欧米景気の現状を解説 米住宅回復?|株式・資産形成講座メルマガ

  2011/10/5(水)  
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今回は先日撮影いたしました大前研一ライブより抜粋してお届けいたします。マーケット環境を捉える、資産形成を実現するためのとっておき情報を、最後までどうぞご覧ください。

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本文タイトル
『欧米景気の現状を解説 米住宅回復?』

●リーマン・ショックより深刻  「国の債券そのものがどうなるかの問題」

 安住財務大臣がG20後の発言ですが、今回の欧州財政危機がリーマンショックよりも深刻だということを財務担当大臣が言ってはいけません。評論家でもないのに財務担当大臣がそのようなことを言うとマーケットがおかしくなるわけです。安住財務大臣がリーマンショックよりも深刻だと言った理由は、G20に来てみるとみんな真面目な顔をしていて自分はもっと安易に考えていたということで、そのような学習過程まで報告してもらう必要はありません。

 実際リーマンショックと比較すると、ダウの対前日比騰落率は、リーマンショックの時は震度8くらいで、大きなショックが続いた後、小康状態となりました。何度か震度4か5くらいはありましたが、今回はもしかすると震度5か6かというところにきています。

 確かに安住氏が言うように、今回は企業の問題ではなく、国債そのものの問題ですが、実際にガタがくるときは国債の問題よりもそこに貸し込んでいるフランスドイツなどの銀行の方がもたなくなってくることが問題となるので、実はリーマンショックと非常に似ていると言えます。


●欧州銀の潜在損失21兆円 ギリシャなど6カ国の国債保有で

 IMFが発表した欧州銀行の潜在損失は21兆円ということですが、この額はヨーロッパだけでやるとしんどいですが、中国や日本が協力すれば十分飲み込める程度なので、今のところまだこの世の終わりではないと言えます。

 ただ、ギリシャ政府を始め、PIIGSと言われている国々は相当な緊縮財政をやらないといけないので、今後しばらくはむしろ財政緊縮化にともなって、そこから失業する人や年金を削られる人が増えるという社会的問題の方が大きく出てくるのではないかと思います。

 ソブリン(外貨建て)の格付けを見ると、次々に下の方に落ちていく感じです。この中では、スロバニアが少しおかしくなってきています。スロバニアはユーロの加盟国の中では比較的優等生と言われていましたが、かなりゆがんできています。ハンガリーも大分苦労してきているという状況です。日本は今AA-ですが、実際にはこれから下の方向にトントン拍子で落ちていくのではないかと思います。


●米金融緩和強化策を決定 短期国債を約30兆円売り 長期国債を同額購入

 アメリカもほとんど全ての人が、いわゆるリーマンショック以来の二番底は避けられないのではないかと、かなり悲観論が広がりました。アメリカは実質的に3つの銀行に集約されて日本と同じ状況になっていますが、バンク・オブ・アメリカのレーティングをムーディーズが2段階下げています。

 こうした中、FRBがツイスト・オペレーションを実施します。ツイスト・オペレーションは短期国債を売り、長期国債を購入するもので、資産のトータルの規模は同じまま、長期国債の保有比率を高めることによって、金利を一段と低下させて欧州のソブリン危機でアメリカ金融市場が不安定になるのを防ぐとしています。

 これは長期金利が下がる一方で、短期金利は高くなりますので、資金の借り入れの際の負担が増えるというマイナス面もあります。ツイスト・オペレーションによって民間銀行はマイナスの収益効果が生まれることになります。


  また、タイム紙に、アメリカの銀行は3つに集約して救ったと思っていたけれど、ふざけた結果になっているという記事が出ています。銀行の利益は139%上がっているのに、貸し出しは9%減っているというのです。日本と全く同じ状況です。記事にはまた、3年間経って100兆円を超える資金で救済しながら、いまだに全く機能していないと大きく出ています。

 アメリカの銀行の貸し出しは、過去12四半期の内10四半期に渡って絞られている状況なのです。私は当時からアメリカは日本の轍を踏んで、ボーリングで言えばガターに入ってしまって浮かび上がれないだろうと言ってきましたが、こうなってしまったのはポールソン以降で、ガイトナーもそうですが、今のオバマ政策は日本のデッドコピーになってしまって、金利も安く、さらに下げるのでドルキャリーで外に出て行ってしまい、アメリカ経済そのものはどうしようもないという状況に陥っているのです。


●米中古住宅販売 8月の販売件数 年率換算503万戸 前月比7.7%増

 アメリカ中古住宅販売の数字は月々のデータを見ても分かりづらく、推移のグラフを見ると、何も変わっていないことが分かります。新聞などでも歴史やトレンドを見ずにいろいろ言われますが、今回もただ少し買いが入ってきたということです。


  ただし、買いが入った理由は、競売物件をファンドなどがこの値段であれば買っておいていいと判断したということです。私が今日本で一番恐れているのが国債デフォルト後のハイパーインフレですが、ハイパーインフレではものに変えておけばよいでしょう。この値段だったらものに変えておきたい、という心理が今回の結果に少し入ってきているように感じます。

 7.7%というのは非常に少ない伸びですが、この値段だったら円やドルから外して、ものにしておくという臭いがします。従来皆が逃げ回っていた住宅市場に、少し向かってきているというのは、もう少し怖いもの、すなわち暴落を一部の人たちが見始めているのだと思います。


講師紹介
大前研一
ビジネス・ブレークスルー大学 株式・資産形成講座講師
学長

大前 研一

9月25日撮影
「大前研一ライブ」より抜粋し、一部再構成したものです。


編集後記
 編集後記

グローバルマネー・ジャーナル第212号、いかがでしたでしょうか。

経済情勢を踏まえ、資産運用・形成していくためにご活用ください。

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それでは、来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

株式・資産形成講座
加藤

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