2月以降の動向は、昨年末のヨーロッパ市場の動向を見れば読み解ける!?
「11月、12月に世界の株を買っていたのは誰だったのか?」。
いま日本の機関投資家さんを回っている時によく聞かれるのが、この質問です。
その半分の答えは、「世界中で昨年11月、12月に、10兆~13兆円のお金が、ETF(上場投信)に入っている」ということです。確か、ヘッジファンドの解約が20兆のはずですから。この金額というのは、ヘッジファンドで減ったお金の半分がETFに入っているということです。
そして、もう半分の答えは、12月からずっと買い越しているヨーロッパの投信などの動きです。
ヨーロッパの投信では、8兆円の資金流出が起こっていました。もともと残高がアメリカの半分しかありませんから、アメリカ並みに大きく傷ついたということです。
今回、私がヨーロッパにインタビューに行った時も、イギリスとフランスの投資家は動いていませんでした。他方、スイスの投資家について、チューリッヒは壊滅的な打撃を受けていますが、大金持ち地域のレガロを控えるジュネーブは動いていました。
こうした状況の中で、おしなべて強かったのがドイツです。
スイスやフランスは売らなくなっただけであり、この時期に買いに行っていたのはドイツ投資家だけで、この動きがヨーロッパ市場の動向と符合しています。
日本で言えば野村アセットや大和投信にあたるDWS(独機関投資家向けファンド・マネージャー)やDIT(独ミューチュアルファンド・マネージャー)などのスタッフの方と話していて判ったのは、「個人投資家が強気になった」ということです。
ファンド・マネージャーは、怖くてまだ動けなかった。しかし個人投資家は、「これだけドイツや世界の株が下がったのだから買いに行くべきだ」と考えたということです。
この動きは、日本の株にも影響を与えました。
12月のたった4週間でグローバル株を2兆5000億円も買っており、これが日本株に流れ込んだから上がったというわけです。
この時に香港株や中国株が上がったのも、実は彼らのおかげです。
中南米、ロシア、東ヨーロッパは相当に下がっているけれども、中国や香港は「57兆円も公共投資しているのだから、これは上がる」と信じて買いに行ったというわけです。
それがいま十分なリターンを得ている背景になっているのだと思います。
しかし、いま上がってしまったのでドイツ投資家の動きは鈍くなってきています。
そのことからも、2月以降は彼らの元気も落ちる。ETFは買いに行きますが、基本的には底まで下がってから買いに行く。そうなると2月半ば以降になるでしょう。
ですから2月の最初の2~3週は、真空状態になると私は見ています。
|