大前研一の株式・資産形成講座メールマガジン   2011/11/2(水)  
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第216回目発行!株式・資産形成講座メルマガです。

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ビジネス・ブレークスルー 株式・資産形成講座事務局の加藤です。
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今回は大前研一ライブより内容を抜粋してお届けいたします。資産形成を実現するためのとっておき情報を、最後までどうぞご覧ください。


本文タイトル
『不良債権「予備軍」44兆円!』

●欧州基金210兆円で合意 ~ドイツ、フランス~

 今の欧州の考え方は、ギリシャの崩壊は避けられない、避けるためにどうするかというと、ギリシャ国債に関しては5割から最大7割免除しようというものです。したがって、ギリシャの債務については、アルゼンチン型で必ずしも100%発行した国債を返さなくてもいいということになります。

 そして、仮に5割とするとギリシャ国債を抱えているフランスの銀行などは半分はその瞬間に不良化して返ってこなくなるので、これでは銀行は大変です。そこでこの欧州基金を使って、近隣諸国の銀行の救済までやってしまおうという話になっています。

 既にギリシャの国債のデフォルトというのは部分デフォルトで織り込み済み、5割で間に合わないということになると、7割までデフォルトさせることになります。すると、瞬時に欧米の銀行の負担分は7割になりますから、結構大変な状況です。自国の銀行がひっくり返ったら自国の国内経済が大変ですから、そうならないようにということで独仏などは一時ESFSを210兆円規模にしようと考えていました。(27日に1兆円規模に拡大することが決定。)

 この210兆円という数字ですが、私がリーマンショックの時に200兆円から300兆円の基金がないと、パニックが起こった時には安心材料にならない、パニックを起こさせないためにはそれだけの金額を一度どこかにプールして、ダメな時にはそこにすぐ駆け込めるようにせよと言いましたが、結局それと同じ数字が必要と認識されたわけです。


●米ゴールドマン・サックスが赤字転落 ~2011年7-9月期~

 欧米の金融機関では、リーマンショックの前後と同様に、せっかく抱え込んでいたのに、もうこれは不要不急と思われるような資産の売却が大変加速しています。

 決算発表を見ると、ゴールドマンサックスは7-9月期は赤字に転落しましたが、ゴールドマンと言えばギリシャ危機の一因をつくったとも指摘されています。。当時ユーロ圏でも認められていましたが、ゴールドマンがギリシャ政府と組んで、デリバティブを利用して財政収支や債務の規模を調整していたからです。

 どういうことかというと、複雑な金融取引を駆使して自分のところの赤字はそれほどないと言っていたわけです。違法ではなかったにせよゴールドマンが危機につながる危ういファイナンスをやったことがそもそもの問題でした。

 そのゴールドマンが赤字になり、バンクオブアメリカやJPモルガンなども四半期決算が出そろいましたが、今のところアメリカの大手金融決算にはそれほど目立った動きは見られません。ヨーロッパの銀行は今年から来年にかけては大変なので注意が必要です。


●不良債権「予備軍」44兆円 ~日銀~

 モラトリアム法、亀井静香法とも言われますが、それにより、最大で44兆円の貸し出しが不良債権に分類されず、しかも金利も元本も払うこともない状況が、2年前から続いています。これが、1年延長されましたが、来年3月で終わると言われています。仮に全額が焦げ付いた場合、全国の銀行の貸し出しの約10%に匹敵するようなものが不良債権になってしまうということです。

 中小企業向けの貸し付け条件変更実行額がグラフのように増え、一方、銀行の方は、自分たちはモラトリアム法に基づいて貸し出した場合には不良債権として分類しなくていいと言われているので、不良債権比率は下がったといいますが、実際はそうではないのです。やはり銀行は最悪のケースを想定すると10%くらいの不良債権を抱えているわけで、とてもまともな金融機関として生き残っていけない状況です。

 金融庁もわかっているのなら早いところモラトリアム法は3月で終わるとして進めるべきです。激甚な痛みを伴うでしょうが、このプロセスは終えないと仕方がないのです。ただ、いまの民主党の能力では、みんながわーっと泣いて、新聞が悲惨な例を報告し始めると、また一年延長などとやるかもしれませんが、そうするとまたその翌年も同じことになるだけです。


講師紹介
内藤眞弓
ビジネス・ブレークスルー大学 株式・資産形成講座
学長 

大前 研一


10月23日撮影、大前研一ライブより抜粋してご紹介しております。
編集後記
 編集後記

グローバルマネー・ジャーナル第216号、いかがでしたでしょうか。

経済情勢を踏まえ、資産運用・形成していくためにご活用ください。

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それでは、来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

株式・資産形成講座
加藤

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