注目すべきはベトナムではなくマレーシア|株式・資産形成講座メルマガ

  2008/3/5(水)  
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注目すべきはベトナムではなくマレーシア

マレーシア工業開発庁が19日に発表した去年の海外からの直接投資認可額は、 前年比で65%増加の334億リンギ、およそ1兆1,000億円となり、過去最高を更新しました。日本からの投資が48%増加の65億リンギで最大となり、ドイツ、イラン、アメリカがこれに続きました。

マレーシアへの投資が増加しています。

マレーシアと日本というのは、従来から非常に強い関係がありますが、日本は今中国に投資する一方で「隠れて」というか、タイ、マレーシア投資を強化しています。

これは「非常に良いバランス感覚だ」と思うので、その辺りのことを図で見てみましょう。


グラフで分かるように、アメリカや日本を中心とした製造業への直接投資は、このところずっとうなぎのぼりです。

また、私がマレーシア4代首相のマハティールのアドバイザーをしていた頃に設計・製作をした「スーパーコリダー計画(情報技術構想)」というのがありますが、そこにも900社ぐらいが名乗り出ています。

一時はアジア危機の後に、非常に低迷した時期もありましたが、今ではそれが逆に反転して「かなり忙しくなってきている」という報告も聞いています。

現状、マレーシアの製造業、および、IT関係の投資は「狙い通り上がってきている」という感じです。

これに対して中国には若干雇用やいろいろな問題があり、今年の1月からは法律も変わったので、中国の先行きを疑問視している人たちは当面ベトナムに行きます。

ですが、安定したインフラがある程度あり、「政府も非常に理解してくれる」という国として、日本にとって一番良いのは「タイとマレーシアになる」と思います。

そういう意味で、現在、「マレーシアが選ばれている」のだと思います。

企業の工場などが中国からベトナムにシフトしている中、ベトナム株などに注目が集まっていますが、まだまだアジアの中でポテンシャルを秘めている国はたくさんあります。

そういった広い視野で今後もアジア市場をみていくことが必要だと思います。

講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長
大前研一

2月24日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第35回 『価格競争力って何?!』

モノやサービスの供給は、企業部門が中心となって行います。

企業がモノなどを供給するのは、それによって「利益」を得るためです。したがって、合理的な企業は「利益が最大化される」ように行動するものと考えられています。

利益=売上-費用・・・(1)

ここで(1)式の「売上」は「価格(P)×数量(Y)」です。費用として「賃金」を考えた場合、「費用=1人あたり賃金(W)×人数(N)」ということになります(資本財は一定とします)。

以上から、「1人あたりの利益」を考えた場合、「1人あたり売上(マイナス)1人当たり賃金」ということになります。

そして、「1人あたり売上」とは「価格(P)」に「1人で生み出すことの出来る数量(ΔY/ΔN)」を掛けたものになることがわかります(ここで「Δ」があるのは1人に限定したことを示していると考えてください)。

この「1人で生み出すことの出来る数量(ΔY/ΔN)」のことを「労働生産性」といいます。

したがって、「1人あたりの利益」は「価格×労働生産性(マイナス)1人当たり賃金」ということになります。

そして、企業は「1人あたりの利益」を最大にするように行動することになります。

そのためには、売上(価格×労働生産性)に見合うように費用(1人当たり賃金)を決定することになるので、「価格×労働生産性=1人当たり賃金」になると考えられます。

この「価格×労働生産性=1人当たり賃金」のうち、「価格(P)」は企業自体では決めることの出来ない(独占企業でないと市場価格の支配権を握れないので、一般の企業は市場価格を独自で決定できないと考えられています)とした場合、以下のことがわかります。

・賃金が高い場合、労働生産性が同じとき、そこから生み出されるモノなどの「価格(P)」も高くしないといけません。

・労働生産性が高い場合、賃金が同じ時、そこから生み出されるモノなどの「価格(P)」を低くすることが可能です。

このように「価格(P)」というものは「労働生産性」や「賃金」に影響を受けることがわかります。

また、一般に商品やサービスは「価格(P)」が低いほどよく売れるはずですから、「労働生産性が高いほど」または「賃金が低いほど」、他社に比べて有利になります。

このように「価格を下げることができる(できない)」という場合、他社に比べて有利(不利)に戦うことになるので、そのような企業のことを「価格競争力がある(ない)」というのです。

講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
著書:「銀行システムの仕組みと理論」大学教育出版
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第40号、いかがでしたでしょうか。

先日、資産形成講座の収録時にオフレコで講師と話をしたのですが、その話の中で、「中長期投資に大切な事として企業の質と先見性がある」ということを学びました。

質とは例えば技術力。国全体の平均株価が下がればどんな優良企業でも株価は下がる。しかし、それはその会社の技術力に問題があることとはイコールではない。むしろそれは、よい企業を安く仕込む絶好のタイミングである。

先見性の例えとしては医療。仮にある新興国が急成長し、裕福な人が沢山出始めたら何が起こるか。端的にその国へ投資する人が増えるということではなく、裕福な人は粗食を忘れ、高カロリーなものばかりを食べるようになる。その先に待っているのは成人病であり、高度な医療技術が求められ、医療株の成長という結果が予測できる。

真剣に、真面目に資産運用を学ぶことで、一時の動きに左右されないこうした考え方を身につけることができれば、年率二桁の安定運用も決して夢ではない、そう感じました。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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