2012/04/04(水)「コモディティ動向を探る 金・原油・穀物(近藤雅世)」資産形成力養成講座

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コモディティ動向を探る 金・原油・穀物(近藤雅世)

 

落ち着きを見せる金価格と今後の展望

 

 金も原油も方向性の無い展開となっています。金価格は2008年3月17日米国サブプライムローン問題により、ベアスターンズがJPモルガンチェースへ吸収合併された時点で1000ドルを超えました。その後、リーマンブラザーズの倒産によって米国景気が悪化し、GMがチャプター11を申請して米国経済が悪化し、住宅ローンを大量に抱えた銀行等金融機関の倒産が懸念されると共に金価格は上昇しました。

 2009年秋にはドバイでソブリンリスクが発生して金価格は1200ドルを超え、更に欧州でギリシャやアイルランド、ポルトガルと相次いでソブリンリスクが拡大すると金価格は1500ドルを超えました。また、8月の米国の債務危機や、ギリシャの債務不安がイタリアにまで飛び火すると思われた2011年9月9日、金価格は史上最高値の1923.7ドルを付けました。わずか3年足らずの間に1000ドル上昇して金価格は2倍になってしまいました。

 2011年から2012年にかけて、ギリシャが緊縮財政法案を可決し、民間金融機関が債権の半分を放棄するという過程を経て、2012年3月EUとIMFが第二次支援策を決定したことにより、欧州債務危機は一段落しました。また、12年2月まで二度にわたりECB(欧州中央銀行)が約1兆ユーロの資金を3年間欧米の金融機関に貸し出し、たとえギリシャ国債の保有で大きな損失が出た金融機関でさえも、資金的には倒産を免れる状況となっています。

 ただ、欧州債務危機が終焉したわけではなく、先延ばしされただけで、3年後には再び借り入れた大量の資金を返済する期限がやってきます。ギリシャにしても、欧州金融機関にしても、借りた資金を自力で返済できる程、急速に財政や財務内容が好転するとは思えません。おそらく大きな返済期限の来る2014年~2015年にかけて欧州債務不安は再び問題となり、金価格はまた上昇する時が来るでしょう。

 しかし、ジャンプする前には膝を曲げねばなりません。今はその時期に当たり、イラン等で不安な事態が起こらない限り、当面金価格は、弱含みで推移するでしょう。

 

中東問題と原油価格の見通し

 

 原油価格は2012年3月1日110.55ドルまで上昇しました。ちょうど1年前の5月原油価格は114.83ドルまで上昇しています。当時はリビアのカダフィ政権で内乱が生じ、原油の生産が停止してしまった時期でした。

 今年の場合はスーダンやシリア、イエメンで石油生産が止まっていますが、リビアの場合、2011年1月に日量158万バレル生産していたものが8月には7万バレルまで151万バレル減少するという大きなインパクトがありました。しかし、今年の場合は3か国併せても113万バレル(2010年)です。

 ただ、これにイランが加わると話は別です。イランは日量348万バレルを生産するサウジアラビアに次ぐOPEC第2位の原油生産国で、世界の約4%を供給しています。イランは原子爆弾を製造しており、問題はそれがいつ完成するかというタイミングです。イスラエルのネタニヤフ首相とオバマ大統領は3月5日3時間にわたり協議しましたが、イスラエルは今年の4月から8月までに原爆が完成すると見ており、一方米国は1年かかると見ています。

 11月に大統領選挙を控え財政赤字に悩むオバマ大統領は、中東で不穏な動きが今出ることは極力避けたい立場なので、イスラエルに過激な行動を採らないよう慰留に努めたと思われます。

 しかしイスラエルにとっては、イランが核兵器を保有し、イランの支援を受けたヒズボラがパレスチナから核を打ちこむことができるようになるというのは、生きるか死ぬかの重要問題でしょう。おそらくイスラエルはあらゆる手段を使って原爆開発を阻止する行動に出る可能性があります。そうした懸念が原油価格を押し上げています。

 サウジアラビアは、4月2日付のFinancial Timesにおいて、いつでも原油を増産する準備はあり、世界の原油需給は十分まかなわれていると述べています。一方、ゴールドマンサックスは3月の石油レポートで、世界の原油在庫は減少し、石油余剰生産能力には限りがあると述べて、原油価格は更に上昇すると言っています。

 オバマ大統領は、戦略備蓄在庫の放出や、建て玉制限、証拠金の引き上げによる投機規制という奥の手があり、それを使うか使わないかは別としても、原油価格が一定以上上昇して、回復しつつある米国や世界経済が再び不況に落ち入りそうなら、そうした切り札を使うことをほのめかし、投機家はそれを恐れて手仕舞いするため原油価格は120ドル以上の高値にはならないと思っています。

 

穀物は需給関係がタイトで、更に高値になる可能性

 

 最後に穀物ですが、今、需給関係がタイトな商品は大豆やトウモロコシです。大豆価格は1月3日の1218セントから4月2日の1421セントまで203セント、3カ月で16.7%上昇しています。3月30日に作付意向面積と四半期在庫が米国農務省から公表されました。トウモロコシの今年の作付意向面積は、9590万エーカーと前年比4%増で、1937年以来の大きな面積となりました。

 それでも3月の在庫が8%減となったため、4月2日のシカゴコーン価格は40セントのストップ高になりました。大豆の作付面積はトウモロコシが増えた分だけ割を食い、前年比1%減の7390万エーカーとなったため、こちらも47.5セント高で昨年9月以来再び14ドルを超えました。

 原油のように、物は潤沢にあるのに、噂で上がっている価格はいずれ天井がやってきて、急落することがあるのですが、大豆のように、物が足りなくてどうしようもない商品価格はどこまでも上がります。

 米国産大豆の代替生産国は南米しかなく、秋の収穫期を迎えつつあるアルゼンチンやブラジルは、既に昨年比10%以上の減産が確定しています。北半球では大豆を大量に供給できる国は無く、サラダオイルの需要が減るとも思えず、豚や牛の餌として植物性タンパク質に代わる飼料は、小麦等、あったとしてもその栄養素や、供給可能量から言って十分とは言えません。

 大豆価格は今後ますます上昇すると言って良いでしょう。今年の日本のサラダオイルや醤油、肉類は値上がりするものと思われます。


講師紹介

近藤 雅世

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長

近藤 雅世

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