2012/03/27(火)「中国情勢を把握する(大前研一)」資産形成力養成講座

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中国情勢を把握する(大前研一)

 

経済成長率目標引き下げ 中国情勢を把握する

 

 今回の全人代終了後、温家宝氏の記者会見は3時間に渡って1人で質疑応答に全て答え、記者の方も遠慮なくデリケートな問題を聞きました。自分のことをどう採点するのか聞かれると、やり残した仕事が非常に多く、また、やったことでも上手くできなかったことがあって非常に残念だと言い、私から見ると、正直な対応だったと思います。

 ただ、1箇所、訳が分からなかったのは、重慶の問題についてです。今回の、王立軍副市長がアメリカ総領事館に駆け込んだ問題について、重慶の当局は反省すべきだと言いました。私はその瞬間に、友人の薄熙来氏はやられてしまうなと思いました。その2日後に薄熙来氏は解任されました。この後、新たに任命された人や現市長が、党に絶対忠誠ということを誓ったのです。

 今、中国の中央の人たちは、毛沢東には絶対戻らない、毛沢東という言葉さえも使わない、つまり中国は新しい中国であり、毛沢東の作ってくれた中国ではないとして、毛沢東からの脱皮をしようとしています。それに対し、薄熙来氏はここ2年ほど毛沢東回帰をやってきました。

 どんどん西欧化を進めて行く党の中央に対して、重慶などに多い農民など、取り残されている7億人のことを考えて、毛沢東の原点に戻るべきだという方向に行ってしまっていたのです。今回の、党に絶対忠誠ということは、つまりは路線対立で、別なアイデアを出すなということです。毛沢東回帰のような明確な別のアイデアを出されたら迷惑だと言うことが、薄熙来氏を抹殺した最大の理由だと思いました。

 もう一つ、裸官の問題があります。失脚した副市長の王立軍氏、実は子ども達が既にアメリカの学校に行っています。本人は副市長ですが、裸で一人だと言う「裸官」であるわけです。この王氏が、少なくとも重慶では何千人もの逮捕者を出すようなやり手の公安当局トップとしてやってきました。そして、実は薄熙来氏の奥さんもその調査の対象になっているのです。薄熙来氏も子どもはアメリカの学校に行っています。

 中国の役人の給料でアメリカの大学に通わせるというのは非常に難しいので、そこのところをやり手の王氏は突っ込んだかも知れません。薄熙来氏と対立し、王氏がクビになったという問題も背景にはあったと思います。ただし、それは表面的な理由で、本質的には毛沢東回帰が問題だったのだと思います。

 習近平氏が最近、ポピュリズムはいけないと言っています。薄熙来氏のやったことは残念ながら、大衆の受けを狙ったポピュリズムだということです。要するに、毛沢東回帰をポピュリズムでやっている悪いヤツが約一名いるということになり、薄熙来氏が解任されたのだと思います。

 私は重慶の経済顧問を薄熙来氏に任命されたので引き受けたのですが、直行便ができるまでやりませんと言ったので、まだ仕事は開始していません。薄熙来氏は優秀な人なので、このような路線対立で失脚するとは残念です。

 秋の全人代で人事が行われる時には、もしかしたら共産党の全部の仕事を解任されてただの人になっている可能性が高いと思います。ただ、ここまで対立してしまっているので、奥さんのことなど何らかの理由で逮捕されるということも覚悟しておかなくてはいけないと思います。

   

 

フランス大統領選 経済の転換に注目!

 

 フランスでは大統領選を控えていますが、今回、調査でサルコジ大統領が支持率で首位に立ちました。とはいえ、サルコジ氏28.5%に対し、オランド氏27%という僅差ですし、別の調査ではオランド氏がまだ勝っています。

 候補者は全部で10人いるので、投票では50%取れず、オランド氏との決選投票になる可能性が高まっています。二人が決選投票になったらどうなるのかという調査では、オランド氏が圧倒的に強いのです。決選投票になって、サルコジ大統領は落選、オランド氏が勝つというのが、一般的な見方です。

 二人の政策を見ると、どちらかというとオランド氏は左派的な考えです。一方サルコジ氏はドイツと一体的な行動をとりたいという考えと、企業社会的な考えが特徴です。従って、オランド氏が大統領になった時には、ドイツとの調整が問題です。サルコジ大統領はメルケル独首相と毎週のように会ってきたので、今後、ドイツとの調整が非常に難しくなって、亀裂が入った場合には、EUの将来も大きく後退する可能性が出てくると思います。

 

ギリシャ国債の実情 CDS保険金支払いが必要 ~国際金融団体~

 

 ギリシャの危機がひとまず落ち着いたということで、10年物国債の利回りは40%近くあったのが、18%に落ちてきました。ポルトガルよりもまだ高いですが、急激に下落しているというのが現状です。ただ、これが本当に落ち着いてしまうと、ポルトガルが今度危機となって燃えてしまうので、ギリシャが適当に燃えている方が、ポルトガルにとっても、日本にとってもありがたいと言えます。

 また、ギリシャ国債のCDS契約者への保険金が支払われることになりました。今回はぎりぎりまで、クレジットシチュエーション、クレジットモーメントとは言わないとしてきましたが、最終的にはやはりデフォルトであるということで、保険が下りることになりました。

講師紹介

大前 研一

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ
資産形成力養成講座 学長

大前 研一

3月18日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!
 

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