日本人が気づかないところで、急速に動くホワイトベアー、ロシア
今回は、今後注目される可能性が高いテーマということで「ロシアの経済拡大」を挙げさせていただきました。
ロシアという国については、伝統的に我々日本人が疎いところです。
私自身がそうですが、あまり知らない上、理解が浅いという印象でした。
ここ最近の出来事を聞いても、大統領がメドベージェフ氏に変わったことくらいしか出てこないのではないでしょうか。
しかし、ロシアで最も注目すべきところはとにかく経済が好調だということです。
産油国として確固たる地位を築いているロシアは、貧富の差はあれど、
かなり潤ってきている状態にあることは間違いないでしょう。
ソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)の特集などでも、潤沢な資金を指して「ロシアマネー」という言い方をよくしています。
それでは実際にグラフから、ロシア経済の拡大がどうなってきているのかを見てみたいと思います。
好調ロシアの07年実質GDPの成長率は8.1%という驚異的な数字です。昨年だけではなく、99年以降、9年連続の成長を達成していて、しかも03年以降は、5年連続で6%を上回る高水準です。
もともとロシアのGDPというのは、エネルギー資源の輸出などの外需の依存度のほうが高かったのですが、グラフを見ても判る通り、家計消費支出が増えてきています。
ここから個人消費や設備投資といった内需の貢献が多くなってきており、ロシアの経済構造が変わってきていることがわかります。
ゆえに我々が思っている「ロシアのイメージ」は、もう古いといえるでしょう。
国もお金持ちになってきていますし、国民も比較的豊かになり、富裕層を中心に高額商品がたくさん売れています。
そして、次のフェーズとしてロシアが向かうであろう方向は、
「投資立国」としてのロシアです。
国民が豊かになり始めているわけですから、今後は自国の株や外国の株にも盛んに投資をしていくと思います。
BRICsの中で比べてみても、ロシアは中国やインド、ブラジルにはない
異彩を放っていて、国力と個人との両輪がうまく回っている感じがします。
かつて「ソ連」は軍事力が強大で、人口も多く、資源がある大国というイメージでしたが、
昨今の原油価格の高騰や政治の安定により、今後はお金も持っている
「ウルトラA級の超大国」になる可能性があると思います。
しかし、我々日本人はそのようなロシアの情報に一番疎遠であるという弱点があります。
北米の人はブラジルに詳しく、ヨーロッパの人はロシアに詳しく、アジアの人はインドや中国に詳しいという地理的なものもあるとは思いますが、我々は投資家ですからそんなことは言っていられません。
ロシアは、確実に発展しているわけですから、"気付かれだす"前に
行動を起こしていくことが重要だと思います。
|