下げ要因が多い中、それでも買われていた株は?その理由は何か??|株式・資産形成講座メルマガ

  2010/10/27(水)  
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下げ要因が多い中、それでも買われていた株は?その理由は何か??

過去1カ月の間、日本の株式マーケットではいったい何が起きていたのか?

3月期決算企業の中間期の〆にあたる9月、9月11日付の日経新聞朝刊が「上場企業の中間配18%増」を発表しました。しかし一方で過払い金の請求で資金繰りが悪化した「武富士」が、会社更生法を申請しました。

さらには(本来は悪い話ではなかったのですが)経済不況による消費電力量低迷の中、原子力発電やスマートグリッド(配電効率化)への開発投資を背景に「東京電力」が大型増資を発表し、「一株利益あたりの希薄化懸念」から売りへ、さらに同社が時価総額の大きな銘柄だったことから、TOPIXの足を引っ張り下落させる大きな要因とまでなってしまいました。

また「任天堂」が、為替円高を理由に下方修正、加えて新ゲーム機「3DS(仮)」製品投入の遅れや高価格設定などが嫌気され、株価が下落しました。さらにマーケットでは「新安値更新銘柄が増加」しており、直近では100、200と増加傾向で注意が必要です。そして10月5日には、「日銀が政策金利を変更」を発表。11月のFOMCに先駆けて日本が政策金利を引き下げ、ゼロ金利を復活させました。

マイナス要因だけを集めたわけでありませんが、下げ要因がすごく多く、いい話はあまりなかったと言わざるをえません。日銀の政策金利変更がいちばん大きなインパクトでしたが、過去にはエコポイントやエコカー補助金などの政策で自動車や家電量販店の株価上昇を引き起こしたこともありましたから、それと比べると、経済政策という意味では現政府はまだ少しインパクトが弱いというのが私の感想です。


■下げ要因が多い中で、それでも買われていたのはどんな株か? それは何故なのか?

全体株が下げている、いい話がなかったとは言え、それでも過去1カ月の国内株式市場で買われていた銘柄・業種はあります。それが何故買われたのか、株価は何故上昇したのかを個別銘柄で見てみましょう。



7月からTOPIXがジワジワ下がっていく中で、サンリオは上昇し、さらに9月に入ってからもずっと上昇基調が続きました。その要因は2つあり、1つ目は「為替の影響をあまり受けていないこと」、そして2つ目は「7月に業績の上方修正をするほど業績がよかったこと」です。サンリオはそれまでどちらかというと蚊帳の外でしたが、7月の業績上方修正で流れが変わり、この日から出来高もぐっと伸びて買い基調になって株価も上昇していきました。

そして皆さん見過ごしがちですが、信用取引の残高に注目して下さい。買い残高を売り残高で割った指数が「0.27倍」と売り残高が相当に多く、売りで持っている人には損になりますが、こうした売っている人たちの残高が残っているということは、まだまだ買ってくる圧力が残っているということです。損失拡大を恐れて「買わなくてはいけない」という必然から株価が上がることもあります。ただし上がり過ぎて需給関係が悪化し、比率が「1倍」に近づいてきたり、上昇基調(株価の上昇角度)が急になってくるといったん売られるようなことも考えられるので警戒が必要です。その点だけを注意しつつも、株価的に業績がよければ、傾向としては右肩上がりが続くだろうと考えられます。



ソフトバンクは、日経平均採用銘柄です。日経平均は伸びていませんが、今年4月高値を抜いて右肩上がりになっています。上昇の要因はiPhoneの好調、そしてiPhone好調により通信費が安定して黒字化してきていることです。需給関係は、1倍を割って「0.84倍」まで低下してきています。この傾向が続けば上昇トレンドも続くと思われますが、もともとソフトバンクは75日移動平均で、上下の乖離が広がるといったん落ちてくるという傾向が見受けられます。

今回も、乖離がある一定の幅を超えてくると株価が自然と25とか75に近づいてくることになりますから、そのあたりは注意が必要です。しかし利益確定売りが出てきて下がってくる中で前提条件が変わらない、需給関係も変わらないということになれば、株価は波を作りながら利益確定売りが止まり、また反発するということが考えられます。そういう波をうまく捉えるようにしていくと、投資タイミングが取りやすくなると思います。


アサヒHDという社名は、あまり聞き覚えがないと思いますが非鉄金属の会社です。最近ニュース等で話題になった、中国が9割のシェアを持っていると言われる「レアアース」など貴金属をリサイクル・販売している会社です。日中関係悪化で中国からのレアアース輸入が止まり、アサヒHDに対する収益期待度もあり、一気に価格が上昇したという流れになりました。

こうした材料株(テーマで動く株)のような動きは結構あり、需給関係に株価が左右されやすい状況が考えられます。たとえば、売り残高よりも買い残高が5~10倍までいくと少し買い残高が多いという判断になります。逆に1倍を切ると、売りと買いの比率が拮抗しており、相撲に例えれば"好取組"だと言えるでしょう。アサヒHDの場合は「1.92倍」で高くはありませんが、やはり買っている人のほうが多いので利益確保で売るという流れもあるのではないだろうかと思います。 このように投資タイミングを計る上では、このあたりの需給関係を見ることも非常に重要です。投資家の皆さんはぜひ参考にして下さい。



講師紹介
大前研一
株式会社インベストラスト 
代表取締役
IFTA国際検定テクニカルアナリスト
福永 博之

10月13日放送
「金融リアルタイムライブ」より抜粋し、構成したものです。
編集後記
 編集後記
事務局 一戸 グローバルマネー・ジャーナル第168号、いかがでしたでしょうか。

今年も残すところあと2ヶ月になりました。

私の運営する株式・資産形成講座に、「金融リアルタイムライブ」という講座があります。

学生の皆さんへの講義提供は毎月ですが、講師は複数でローテーションしているため、講義収録で直にお会いするのは3ヶ月に一度。

ということで、今月お会いした先生との別れ際の挨拶は「良いお年を!」でした。


皆さんのまわりにも、何ヶ月か置きにお会いする方、いらっしゃるのではないでしょうか。

年末のご挨拶と年賀状のご準備は、お早めに。


グローバルマネー・ジャーナル、次号は再来週にお届けします。

次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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