日本の経済危機を英語で公言してしまった与謝野大臣|株式・資産形成講座メルマガ

  2011/2/16(水)  
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日本の経済危機を英語で公言してしまった与謝野大臣

すでに邦銀と財務省は臨戦態勢に入っているかもしれない

先月20日付の英フィナンシャル・タイムズ誌は「瀬戸際に立った日本の公的債務」と題する記事を掲載しました。これは与謝野経済財政担当相の「我が国の財政状況は臨界点に達しており、日本を取り巻く状況は一夜で変わりうる」と警告する発言を紹介したものとなっています。

与謝野経済財政担当相には、よくもこれほど無責任な発言が出来るものだと呆れるばかりです。加えて与謝野経済財政担当相が自民党時代、財務大臣や内閣官房長官を歴任していた頃から、すでに同じような状況がありました。

本来、自分自身の担当分野でこのような事態になってしまったのなら、出来るだけ国外には気付かれないようにしつつ粛々と自ら改善し、問題を乗り切った後に「あの瞬間は危なかったが、何とか乗り越えた」と言うべきでしょう。

それを自分自身の事は棚に上げて、しかも英語で余計なことを言ってしまうのですから本当に始末が悪いとしか言えません。おかげで英フィナンシャル・タイムズ誌のトップニュースとして「Japan hits 'critical point' on state debt」と取り上げられてしまいました。

日本経済の状況は「裸の王様」と同じで、何かしらのキッカケがあれば一気に状況が悪化する可能性があります。国債の格付け見直し、あるいは今回のような「失言」などがトリガーとなるかもしれません。

日本の銀行、財務省は「来たるべき時」に備え始めているのではないかと私は見ています。昨年後半、日本の銀行は大きく日本国債を売り外債を買いましたし、日本国内から外国への送金手続きが面倒になりつつあるとも言われています。それが事実ならば、財務省は資金を海外に移そうとしている人のトラッキングを始めたのではないかと思います。銀行・財務省はすでに臨戦態勢に入ったとも考えられます。


●東証の時価総額は増加しているとは言っても、中国に負ける

2010年末の東証1部の株式時価総額は305兆円と、2009年末から3兆円増加しました。ファナック、コマツなどの新興国需要を取り込む輸出企業や、大型増資を乗り切って復調した銀行株がけん引し、2年連続で伸びています。

東証1部の株式時価総額が伸びていると言いつつも、実は世界の国と比べるとそれほどではありません。株式市場の時価総額とGDPの比較を見ると、中国のGDPはほぼ日本と同じで5.7兆ドル前後ですが、株式市場の時価総額では日本の3.8兆ドルに対して、上海・香港・深センを合わせると6.7兆ドルもあります。また英国はイタリアの企業などがロンドン市場に上場することが多いため、GDP2.3兆ドルに対して株式市場の時価総額は3.6兆ドルと大きくなっています。



日本はずっと中国の上海市場と東証を比べてきたわけですが、香港・深センなども成長しつつあり、それらを含めると中国に負けているというのが現実です。その他にも、大連のコモディティ市場は圧倒的に大きくなっています。中国は市場経済のエンジンを活性化して、資金を取り込むということに成功しています。


●シンガポール取引所はアジア市場のボリューム確保へ

シンガポール取引所(SGX)は先月19日、8月15日から新株式取引システム「Reach(リーチ)」を導入すると発表しました。発注から執行に要する時間は90マイクロ(マイクロは100万分の1)秒と世界最速になるということです。アジア株への関心が国際的に高まる中、処理能力を大幅に向上させて競争力を強化するねらいとのことです。

新株式取引システム「Reach(リーチ)」というのは、もともとNASDAQ OMXの技術です。SGXの現CEOであるMagnus Bocker氏は、NASDAQ OMXのCEOを務めていた人物です。彼が中心となり、オーストラリア証券取引所(ASX)との合併を実現し、また今回の最新鋭のシステムの導入も決まりました。

先ごろ東証は次世代株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」を稼働させた、とニュースになりましたが、率直にレベルが違うなあという感じです。シンガポール取引所はアジア市場の中でボリュームを獲得する戦略を着実に実行していると言えるでしょう。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学大学院 学長
大前研一

1月23日放送
「大前ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。

編集後記
 編集後記
事務局 一戸
グローバルマネー・ジャーナル第181号、いかがでしたでしょうか。

インターネットの爆発的な普及をきっかけに、無料が溢れる時代になりました。

そんな中、「どこまでを(もしくは何を)無料とし、どこからを有料とするのか」という企業の戦略には、非常に興味深いものがあります。

携帯ゲームで急成長を果たしたGREEはその顕著な例ですし、最近では無料SNSのFacebookが上場するのではとまで噂されるようになりました。

個人的に今注目しているスマートフォン市場でも、既存キャリアの半額程度で通話出来てしまうIPphoneサービスが始まり大きな価格破壊が起こりつつある模様。

「こうした流れに沿いつつ、いかにうまく顧客を巻き込んだ収益構造を築くことができるか」、それがこの先大きく成長できる企業の条件なのかもしれません。

来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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