過去最大!日本国民一人当たり借金678万円、返済見込みも無し|株式・資産形成講座メルマガ

  2009/11/25(水)  
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過去最大!日本国民一人当たり借金678万円、返済見込みも無し

日本経済も、米国同様、危うい橋を渡り始めている

10日財務省は、国債と借入金、政府短期証券を合計した「国の借金」の総額が9月末時点で864兆5226億円に達したと発表しました。6月末に比べ4兆2669億円増加し、過去最大を更新したことになります。これを10月1日時点の推計人口の1億2756万人で計算すると、1人あたりの借金は約678万円となってしまいます。



日本のGDPは94年をピークに、その後、横ばいのまま500兆円前後になっています。この事実は誰もが分かっているはずなのに、なぜさらに借金を膨らませるのか、私には理解できません。返済できる見込みなどないのに、政府は余りにも楽観的に考えすぎだと思います。

ただこうした日本の経済状況に対して「楽観的」に過ぎるのは、実は政府だけではありません。マーケットの動向を見ていると、こちらも私に言わせれば「楽観的」な判断をしていると懸念を抱きます。



先日債券市場では、新発10年物国債利回りが9日終値1.475%まで上昇し、約4カ月半ぶりの高い水準になりました。これは日本国債への信用度が低下した当然の結果だと私は思っていましたが、ここに来て利回りが1.34%まで一気に下落する様相を呈しています。

「債券利回りの下落」=「債券価格の上昇」ですから、論理的には日本国債への信用度が上がった場合に起こるべき事象です。しかし国の借金が過去最大を記録し、民主党政権も上手く機能していない現状で、日本国債への信用度が上がるのはおかしな話です。

おそらく、「民主党も一時的に調子が悪いけれど、500億円規模の経費削減計画もあるようだし、持ち直すのではないか」という浅はかな見解をマーケットの参加者が抱いているのでしょう。さすがに、この考え方は単純すぎて危険だと私は思います。こんな楽観的な思考をしていると、いずれ日本国債はデフォルトしてしまいます。そして、日本はかつてのニュージーランド、ロシア、アルゼンチンの二の舞になる可能性すらあります。

米国のように金融機関が破綻することもなく、日本は米国ほどひどい状況ではないと思っている人も多いでしょうが、日本も米国と同じく「かなり危うい橋を渡り始めている」と私には感じられます。


●ファンド側のモラルが低下している

証券取引等監視委員会は12日、投資ファンドのウィズダムキャピタルを行政処分するよう金融庁に勧告しました。同社が運用・管理する未公開株に投資するファンドで、本来は1株25万円で取得できる株式を50万円にかさ上げして購入するなどの違法行為が発覚したとのことです。

ファンドというのは、お客さんから預かった資金を運用し、そこから投資リターンを得てそれを配分する、というのが本来の業務です。今回の不正行為は、投資行為そのものを行わず、あたかも投資利益が上がっているように見せかけるというもので、相当質の悪い行為だと思います。

具体的には、例えばこのようなやり取りを行ったのだと思います。

1)あなたの会社における本来の価値は50億円です
2)しかし、今回は100億円投資します
3)差分の50億円はすぐに返却してください

そして、この返却分の50億円を投資リターンのように見せかけて、ファンド運用が順調だと偽ったということでしょう。こうした行為は、ファンドのモラル低下を顕著に示していると言えるでしょう。

また、国内大手投資ファンドのユニゾン・キャピタルはインサイダー取引の疑いで、同社の幹部が強制調査を受け、同幹部は強制捜査が行われた翌28日に死去したというニュースもありました。強制捜査の翌日に死去したというタイミングを考えると、明らかに不自然だと判断せざるを得ません。こうした動きを見ていても、ファンド側のモラル低下を感じずにはいられません。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長
大前研一

11月15日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。

大前研一学長語録
 ブレークスルー経済学
「経済学」というと敬遠する人が多いのですが、実際には「論理的に物事を考える」際には、非常に便利な道具(ツール)です。ここでは、毎回、金融・投資環境に関する事柄を経済学的に解説していきます。是非この機会に、使い方も含めて、習得していただけたらと思います。

第118回 『「増資」って、悪いことなの?』

三菱UFJフィナンシャルホールディング(三菱UFJ)や日立製作所(日立)の増資発表を契機として日経平均株価はジワジワと下落を続けています。まぁ、この2つの会社の増資ということだけでなく、「三菱UFJや日立が増資をするくらいだから、今後、その動きは広がるだろう」という思惑から、幅広く売られているという感じです。

でも「増資」って、それほど悪いことなのでしょうか?

