マレーシア工業開発庁が19日に発表した去年の海外からの直接投資認可額は、
前年比で65%増加の334億リンギ、およそ1兆1,000億円となり、過去最高を更新しました。日本からの投資が48%増加の65億リンギで最大となり、ドイツ、イラン、アメリカがこれに続きました。
マレーシアへの投資が増加しています。
マレーシアと日本というのは、従来から非常に強い関係がありますが、日本は今中国に投資する一方で「隠れて」というか、タイ、マレーシア投資を強化しています。
これは「非常に良いバランス感覚だ」と思うので、その辺りのことを図で見てみましょう。
グラフで分かるように、アメリカや日本を中心とした製造業への直接投資は、このところずっとうなぎのぼりです。
また、私がマレーシア4代首相のマハティールのアドバイザーをしていた頃に設計・製作をした「スーパーコリダー計画(情報技術構想)」というのがありますが、そこにも900社ぐらいが名乗り出ています。
一時はアジア危機の後に、非常に低迷した時期もありましたが、今ではそれが逆に反転して「かなり忙しくなってきている」という報告も聞いています。
現状、マレーシアの製造業、および、IT関係の投資は「狙い通り上がってきている」という感じです。
これに対して中国には若干雇用やいろいろな問題があり、今年の1月からは法律も変わったので、中国の先行きを疑問視している人たちは当面ベトナムに行きます。
ですが、安定したインフラがある程度あり、「政府も非常に理解してくれる」という国として、日本にとって一番良いのは「タイとマレーシアになる」と思います。
そういう意味で、現在、「マレーシアが選ばれている」のだと思います。
企業の工場などが中国からベトナムにシフトしている中、ベトナム株などに注目が集まっていますが、まだまだアジアの中でポテンシャルを秘めている国はたくさんあります。
そういった広い視野で今後もアジア市場をみていくことが必要だと思います。
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