シティグループは9日、非中核事業の資産のうちおよそ8割にあたる4000億ドル、およそ41兆2000億円分を、今後3年以内に売却すると発表しました。
個人向け融資やクレジットカード事業など中核事業に集中し、早急な経営改善を目指す考えです。
私は新しいCEOのビクラム・パンディットの能力をとても信用・信頼しているのですが、200兆円を超える全資産のうちの20%、40兆円を売却する、なんてことを言ってしまって「いいのかな」と思ってしまいます。
「売却する」と言ってしまうと、もうあとは買い叩かれて足元を見られるので、そうなると、「今現在の帳簿上の値段」と「実際に売った時の値段」との間で差損がでてきます。
常識的に考えると40兆円で売れるわけがないので、25%まで縮まってしまうと10兆円になってしまいます。そこまでいかないとしても半値でしか売れないとなると20兆です。
つまりシティバンクにとっては、これから恐ろしいぐらいの計上ロスにつながってくるというニュースなのです。
そうなってくると、日本でも消費者金融を売るとか言っていますが、そのくらいで終わるとは思えず、シティバンクそのものが存在できるのか否かという感じになってきます。
40兆の売り物自体、それは「良くないものを売る」と言っているのですから、どう考えても、これにプレミアムがついて売れるとは思いませんし、みんなも(買うなら)できるだけ「安く買いたい」と思うはずですから、そうすると25%ロスで10兆円といっても不思議ではありません。
今までに何兆円か処分してきていますが、さらにこの上「10兆円」、「20兆円」とロスが出てくることを考えると、これはシティバンクの存続そのものが脅かされるという領域に入ってしまっていることを、自ら告白したようなものでしょう。
従ってこの後、いわゆるユニバーサルバンクを維持しながら「個人向け金融に集中する」と言っていますが、もはや"アーメン"としか言いようがないくらいの大きさになっているということが分かったわけで、これはとてもシリアスな問題です。
それは次の図を見ていただければ分かると思います。
今回の5000億ドルの内訳を見ても、とてもいい値段で売れるとは思えないものばかりなので、やはり相当な修羅場になると思います。
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