「悪い」といえば、確かに現在の株価にとっては良くないですね。というのは、いわゆる「希薄化」と言うのが問題になるからです。希薄化というのは、簡単に言えば「薄まってしまう」ということです。つまり、例えば、利益を100万円出している会社があったとします。その利益をすべて「配当」に回すとすると、単純に株数で割ることによって、1株当たりの配当が求められます。ここで株数が1000株あったとすると、100万円÷1000株ですから、1株当たりの配当金は1000円ということになります。

ところが、ここで「増資をする」ということは、発行済み株式数が「1000株から2000株に増える」というように株式数が増えることを意味します。とすると、利益水準が同じである場合、この例で言えば、1株当たり配当金は半分の500円になってしまいます。株価というものは、一般に「将来利益の総額の現在価値」ということですから、株数が倍になれば、配分される利益も半分になると考えられるので、株価も"理論的"には半分になってしまうことになります。

このように「増資」という話が出てくれば、その増資の規模によって異なるものの、少なくても「実質的に現在の株価よりも下がってしまう」という発想から売りが優勢になるものです。特に今回の場合は、かなり大きな規模になっているので「致し方ない」ともいえます。

でも、「増資」自体は当該企業にとって「問題のあること」ではありません。むしろ「良いこと」と考えた方がいいと思います(公的資金による強制的な増資は良くないかもしれませんが・・・)。

今回三菱UFJが増資を行うのは、BIS基準が8%から12%に引き上げられる可能性が高まってきていることによる対応であり、日立においても経営環境の激変に対応するための事業再編に伴う資金手当てなので、ともに「経営体力の増強」ということが増資の理由です。また、野村ホールディング(野村HD)の時もそうですが、おそらく引き受け手の問題はあまりないように感じます(つまり、資金は順調に集まると考えられます)。

したがって、増資に伴う希薄化は確かにあると思いますが、それ以上に経営体力が高まるのであれば株価にとってはプラスになる可能性があるので、将来を見据えれば、好材料とみてもよいのではないでしょうか。

とはいえ・・・

「三菱UFJ」「日立」「野村HD」のような主力銘柄は良いけど、その動きが広がると「市場からおカネがなくなるかも」という懸念が持ち上がっているようです。増資資金を手当てする必要から、いろいろな銘柄が「売られている」というのです。

しかし現在、歴史的にも珍しいくらいの世界的な「金融緩和状態」であり、日本に限らず全世界で「ホームレスマネー」が巨額に存在しています。このような資金は機に敏なので、希薄化以上に企業価値が増加すると見込める企業であれば、新規資金でドンドンと買いに入ってきます。「この銘柄を売らないと、その銘柄を買えない」ということではないので、増資によって「市場のおカネがなくなる」というのは杞憂に過ぎません。

以上から、増資による「希薄化」だけを材料に売るのではなく、増資によって集めた資金を「何に使うのか」「それによって企業価値はどうなのか」を考えるべきだと思います。そして、増資によって「企業価値が増加する」と判断できるのであれば、皆が希薄化を嫌って売っている今こそ「買い時だったりするかもしれない」と私は考えています。


講師紹介
前田拓生
前田拓生(Takuo Maeda)

ビジネス・ブレークスルー大学院大学オープンカレッジ
株式・資産形成講座 講師
高崎商科大学大学院 高崎経済大学経済学部 他で
「金融論」関係の講義を担当。
著書:「銀行システムの仕組みと理論」大学教育出版
編集後記
 編集後記
事務局 一戸
グローバルマネー・ジャーナル第124号、いかがでしたでしょうか。

先週土曜日に開催した受講生セミナーは満員御礼!

今回は海外投資を楽しむ会の上田高史氏、経済評論家の山崎元氏をお招きし、講演いただいたのですが、本当にあっという間の6時間でした。

講演後の懇親会でも熱心に講師へ質問をされる方や、クラスメイトの枠を超えて積極的にご自身の投資スタンスや実際のアクションを語り合う受講生の皆さんを見ていて、私自身も大変刺激になりました。

同じ志を持った仲間が集うこのような場は、やはり素晴らしいものです。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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