大前研一の株式・資産形成講座メールマガジン   2011/11/30(木)  
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第220回目発行!株式・資産形成講座メルマガです。

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今回は金融リアルタイムライブより講義内容を抜粋してお届けいたします。資産形成を実現するためのとっておき情報を、最後までどうぞご覧ください。

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『株式マーケットの現状を分析する』

●市場に参加している人の心理が株価を動かす

 株価は、「資産」、「収益」、「期待や希望、懸念や絶望」の3つの要素でできています。ファンダメンタルズ、バリュエーション、テクニカルなどいろいろな視点がありますが、それらを分解するとこの3つになります。

 大切なのが、「期待や希望、懸念や絶望」というファクターです。いくらお金を持っていても、いくら利益が上がっていても、何となくヤバいのではと思われると株価は下がるのです。逆に、資産や収益面ではボロボロでも、これから良くなると思われれば、株価は上がります。

 その点で注目すべきなのは、VIX(恐怖指数)と呼ばれるグラフです。これは市場に参加している人の心理を表すものです。リーマンショックのときは、この指数が80というとんでもない水準になりました。去年の5月にも上昇していますが、これはギリシャショックです。

 一方で、金融企業の社債が多く組み込まれ、信用力を表すLQDという指数を見ると、ギリシャショックには無反応です。心理的には恐怖指数は上昇していたのに、金融機関の社債は変化なし、そして、ここから株価は上昇しました。株価の上昇を受けて、恐怖指数は下がっていきました。


 現在の状況を見ると、LQDのグラフは、そのギリシャショックの時よりも上昇し、信用力がさらに回復していることがわかります。しかし、心理を表す恐怖指数は再び上昇しています。つまり、すでにEUからお金が出てくることがはっきりし、ギリシャにお金を貸している金融機関の信用力を見る社債市場は安定しているにもかかわらず、ドイツ銀行などの株価が下がったのは、VIX指数に見られる投資家の心理が不安になったからなのです。このギャップが、心理によるものと言えるのです。

 こうしたギャップをしっかり見極めるためにも、「資産」の要素にも注目する必要があります。今回の場合には、ギリシャが潰れてしまうのではないかという不安に対し、潰さないためにもっと大きなお金を持っている人がいればいいわけです。つまり、株価の3つの構成要素が企業だけでなく、国同士でも同様に働くようになってきたのです。

 今回のEUは、資産はEU全体が持っていますからお金はある、収益はドイツなどが頑張って資産を持っている国の力が強くなれば、ギリシャを救い続けることができるわけです。それを見た投資家は安心し、株価は徐々に回復したのです。これが、社債市場とのギャップが埋まるまでの流れなのです。


●資源立国 ブラジル・インドネシアの株価

 現在、金融を中心に市場が動いていますが、金融の浮き沈みが他のセクターにもすぐに反映されます。そこで、資源への投資について考えてみましょう。

 資源と言えば金ですが、右肩上がりで上昇しています。金は先ほどの3つの構成要素のうち、心理で動いています。金はすでに鉱山がもう見つかっtていませんから資産は増えません。価格が上がることが収益につながるわけですが、その価格を上げるのは人々の心理です。上がるから買うわけで、ほとんど心理で動いているのが金です。よく、資産価値があるからといって買われる金ですが、本当に資産価値があるのかというと疑問です。金で資源に投資しているのはとても危険な面もあるわけです。


 では、資源国家の株はどうでしょう。資源大手ブラジルのボペスパ指数に連動するETFの推移を見てみます。金融と同様にリーマンショックで2008年に大きく下げた後2009年に戻りましたが、その後は大きな変化がありません。実際多くの資源株は金融株と同様に2010年から2011年にかけて上昇したので、同じような動きになってもいいはずです。

 そこにブラジルという国家独自の要素による乖離があることが重要です。ブラジル株は資源だけではなく、国としての景気とも関わりがあります。上昇しなかった理由は、金融規制でした。あまりにも、通貨レアルが強くなりすぎたので、投資の際に税金をかけたのです。

 結果、資源を対象にした投資資金は他へ流れ、リーマンショック前辺りの水準まで回復したものの、それ以上の反発力はなかったということです。しかし、今、新興国は自国通貨買いをして逆に通貨を強くしようとしています。今後は少なくとも、どこかのタイミングでその分のギャップを埋める上昇が見られるだろうと考えられるわけです。


 さらにアジアの資源国家、インドネシアの株価の最近の動きを見てみましょう。今年8月から9月にかけて大きく下がりましたが、10月以降持ち直しました。下げてもやはり戻ってくるという安心できる動きをしています。たとえ8月に投資した場合でも、利益は出ませんでしたが損はしていません。つまり実態を把握していれば、投資のミスを減らすことができるのです。

 資源は、金融を中心に動いている市場全体を実態としてみる時にとても分かりやすいのです。金融が安心できる状態にあれば、ものが売れ、消費サービス、製造、資源へと波及します。その流れをつかんで、投資をすることが重要です。


講師紹介
木下晃伸
ビジネス・ブレークスルー大学 株式・資産形成講座 講師

株式会社きのしたてるのぶ事務所 代表取締役


木下 晃伸


11月8日撮影、金融リアルタイムライブより抜粋してご紹介しております。
編集後記
 編集後記

グローバルマネー・ジャーナル第220号、いかがでしたでしょうか。

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それでは、来週のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!    

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加藤

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