2010年は先進国が低迷し、新興国が成長する年|株式・資産形成講座メルマガ

  2010/1/20(水)  
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2010年は先進国が低迷し、新興国が成長する年

COP15は必要ない。米国と中国に問題を絞るべきだ

12月15日、ブラジル、南アフリカ、インド、中国の代表が国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)の会場でそろって記者会見し、新しいグループの発足を発表しました。4ヶ国の頭文字をとって「BASIC」とするもので、温室効果ガスの削減を求める先進国からの圧力を意識したものと見られています。

私はこれら4カ国のコンビネーションを良いものとは感じません。単にBRICsからロシアを除いて順番を並び替えただけです。温室効果ガスについては立場を同じくするということで、今回のような運びになったのだと思います。

私に言わせれば、先進国はもっと新興国に対して断固とした姿勢で厳しく追及するべきです。例えば中国などの態度を見ていても非常に悪いと私は感じました。あれだけ世界の資源を買い漁る資金がありながら、なぜ今回のような場面ではケチるのか、私には全く理解できません。

さらに言えば、約190ヶ国が集まってわざわざ「COP15」を開催すること自体、私は発想がおかしいと思います。世界のエネルギー問題について本質を見極めれば、問題の根源は米国と中国という2ヶ国にあることは明らかだからです。あれこれと議論しなくても、米国が日本並みのエネルギー消費に抑えて、かつ中国が石炭を燃やすのをやめれば、それだけでほとんどのエネルギー問題は解決するはずです。

こうした感度分析や優先順位を見極められずにいることに、そもそも大きな問題があります。私が議長なら、「日本も欧州も関係ない、米国と中国が改善しろ」と言って両国だけを残して帰るくらいの強い姿勢を見せるでしょう。その結果、もし両国を支援する必要があるなら資金や技術を提供するのは構わないと思います。

ヘデゴー氏が議長を辞任するという事態が発生し、議長交代の背景や理由について取り沙汰されていたようですが、それ以前の問題です。問題の根源を見極めた上での舵取りができていないことだけで議長失格だと私は思います。


●2010年は先進国が低迷し、新興国が成長する年

BRICsに続く新興国として注目されているのが、「VISTA」とそれに続く「NEXT11」です。アルゼンチン、サウスアフリカ、トルコ、インドネシア、ベトナムが「VISTA」5ヶ国。そして、トルコ、インドネシア、ベトナム、メキシコ、韓国、イラン、ナイジェリア、フィリピン、パキスタン、エジプト、バングラデシュが「NEXT11」の11ヶ国です。



こうした新興国に対する発想は、ゴールドマン・サックスなどの欧米の投資銀行の発想を表していると言えます。これらの国の中で、特にトルコ、インドネシア、ベトナムには私も注目していますが、一方で何故タイが含まれていないのか私には理解できません。欧米の投資銀行の発想の中にはなかったということでしょう。

またアジアに目を向けると、アジア開発銀行(ADB)は15日、アジア太平洋地域(日本など域内先進国を除く)の2010年の実質成長率が6.6%になるとの見通しを発表しています。



09年と10年のアジア主要新興国のGDP成長率の見込みによると、09年平均4.5%から10年平均6.6%になるとのことです。この見込みによれば、アジアにとって2010年はかなり良い年になると言えるでしょう。

しかしアジアの中でもダントツのマイナスだった日本は、今年も期待できません。09年の成長率がマイナス5.8%で、10年も1.2%程度の成長に留まる見通しです。10年アジア諸国は軒並み3%以上の成長が予想され、全体平均が6.6%です。日本だけが米国(10年予想:2.0%)とユーロ圏(10年予想:0.8%)と足並みを揃える形になりそうです。

総じて先進国が低迷し、新興国が高い成長を遂げる傾向になる見込みです。そして、先進国には成長理由がありませんから、どんどん資金が出て行くことになると思います。その典型的な例が日本です。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長
大前研一

12月20日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。

編集後記
 編集後記
事務局 一戸
グローバルマネー・ジャーナル第130号、いかがでしたでしょうか。

お正月に帰省したときのこと。

9歳の甥っ子が「知るぽると」を連呼していたので、義理の姉に「早くもファイナンス教育をしているんですか」と聞くと、テレビCMの影響とのこと。

私が子供の頃は東京証券取引所の見学会くらいしか、子供が投資に触れる機会は無かった記憶がありますが、知るぽるとは投資だけでなく、年金や保険など、お金に関するいろいろな話を、老若男女全ての日本人を対象に提供しているサイトです。

日本人は学生のうちに投資や資産形成を学ぶ機会があまり無いのが現状ですが、子供のうちから「将来のお金について興味を持つ」、こうした試みが増えるのはよいことだなと思います。

知るぽると(http://www.shiruporuto.jp/index.html)

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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