新興国で「これからも有望な市場」はどこなのか|株式・資産形成講座メルマガ

  2010/1/6(水)  
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新興国で「これからも有望な市場」はどこなのか

経済危機終了宣言?のブラジル。オリンピック開催に捉われると市場を読み間違う!

2016年のオリンピック開催地は、ブラジルのリオデジャネイロに決まりました。さらにその2年前の2014年には、ブラジルでFIFAワールドカップも開催されます。オリンピック開催地になったのならば、インフラ需要が高まり、消費も盛り上がる。だから経済成長が見込めると誰もが思うのではないでしょうか。 それが事実か否かを、「過去のオリンピック開催国のGDP実質成長率(1988年ソウル、1992年バルセロナ、1996年アトランタ、2000年シドニー、2004年アテネ、2008年、北京)」で検証してみましょう。


開催年の何年も前にいろいろな物事が決まりますから、開催年に向けていろいろな動きが出てくるのですが、マイナスから始まっている国もあれば、プラスから始まっている国もあります。国によってバラつきはありますが、おしなべて言うと、(1)開催年の2年前くらいから相対的に成長が加速する、(2)開催年にはその効果が止まる、(3)開催翌年の成長率は落ち込む、という傾向にあるようです。

例えば、88年開催のソウルは、開催が決定した前年(1980年)の経済成長がマイナスの状態から始まっています。ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、この時に韓国の経済成長はすごく悪化していました。そういう意味では、いちばんオリンピックの恩恵を受けた国だと言うことができるでしょう。 96年の米国アトランタだけは、開催前に成長率が落ち込み、終了後に加速しています。これは米国の経済規模からすれば、オリンピックのインパクトが小さかったことを意味します。 一方、開催年に向けて成長が加速し、その後の反動に見舞われてマイナスに下落した典型的な例が04年のギリシア・アテネです。88年から08年の開催国の中で最も経済規模が小さい国であり、開催時の経済規模では米国の1.95%でしかありませんでした。

ブラジルの経済(GDP)規模は、2008年時点ですでに世界10位、ギリシアの4.4倍です。オリンピックの2年前にはFIFAワールドカップまで開催されます。インフラなどかなり整った状態でオリンピックを迎えることになるわけで、「オリンピックそのものの効果は、それほどではないのではないか?」と思えます。現状、新興国の中でもブラジルの経済成長が著しいのは事実ですが、「オリンピックがあるからブラジルはいい」という短絡的な考え方は、それほど当たらないだろうなと私は考えています。

また、ブラジルも新興国ですから、結局は外国人投資家からの投資資金が命綱というか、市場の根幹になっています。最近ブラジルでは、外国資本を規制する「金融取引税2%」ができたとされていますが、実はそれは昔からあり、リーマンショック後の金融緩和で一旦ストップしていたものが復活したというのが本当のところです。 ただ、この動きは、考えようによっては、「ブラジル政府による経済危機終了宣言」であると受け取ることもできるでしょう。こういう状況だからこそオリンピックとは関係なくブラジルは要注目なのです。オリンピックだからではなく、ブラジルだからなのです。 ではブラジルそのものに投資できる金融商品はあるでしょうか? 取引コストの安さなども考えると、オリンピック開催決定時にも動きを見せた「ETF (コード番号)1325 ブラジル株価指数、ボベスパ連動型上場投信」に注目できると考えます。


■インド市場は向かうところ敵なし! その理由とインド株購入のタイミングを徹底詳解!

中国、インド、ブラジルを始めとする新興国の中で、指数の動きのボラティリティが高いのはインド市場であると私は考えています。一例として「SENSEX指数の推移と外国人投資家の売買動向」を見てみましょう。


今年5月のインド総選挙では、国民議会派が指導する与党連合が選挙で圧勝したことを非常に好感し、弾みがついて株価が上昇しました。その後6~9月のモンスーン期に降雨量が平年以下だということで影響が心配されましたが、この時も上昇トレンドに変化がありません。さらに10月の中頃に1年5カ月ぶりの高値をつけて、その後1割くらい下がりましたが、それでもまだリーマンショック前の水準の上を行っています。 インドにおける最大のプレイヤーは、やはり外国人投資家ですが、今年3月から大幅な買い越しに転じ、11月初旬くらいまでに145億ドルの買い越しとなっています。株価をここまで引っ張りあげたのは、外国人投資家であることは疑う余地がありません。

インドのマクロ経済ということで「インド実質GDP成長率と鉱工業生産」を見ても、鉱工業生産が大幅に落ち込んだ後、急回復しています。


さらには今年11月にはインドのシン首相が、保険セクターへの外国資本の出資比率の上限を引き上げる法案を出すと発言しました。年金などの改革を通じてGDPの約35%を占める貯蓄を成長分野に振り分けることが目的だと言われています。まさに"インド市場向かうところ敵なし"という状態になっています。

そうなると多くの人は「ではインド株を買えばいいのか」と考えるでしょう。基本的にはそのスタンスでいいようにおもいます。しかし、「高値で買うのはいやだ、怖い」という方もいると思います。私はこの後、一度下げるタイミング、つまり「買い場」が来るのではないかと見ています。

何故そうなるかは簡単です。インド経済のリーマンショック後の回復には、ほかの国と同じようにいろいろな措置や金融緩和などが大きく影響しています。そうなると当然、「出口戦略」が出てくるわけです。具体的には「利上げ」であり、来年1月末くらいまでには、インドで利上げがあるのではないかと言われています。既に、法定流動性比率を引き上げるといった動きもありますが、本格的な利上げはまだ先です。利上げ開始時には、市場が大幅に一回下がるのでは?と考えています。

ただ、ここで皆さんにご注意いただきたいのは、利上げされても下がらない可能性があるということです。利上げされて、さらに上がるようならばそれを追いかけていかなければなりませんし、下がるならばそこが底になるだろうということです。そして「底」は、短期間だと見ています。 もう一つ気をつけなければならないのは、一度株価が下がると、マスコミ報道が(いつものように)悲観一色になってしまうことです。もうインドは駄目なのではないか、利上げによってインド経済はジ・エンドという報道がされるだろうと思います。しかし実際には、これまで行った緩和措置をもとに戻すというハッピーな話なのですから、悲観報道に翻弄されて過剰な不安に陥らないようにして下さい。

講師紹介
天海 源一郎
ビジネス・ブレークスルー大学院大学 株式・資産形成講座講師
株式ジャーナリスト/個人投資家/フリープロデューサー
天海 源一郎

12月9日放送
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第128号、いかがでしたでしょうか。

皆さん良い年末年始をお過ごしになられましたでしょうか。

私は年始に、学生時代からの友人10名程とお酒を飲みました。

私がこのメールマガジンを書いていることは皆知っているので、その日はいろいろと聞かれることがあったのですが、皆一様に興味を持って聞いていたことが、ETF(上場投資信託)に関する話でした。

ETFは運用コストが少ない他、東京証券取引所に上場されているので、株の口座さえ持っていれば企業の株と同じように気軽に買うことが出来ます。

金融危機後もその立ち直りの早さや成長可能性から、何かと期待される新興国ですが、こうした新興国の指数と連動したETFも増えてきており、手軽な海外投資の手段としても、ETFは注目の金融商品。私も試しにと、自分の運用プランの一つに組み込んでいます。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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