世界マネーの流れに変化!株式市場から商品市場へ。ドルからユーロへ|株式・資産形成講座メルマガ

  2007/10/10(水)  
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本文タイトル
世界マネーの流れに変化!株式市場から商品市場へ。ドルからユーロへ

サブプライムローン問題により、世界のマネーの流れに変化が出てきました

金融商品のリスクを回避するため、コモディティに資金がシフトしているものですが、原油が最高値を更新し、金も28年ぶりの高値をつけました


例年ですと、原油の価格は夏の始めから上がっていき、秋口にかけては下がってくるのですが、今年の場合には市場最高値を更新し続けている状況です。

これはサブプライムショックの影響もあり、まだまだ不透明で実体のわからない株式市場のほうはポジションを整理し、その資金がコモディティのほうに流れていることが原因です。

その結果、原油市場は最高値を更新し続けて、一時は83ドルまでいきました。

まだ、米国の株式市場が不安要素を拭えないのであれば、コモディティに流れる資金が増えそうに思います。

他方、ユーロに対するドルと円の動きですが、これはかなり軟調です。



米国は政策金利を0.5%下げましたから、均衡がくずれ、ドルからユーロ側に資金がシフトする可能性が高くなっています。

ここでユーロも同時に下げれば均衡は保たれるのですが、ユーロの政策金利における変化は今のところないので、さらにユーロ高になる可能性があります。

いつも、ドルはユーロに対して、私が『新・資本論』(東洋経済新報社)で書いたように、「アトランテックの戦い」という大西洋を挟んで激しい駆け引きを行っています。

現在、世界の準備通貨の流れもユーロにシフトしようとしているので、今のところ、その戦いはユーロが勝っているといえるでしょう。

このような世界におけるマネー潮流の戦いに対して「日本はどうか?」というと、邦銀など金融機関が弱いこともあり、未だに0.5%から動くことができずに、蚊帳の外といった感じです。

ですから、日本も米国もとともにユーロに対しては一緒に負けていますから、円は対ドル関係で観れば、ほとんどフラットな状態で推移しているのです。

世界中の国々が考えている望ましい通貨バランスとしては、「まだユーロを増やしたい」という心理がありますから、今後もまだユーロ側へシフトする動きが止まらないでしょう。

講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長
大前研一

9月23日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第17回 『日本経済におけるマネーフロー』

今回は日本経済についてみていきます。

日本経済は他の国の経済とは違い、経済学が「一般に想定する仮定」とは違った経済になっているので、モデル分析を行う場合には、その点を考慮する必要があります。

ここで「一般的な仮定」とは「景気が良くなる(国民所得が増加する)と、それに伴い、金利が上昇する」というものですが、現在の日本経済では、この仮定が通用しない状態になっているのです。

通用しない理由はいろいろとあるのでしょうが、一般的には、超低金利政策として行った「量的金融緩和政策」の弊害が考えられます(もちろん、他にも理由はありますが、ここでは「モデル分析」を解説することが主であるため、これ以上の「理由」についての言及は「またの機会」に譲ります)。

現在、日本経済は輸出産業および大企業を中心に企業業績が回復し、それによって国民所得も徐々に増加しつつあります。本来、ここで「金利の上昇」が見られるはずなのですが、日本ではその気配がなく、金利は低いままの状態になっています。

経済学的には景気が良くなってくると、企業は資金ニーズが高まるので「国内金利は高くなる」と考えるのですが、日本では「金利が高くならない」のです。

現状、日本では景気が向上しているといっても、まだ一部の大企業等に限られ、モノの価格も上がらない(つまり「デフレ」)ことから、追加的な資金需要が起こりにくい状態にあります。他方、世界的には経済が好調なので「輸出を増加させる」ことによって国民所得を増加させることになります(当然、所得および物価状態から「輸入品を買おう」というような雰囲気には至っていないと思われます)。

このように輸出を中心とした経済である上に、新規事業(いわゆる、イノベーション)が行われていないため設備投資等に資金がかからず、企業の内部留保も潤沢にあり、景気が良くなっても企業は外部から借入(つまり、銀行借入)をする必要があまりないのです。

このように借入需要がない状態においては、国内の金利は上昇しないので、海外からの資金流入も生じないことになります。

このような中にあって国内銀行は、量的緩和政策によって大量に日銀当座預金を保有しているので、貸出利ざやを稼ぐために海外に貸し付けることから、円資金が海外に流出し、「円安(自国通貨安)」を招くことになります。

以上のように、日本の金利状態では「超」は取れたものの、今後も現状のような「金融緩和(低金利状態の維持)」を続ける限り、景気が良くなっても本格的には「円高」にはならず、むしろ、「円安が進行する可能性がある」といえるかもしれません(この部分は相場観になりますので、ご自身で考えてください)。

* ここで「金融緩和をやめたのでは...」と考えている方がいるかもしれません。確かに、最近の金融政策では「利上げに向けて調整している」のですが、これは量的緩和において「必要以上に積みあがってしまった日銀当座預金」を適正水準まで吸収するための措置であり、経済的な意味での「利上げ」とは異なると考えています。

講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
 
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第20号、いかがでしたでしょうか。

サブプライムで大打撃を受けた日本の市場ですが、 徐々に落ち着きを取り戻してきました。

私の保有株も何とか持ち直してくれ、一安心です。

一方で新興市場は「世界中で何があっても株価上昇一途」の 中国のような勢いで、下降を続けています。

もう底と言われながら底を見せない新興市場ですが、 その中にも業績好調な企業は幾つも存在しますし、 私自身はこれから先、伸びるべくして伸びる企業が まだまだ出てくると思います。

良いものは評価される!そう信じてこの市場にも注目 していきたいと思っています。 積極的な投資はまだ先になりそうですが。。。(汗)

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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