CI導入で、より正確な経済基調判断が可能に!?
約3カ月ぶりに一致指数が上向き傾向に転じた今、
将来に備え、改めて投資配分を考えることが重要!
●CI(コンポジット・インデックス)導入で、より正確な経済基調判断が可能になる!?
今回のテーマは、「経済指標で今後注目すべきこと」です。
経済指標においては、基準が変化しているものがかなりあります。その一つが、景気動向指数で、平成20年4月より、「CI(コンポジット・インデックス)」が中心になったことです。
従来使われていた「DI(ディフュージョン・インデックス)」とCIの違いには、以下の2つの特徴があります。
まず一つ目が、CIは、景気拡大や後退の速度や程度といったことまで、パーセント表示で判るようになっていることです。
そして二つ目の違いが、「基準年度」。
平成20年4月(速報)よりも前の統計は、基準年度が2000年でしたが、それが「2005年を100」という形に変わってきています。
どうやら、その背景には、「より正確な基調判断を行う上では、5年程度ごとに基準を変えていくことが重要ではないだろうか」という考えがあるようです。
その他、先行指数、一致指数、遅行指数などは、DIもCIも違いはありません。
●約3カ月ぶりに一致指数が上向きに。「逆転ポイントはどこか?」を読むことが重要!
さて今回のCIで、特に重要なポイントであり、みなさんにご注目いただきたいのが、「一致指数が上向き傾向にある」ということです。
なぜ重要なのかといえば、下落基調が続いていた一致指数が上向きになったのは、実に3カ月ぶりのことだからです。
日銀の短観を見ると現状では、なんとなく先行き悪そうに見えるものの、動向指数に着目するならば上向きに転じた。そこがポイントになります。
また遅行指数も、少々下落基調にはありますが、少し横ばい傾向に変わってきています。
逆に日銀の短観といちばん似た動きをしているのが、先行指数であり、(先行指数と一致指数の)乖離が非常に大きくなっています。
景気がよくなっている時は、先行指数が上がって景気を引っ張る。そして先行指数が下がると景気が落ち込んできます。
つまり、「先行き、相当悲観的になっている...」という見方もできるでしょう。
過去に同様の局面を見せたのが、バブル経済の頃(1980年代後半)。先行指数が落ち込んで、実態ベースは上がっていくが、結局、落ちた先行指数に近づいていくという形です。
ですから今後、景気動向指数を読む時に重要なことは、「先行指数が逆転していくポイントはどこか?」ということになります。
景気の谷の部分で見ると、落ち込んでいた先行指数が横ばい変わり、そこから上向きに転じています。
そして、先行指数が上向きに転じるまでの間、一致指数と遅行指数は、まだ少し下げトレンド傾向になります。それが先行指数を追いかけるように上がっていくまでに、数カ月のズレが見て取れます。
●景気が上向いてきた時に備えて、今から準備を! 「投資配分」が最重要ポイント!
海外の影響を受けて、今後景気が「回復するのか/悪化するのか」は、まだ不透明です。
しかし、もし悪化したとしても、こうした逆転現象、あるいは、クロスするような状況が出てきた場合は、「景気が上向いてくる可能性はある」と私は考えています。
そして最も重要なのが、その時に株価がどう反応するか?
万が一にもそういう状況になった時には、まず先行指数が上向き傾向になり、後から実態が追いかけてくるというケースがあります。
投資のリターンが期待できるかもしれないので、株式ポートフォリオだけではなく、資産配分として株式に持っていくのか、あるいは預貯金にするのか、あるいはもっと他の物にするのかを考えていく必要があります。
つまり、現在の段階で「将来を見通した準備をされたほうがよい」ということです。
こうした傾向が見えるようになったのも、DIからCIに変わったおかげだということができるでしょう。
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