今さら日本と同じ道を歩んでいることに気付き始めた米国|株式・資産形成講座メルマガ

  2010/8/11(水)  
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今さら日本と同じ道を歩んでいることに気付き始めた米国

危険なのは、スペインの2大銀行

欧州の主要10行が開示した国債の保有状況によると、ギリシャ、スペイン、ポルトガルの南欧3カ国の国債残高は合計1540億ユーロ(約17兆円)となり、中核的自己資本の約3割になっていることが分かりました。資産査定(ストレステスト)で査定の対象外となっている「満期まで保有する目的」の国債が80%を占めており、リスクの実態は依然として不透明です。

17兆円という金額は、中国の銀行なら何とか耐えられるかも知れませんが、欧州の銀行にとっては余りにも大きすぎると思います。



コメルツ、ソシエテ・ジェネラル、そしてBNPパリバなど、ギリシャ国債を多く抱えている銀行も気に懸かりますが、それ以上にスペインの「BBVA」「サンタンデール」という2つの巨大銀行に注目するべきでしょう。

「BBVA」「サンタンデール」は総額400億ユーロ以上の国債を保有し、その大半がスペイン国債で占められています。スペイン国債に万一のことがあれば、間違いなく、この世界的にも巨大な2つのスペインの銀行に対して悪い影響があるでしょう。破綻に追い込まれてしまうほどのインパクトがあると私は見ています。


●今さら日本と同じ道を歩んでいることに気付き始めた米国

米セントルイス連銀のブラード総裁は29日発表した論文で、米経済について「『デフレに苦しむ』日本型に歴史上で最も近づいている」と指摘し、強い警戒感を示したとのことです。

本当に、今さら何を言っているのかと感じてしまいます。リーマン・ショック以降、私は事あるごとに「米国は日本の轍を踏もうとしている」と主張してきました。ガイトナー財務長官は「日本と同じ道を歩みたくない」というような発言をしていましたが、ポールソン前財務長官の金融危機への対策を見ていても、「やっていることは日本と同じ」でした。結局、銀行が集約、巨大化され、金利がゼロになったというのは、まさに日本が歩んだ道そのものだと言えます。

2010年8月2日号のTIME誌によると、こうした米国経済の状況を受けて、米国以外に目を向けている企業は元気が良いと報じられていました。米国が寝ているなら世界に行こうという姿勢はさすがだと感じます。

ただ、「Not Sure? Don't Spend」という表題の記事もありました。「これだけ将来に対する心配事があると、できることは寝ることぐらい」で、「これからはお金を使わない生活を」という趣旨でした。「日本(と同じ状況)の世界へようこそ」と言ってあげたい気分です。

「将来の不安があるから」、「いざという時のために」と縮こまってしまい、米国人が完全に日本人と同じことを言い始めました。国民性を考えると日本人よりは早く元の状態に戻るとは思いますが、現在の米国の状況はまさに日本と同じ「ドツボ」にはまっている状況です。

一方で好調な様子を見せているのがインドネシアです。インドネシアへの外国からの直接投資(Foreign Direct Investment, 以下FDIと略)が急増しています。投資調整庁が28日発表した1~6月の同国への直接投資額は前年同期に比べ46%増え、71兆ルピア(約7100億円)となったと発表しました。



私は以前からインドネシアを注目銘柄として推していました。インドネシアはVISTAに含まれている国ですが、私としてはBRICsにインドネシアの「I」を加えて、「BRIICs」と言っても良いと述べていたほどです。今のままユドヨノ政権が継続すれば、経済的な成長も順調に推移していくと私は見ています。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学大学院 学長
大前研一

8月1日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。

編集後記
 編集後記
事務局 一戸
グローバルマネー・ジャーナル第158号、いかがでしたでしょうか。

実家に帰る途中、手土産をと思い、近くのお菓子屋さんに立ち寄りました。

税込525円でサービスカードのスタンプを一つ押してくれるそのお店で買った合計金額は、税込2600円。

店員さんは「厳密に」4つスタンプを押してくれたのですが、連れが「あとちょっとで5つなんだから5つ押してくれたらいいのに。こういうちょっとしたところで、『またあそこで買おう』って思うなぁ」とポツリ。

そういえば私にも「ちょっと足りないけどスタンプ押しとくね」と店員さんに言われて、リピーターになったお店があります。

何かと企業間価格競争ばかり激しくなった昨今ですが、価格や品質ではないこうした「ちょっとの心配り」が、ユーザーを定着させることは往々にしてあるように思います。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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