IMF、OECDまでもが懸念する日本の債務残高。日欧比較される危機意識!|株式・資産形成講座メルマガ

  2010/6/16(水)  
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IMF、OECDまでもが懸念する日本の債務残高。日欧比較される危機意識!

欧州諸国は危機意識が強く、対応が早い

ポルトガル政府は5月10日、同国の財政赤字の国内総生産(GDP)比率を2011年に5.1%へ圧縮する目標を明らかにした。またスペインのサパテロ首相も同12日、追加的な歳出削減策を発表。南欧諸国でもギリシャ発の信用不安拡大が懸念されていて、対策を示すことで市場の先行き不透明感を払拭したい考えです。

ポルトガルやスペインは他人事ではなく、日本にとってはまさに明日は我が身といった状況です。ユーロ圏諸国には、単年度の財政赤字は国内総生産(GDP)比3%以下、累積債務残高は同60%以内などがユーロ導入に必要な基準である「経済収れん基準」により義務付けられています。

現在の状況ではさすがに単年度の財政赤字を3%以下に抑えられている国は少ないですが、それでも殆どの国は対GDP比で5%前後には抑えられています。EUに残るためには「何とかせざるを得ない」というところだと思います。

今回のポルトガルとスペインの対応を見ていても、この点は強く感じました。EUに助けてもらおうと思ったら、自分たちが「タガを外し過ぎてはいけない」という想いが伝わってきました。

特にスペインのサパテロ首相の演説は悲壮感すら漂っていました。EUに残るためには何とかしなくていけない、国民の協力が必要だ、理解して欲しい、ということを訴えかけていました。

一方のポルトガルは、実はこのタイミングで国債発行に成功しています。10年物国債を10億ユーロ(約1180億円)起債し、同国では初めての長期資金の調達。当初の「3億~10億ユーロ」との発行計画に対し18億ユーロの応募があり、ジャンク債に位置づけられることもなく無難に調達を乗り切っています。今の時点で資金調達できたのは大きな「成功」だと言えると思います。


●脳天気な日本は金融市場から天罰を与えられる

財務省は5月10日に、2009年度末の国債や借入金などをあわせた「国の借金」の総額が882兆9235億円に達したと発表しました。2008年度末に比べて36兆 4265億円増加し、過去最大を更新しました。

仙谷由人氏は国家戦略担当相在任時に、ギリシャ問題を「他山の石」とすべきと指摘しているとのことですが、私に言わせれば「他山」どころか「自分の頭に落ちてくる石」という可能性も大いにあると思います。

2000年頃に約650兆円だった国の借金は、その後増加の一途を辿り、ついに約900兆円に達しようとしています。この数字は世界の国と比較しても突出したもので、日本だけがダントツで悪い数字になっています。



日米欧主要国の債務残高の対GDP比を見ると、200%を超えている日本がトップです。しかもこの数字は今後も悪化する見通しが強いのです。IMFもOECDも250%くらいまで悪化するだろう、という見解を示しています。



というのも日本国内の対応として「債務を削る」動きを見せる気配がないからです。民主党によれば「次期衆議院選挙が終わってから」ということですから、少なくとも3年間は選挙対策として野放図なことをやり続けるわけです。

消費税の増税なども含め、3年後以降からというのですから話になりません。そんな脳天気なことを言っているうちに、金融市場から天罰を与えられることになるのは間違いないと私は思います。

日本以外に目を向けると、ギリシャの債務残高は対GDP比100%を超えたレベルで3位。2位には伝統的に100%を超えているイタリア、5位に100%に近づきつつある米国などがランクインしています。

ユーロ圏諸国はEUで定められた「累積債務残高60%以内ルール」があるため、多くの国が債務残高を50%前後で収めています。50%を切っている国も多く、日本の突出ぶりは明らかです。さらに日本にとって問題なのは、主要国の中で日本が最も「少子高齢化」の影響を受ける国であり、将来借金を返す人がいないということです。

1人あたりの借金が約700万円と言いますが、父親が勤めていて家族3人は扶養家族である場合には、父親1人で4人分の2800万円の借金を背負っていることになります。つまり、家族で見れば「ほぼ家一軒分の借金」を抱えているのと同じです。今日生まれてきたばかりの赤ちゃんが、いきなり700万円の借金を背負うということですから、これは到底あり得ない話というべき事態です。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学大学院 学長
大前研一

5月16日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。

編集後記
 編集後記
事務局 一戸
グローバルマネー・ジャーナル第150号、いかがでしたでしょうか。

南ア・ワールドカップがスタートし、私の周囲では俄かに優勝国予想が始まりましたが、皆さんの周りではいかがでしょうか。

特に先進国のような、既にインフラの整っている国で無い場合は、イベント開催時期に合わせ道路や交通機関などのインフラが急速に整備され、そこからの経済発展期待で投資マネーが流入することがあります。

最近はETF(上場投資信託)の種類が増え、日本国内株式の口座を持っているだけで海外への気軽な投資ができるようにもなりました。

中には当然のごとく南アフリカ株式連動ETFなどもありますし、そうしたものは季節銘柄同様に、一時的にウォッチしておくのも面白いのではないでしょうか。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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