「ウルトラA級の超大国」なるか!?ロシア|株式・資産形成講座メルマガ

  2008/6/25(水)  
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本文タイトル
「ウルトラA級の超大国」なるか!?ロシア

日本人が気づかないところで、急速に動くホワイトベアー、ロシア

今回は、今後注目される可能性が高いテーマということで「ロシアの経済拡大」を挙げさせていただきました。

ロシアという国については、伝統的に我々日本人が疎いところです。 私自身がそうですが、あまり知らない上、理解が浅いという印象でした。

ここ最近の出来事を聞いても、大統領がメドベージェフ氏に変わったことくらいしか出てこないのではないでしょうか。

しかし、ロシアで最も注目すべきところはとにかく経済が好調だということです。 産油国として確固たる地位を築いているロシアは、貧富の差はあれど、 かなり潤ってきている状態にあることは間違いないでしょう。

ソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)の特集などでも、潤沢な資金を指して「ロシアマネー」という言い方をよくしています。

それでは実際にグラフから、ロシア経済の拡大がどうなってきているのかを見てみたいと思います。


好調ロシアの07年実質GDPの成長率は8.1%という驚異的な数字です。昨年だけではなく、99年以降、9年連続の成長を達成していて、しかも03年以降は、5年連続で6%を上回る高水準です。

もともとロシアのGDPというのは、エネルギー資源の輸出などの外需の依存度のほうが高かったのですが、グラフを見ても判る通り、家計消費支出が増えてきています。

ここから個人消費や設備投資といった内需の貢献が多くなってきており、ロシアの経済構造が変わってきていることがわかります。

ゆえに我々が思っている「ロシアのイメージ」は、もう古いといえるでしょう。 国もお金持ちになってきていますし、国民も比較的豊かになり、富裕層を中心に高額商品がたくさん売れています。

そして、次のフェーズとしてロシアが向かうであろう方向は、 「投資立国」としてのロシアです。 国民が豊かになり始めているわけですから、今後は自国の株や外国の株にも盛んに投資をしていくと思います。

BRICsの中で比べてみても、ロシアは中国やインド、ブラジルにはない 異彩を放っていて、国力と個人との両輪がうまく回っている感じがします。 かつて「ソ連」は軍事力が強大で、人口も多く、資源がある大国というイメージでしたが、 昨今の原油価格の高騰や政治の安定により、今後はお金も持っている 「ウルトラA級の超大国」になる可能性があると思います。

しかし、我々日本人はそのようなロシアの情報に一番疎遠であるという弱点があります。

北米の人はブラジルに詳しく、ヨーロッパの人はロシアに詳しく、アジアの人はインドや中国に詳しいという地理的なものもあるとは思いますが、我々は投資家ですからそんなことは言っていられません。

ロシアは、確実に発展しているわけですから、"気付かれだす"前に 行動を起こしていくことが重要だと思います。

講師紹介
天海 源一郎
ビジネス・ブレークスルー大学院大学 株式・資産形成講座講師
株式ジャーナリスト/個人投資家/フリープロデューサー
天海 源一郎

6月11日放送
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第50回 『国際収支統計で何がわかるの?』

ある期間における国際間の財やサービス、及び、資金の流れなどを集計したものが「国際収支統計」です。この統計は為替レートなどを予想する上で重視されている統計の一つであり、多くの市場関係者が注目をしています。

しかし、「名前は知っているけれど・・・」「経常収支なら知っているが、資本収支がどうもねぇ~」「赤字と黒字の意味が、イマイチよくわからない」など、注目されている割に、理解していない場合が多い統計でもあります。

特に「資本収支」については「馴染みがない」のではないでしょうか。でも、モノの動きよりもおカネの動きの方がはるかに巨大になっている現代において、為替レートを予測するのであれば、資本収支の内容を知ることが大切だと思います。

国際収支では、以下のように、大きく3つのパーツから構成されています(誤差脱漏を除く)。

国際収支=経常収支+資本収支+外貨準備増減=0

ここで「経常収支」とは主に貿易やサービスの収支に関するものを集計したものです。つまり、例えば、ある期間において「輸入が輸出より多かった」という場合、貿易収支は「マイナス」になり、経常収支を赤字化することになります。

