日銀が利上げを目指してきたこれまでの政策を転換する見通しです。
これは原材料高などの影響で企業収益が悪化しており、利上げは
当面難しいとの意見が日銀内で大勢を占めていることを受けたものです。
またニュージーランド準備銀行は24日、政策金利を8.25%のまま
据え置くと発表しました。
日銀は今の金利を上昇させるべきなのですが、
その理由について図を見て説明させていただきたいと思います。
このグラフを見て分かるように、今最後に出てきたニュージーランドの
政策金利は8.25%で、日本は0.5%です。
今の104円を円高と言う人もいますが、どんどん為替が高くなっている
状況ではありませんので、たとえばニュージーランドや豪州に預けると
6%以上の金利差で運用できます。
つまり低い金利でやっていると日本に存在しているお金が
富を生まないわけで、このような状況から脱却すべきなのです。
今は日本も世界の他の国と同じように、
食料や油の高騰からくるインフレの懸念があります。
従って原料高という側面からも、インフレを抑えるために
やはり金利を上げていかないといけないわけなのです。
また日本の場合には非常に多くの個人金融資産があり、金利が高いほど
活性化するにもかかわらず、金融不安が世界の他のところにあるという理由だけで
政策をギブアップしてしまうこと自体に政治的な匂いがします。
白川さんが選ばれた1つの理由というのは日銀マンとしての
見識なのでしょうけども、それが早くも通じなくなっているということです。
先ほどの図を見ていただければ分かるように、
アメリカとカナダの金利が低くなったとはいえ、
まだ日本との正味の差はそれぞれ1.75%と2.5%もあります。
だから逆に言うと、高い金利のところでお金を運用するのが
常識であるにもかかわらず、日本人がなぜ円ベースでもって
お金を運用してるのかというのが世界の7不思議でもあるわけです。
日本人自身がそういう形で日本のお金を円キャリーするようになれば
金利を上げざるを得ないことになるのですが、とにかく日銀がこういう
方針転換をしたのは極めて残念なことです。
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