンドの企業コンセプトや考え方を重視すべきだと思います。

経営者の考え方や成長ロジックがしっかりしていれば、投資を行う こちら側もその企業やファンドを安心して応援し続けられるのではないでしょうか。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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