日本経済の危うさは、どこの国にも劣らない
財務省が2009年12月25日に明らかにしたところによると、2010年度の国債発行は、新規や借り換えなどを合わせた総額で162兆4139億円が計画されています。また、政府は一般会計総額が過去最大の92兆円前後となる2010年度予算案を閣議決定しました。子ども手当を含む社会保障関係費は初めて一般歳出の5割を突破しています。
国債発行額の推移を見ると、国債の償還財源に当てるために新たに発行される国債である「借換債」の割合が、相変わらず高いことが分かります。これは日本の悪癖と言っても良いでしょう。また、09年以降、新規財源債も40兆円を超える大きな規模になってしまっています。
菅直人氏が財務相に就任し、2011年度以降、特別会計を含めた国の総予算の抜本的組み替えを行う方針を表明しています。特別会計も含めると年間200兆円を超える大きな規模になります。ここにメスを入れるのは、民主党の公約にもあったことですし、必要なことだと思います。大いに期待したいところです。
ただ一方で、一般歳出における社会保障関係費の推移には懸念を抱かざるを得ません。10年度の一般歳出総額は53.5兆円に対し、うち社会保障関係費は27.3兆円を占め、一般歳出総額の5割を超えています。さすが民主党といったところでしょう。
この数値から言えることは、日本という国が急速に高度社会福祉国家に変貌したということです。一度このような状況になってしまうとなかなか元に戻すことは難しくなります。この点について私は心配しています。
ここに来て、ようやく日本国債がデフォルトした時の危険性について気づき始めている人もいるようですが、私はずっと主張し続けています。今、日本国債がデフォルトすれば、それを抱えている金融機関はことごとく倒産する危険性があります。そして恐ろしいことに、ほとんどの日本の銀行が同じような危険な状況にあります。国債に火が点いてしまったら同時に爆発してしまうでしょう。
日本が置かれた状況は「危うさならどこの国にも劣らない」と言えるほど、世界中を見渡しても恐ろしく危険な状況だと私は思っています。
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