見えない企業価値を"見抜く目"を養う|株式・資産形成講座メルマガ

  2008/3/12(水)  
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本文タイトル
見えない企業価値を"見抜く目"を養う

株価・市場にあまり左右されずに、企業の本来の価値を買うためには?

現在「信用不安」と聞いてイメージするものは銀行株だと思います。 しかし、97年~98年に我々が経験してきた金融システム不安の際にも、いくつもの金融機関が倒産しました。

その間の2~3年で「○○銀行が危ない」という声が多くあがり、株価が大幅に下がったわけです。それと同じような状況が今アメリカでも起きつつあります。

それでは図を見てください。


BKXと書いてあるグラフの青線が「アメリカの銀行株価指数」であり、赤線が「日本の銀行株価指数」です。しかし、これを見ていると、どちらが震源なのか分からないぐらい日本の銀行株価指数は下がっています。

震源地であるアメリカの銀行株価指数(青線)が下がるのなら分かるのですが、赤線の日本のほうがより下がっているのは、本当に理解に苦しむ結果です。

ですが、日本の金融システム不安の時もそうだったように、「一体、金融システムの不安を切り抜けたと認識できたのは何だったのか?」ということを思い出すことは重要だと思います。

それは「メガバンク株が反騰に転じた」ということでした。

つまり、「日本の銀行株価指数が反発に転じた」ということは、そのポイントで「大底をうった」ということになります。

この点からすると、アメリカだけではなく欧米でもそうなのですが、銀行株価指数が確実に「大底をうった」ということが「確認された」とするには、今はまだ微妙な時間帯だといえます。

とはいえ、それが確認されれば次は全面高局面になるので、「いつ、アメリカの銀行株価指数である青線が切り上がっていくのか」ということを見て、「日本の銀行株価指数が切り上がっていく」のかどうかが、多分今年の前半戦の最大のみどころになると思います。

そして、これが一番大事な「見極めの材料になる」と思います。

切り上がっていくのであれば全面高局面が到来することになるので、そこは「千載一遇のチャンスだ」ということになります。りそな銀行に公的資金を注入したときのような「狼煙が上がった」と判断してもいいと思います。

それが見えるまでが微妙でややこしいのですが、そこはやはり時間分散をはかりながら超優良株を安いところで拾っていくという戦略が、おそらく有効ではないかと思います。

ついでに思い起こしていただきたいのは、日本の金融システム不安の時、銀行株ももちろん下がりましたが、銀行株以外も下がったわけです。そのことで「日本企業の強みが損なわれたのか?」というと、実は全然関係ありませんでした。

当時はトヨタも下がり、キヤノンも下がりましたが、株価が下がっただけで企業の強みが失われることはありませんでした。それを思い起こして、株価にあまり左右されずに「企業の価値を買う」という信念を持ってのぞむべきだろうと思います。



講師紹介
山田勉氏
ビジネス・ブレークスルー大学院大学 株式・資産形成講座講師
カブドットコム証券マーケットアナリスト
山田 勉

3月2日収録
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第36回 『「保有期間」で考えない「投資」の薦め!!』

「良い投資」の代名詞として「長期投資」という言葉があります。この場合、一般的には「保有期間を長くする」と考えるのが普通です。実際、そうなのですが、「保有期間をベースにしない投資」という考え方があってもいいと思っています。

現在、先進国において特定の上場企業の業績が当該国全体の付加価値よりも、常に「上回っている」ということが、「長期間」継続する可能性は少ないと思います。

当然、「イノベーター」に属する企業群を発掘し、その時点で株式を購入するとすれば、当該企業が成熟企業に発展するまで「長期で保有する」ことで、投資による成果と保有の「時間的な関係」が一致するかもしれません。

しかし、この方法は先進国では非常に難しく、投資対象先の選考・調査に時間がかかりすぎる上に、情報ソースとの接触が限定的になるため、一般の個人投資家が真似できるものではありません。

ここで「保有期間」ではなく、「投資スタンス」または「投資における戦略」を「変更しない期間」を「長期に保つ」ということを考えてみるのは如何でしょうか。

つまり、例えば、経済環境から見て「Aという業種」を購入するものの、「Xという事象が起こった場合には、それまでの方針を変更し、Aを売る」といったようなスタンスで投資をするのです。

この場合、「X」という事象が起こらなければ、「Aを保有し続ける」ことになります。しかし、一旦「X」が起これば、期間的なこととは関係なく、「Aを売る」ことになります。

このような「方針」を"長期間守る"ということも「長期的な投資」といえます。

ここで「方針を変更する」という場合でも、その「変更する」というルールも"事前"に決めておくのです。つまり、この考えにおける「長期的な投資」とは、「自分の決めたルールを"長期間"変更しない」ということになります。したがって、逆に、投資スタンスなどを「コロコロ」変更するのが「短期投資」ということになります。

投資をする場合、「投資前」にはいろいろな情報を収集し、経済理論などを使って「予測」を行うものです。そして、「○○なら売り」「◆◆ならナンピン買い」「▽▽なら様子見」などを冷静に考えます。

でも、不思議なもので「投資後」は、同じ人でも「判断」が違ってきます。たとえば、上記の例で「○○」という事態になったとします。これは「売り」ですが、その時、投資家は「まだ上がる」と思うものです。

これはルール違反ですよね(経験則ですが、「ルール違反」をすると投資の成功確率が低くなるように思います)。

このように、投資をする"前"に、ある程度"長期"的な(変更時期も含めた)投資ルールをきちっと作り、そのルールに従って「運用をする」ということが、「投資」にとって大切だと私は思っています。

とはいえ、経済は「生き物」ですから、「長期的にルールを作ってもダメ」と考えるかもしれません。しかし、経済学というものは「仮定」をおいて結果を導きます。「仮定」が崩れれば、当然、結果も変わります。

したがって、「仮定」が変化した時に「ルール変更をする」というようにしておけば、合理的な投資が出来るのではないでしょうか?

普通の人は、「投資する前の自分」と「投資した後の自分」の違いを感じていません。しかし、本当は「別人格」と思うくらい「違った人」になっています。したがって、投資においては「現在の自分」を信じるのではなく、投資ルールを作った時の「過去の(冷静な判断のできる)自分」を信じるべきだと思います。

このような意味で「長期に自分の作ったルールを守って行う投資」という「投資」を考えてみても良いと思っています。

講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
著書:「銀行システムの仕組みと理論」大学教育出版
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第41号、いかがでしたでしょうか。

先週、もう20年以上通い続けている美容院に行き、半年振りにそこのマスターにお会いしたのですが、その激やせぶりにビックリ!

聞くと半年で12キロのダイエットに成功したとのことで、成功要因を尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。

「僕ははじめに、ネットで運動、食事制限、りんごダイエットなどのうちどれが効果的なのか調べたんだけど、そこでダイエット成功者の共通点を見つけたんだ。それは『続けること』。極端な例だと、継続をモットーにダイエットを成功させた人の中には、500mlの空ペットボトルに水を入れて通勤しただけで痩せたという人もいたよ。」

ダイエットだけではありませんが、まさに「継続は力なり」。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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