このような場合、当該期間において当該国は他国からの購入(輸入)が超過していることになるので、対外負債が増加することになります。

「対外負債が増加している」ということは、当該国に資金が流入したことを意味するので、このような場合を「資本収支黒字」と呼びます。

つまり、経常収支が「赤字(例えば輸入超過)」の時、資本収支は「黒字」になり、国際収支は、事後的に、均衡(「0」)します。

これが基本的な考え方であり、逆は逆(経常黒字の時は資本赤字)になります。

このように、モノの動きに対応しておカネが流れているということであれば、経常赤字になったからといって、為替レートに直接影響を及ぼすことはないと考えられます。

ところが、対外負債というのは相手国からいえば対外資産なので、相手国の意向により、いつでも売却される可能性があります。つまり、経常赤字が続いて、対外負債の残高が多いような国は、自国通貨が売られる可能性が高くなるという意味から、自国通貨が下がるリスクが高まることになります(しかも、「いつ売られるかわからない」という危険性を、常に抱えることになります)

以上から、国際収支統計で「経常赤字」が続く場合、自国通貨が下落するリスクが高まり、当該国の通貨は不安定化すると考えられています。

他方、近年に至り、資金はモノ以上にグローバルに、そして、自由に流れています。そのため、経常赤字(または経常黒字)に関係なく、資金の流出入が起こっています。

このような資金が存在すると、国際収支の等式が成り立たなくなります。これについて国際収支では以下のように考えることになります。

モノの流れよりも、資金が当該国に多く流入している場合、それだけ余分に当該国通貨が買われていることを意味します。このような時には、その余分な分だけ当該国通貨の価値が高くなるように為替レートが変動しているはずです。

つまり、国際収支の等式が「事後的」に成り立つように為替の方が変動することになるのです。それゆえ、投資家(特に為替レートを対象とする場合)は、常にグローバルな資金移動に注視する必要があることがわかります。

このような「おカネだけの動き」について、国際収支表では資本収支の中の(投資収支の中の)証券投資や直接投資などを見ることでわかります(モノとの関係に関するおカネの流れは主に「その他投資」に表れます)。

但し、このような統計値はかなり遅れて発表されるため、臨機応変に対処することが困難になります。そこで財務省では、毎週、先週の動きについて「対外及び対内証券売買契約等の状況」を発表し、証券投資の動向についての統計を提供しています。

なお、モノの流れよりも民間の資金流入が増加した場合、当該国通貨は増価する方向に為替レートが変動することをみてきました。このとき当該国経済を「混乱させる可能性がある」と当該国の金融当局が判断した場合には、「為替レートの安定化のため」ということで「外貨準備」という金融当局の資産を使うことになっています(民間の資金流入が増加しているのであれば、金融当局は外貨準備を使って、当該国通貨の「売り介入」を行い、通貨価値を下げるように市場に働きかけます)。

したがって、国際収支表の外貨準備増減を確認することで、金融当局の為替介入の有無がわかることになります。



講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
著書:「銀行システムの仕組みと理論」大学教育出版
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第56号、いかがでしたでしょうか。

商品市場はギャンブルだと思っている方が少なからずいらっしゃると思います。

実際商品先物はリスクリターンも非常に高く、あっという間に追証を求められることもあり、長期でゆったりじっくりという投資スタンスの方には確かに対極にある投資商品だと思います。

私も中長期投資家なので、この点に異論はありません。

しかしながら、商品市場での取引をしている方の「論理的思考」には学ぶべき点が多々あると感じます。

世界中の「実需」の動きから売り買いの投資判断をファクトベースで行ったり、例年の気候変動から「今年はエルニーニョ現象が起こるだろうから数ヶ月先に農作物の高騰が起こる」などと論理的に予測を立てたりといった思考方法は、投資眼を養うことに直結するからです。

ハイリスクは否めませんが、「余資の更に余資」程度の資金があれば、商品市場への投資学習も少ししてみようかと思っています。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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