2012/04/18(水)「年金が国債下落のトリガーに!?(大前研一)」資産形成力養成講座

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年金が国債下落のトリガーに!?(大前研一)

 

医療費負担 70~74歳の窓口負担を2割に戻す意向

 

70~74歳の窓口負担を2割に戻すべきだと岡田副総理が主張していますが、彼は何故このように正論をいうのでしょうか。原理主義者と言われていますが、本来、選挙が近い時にこのようなことを言ってはいけないはずです。しかし、自民党がもともと2割だったものを1割にして以来、戻していないので、決まっていた通りにさせてもらいたいという話です。

 実は、日本の医療費というのは、図のように、うなぎ上りですが、70歳を超えた人の部分、就中75歳以上の人の部分が非常に増えています。その部分が1割負担では非常にしんどいということです。私は、負担を2割と言わずに、3割、4割とし、生活保護を受けているなど事情のある人や、月に多額の医療費がかかる人については、定額にするべきだと思います。

 今、高齢者は時間があるので、病院を溜まり場のようにしていることが多く、結局それが非常にお金を使ってしまうのです。ですから、払える人が、もっと応分の負担をしてもらってもいいのだろうと思います。

 それから、日本の場合には、何があっても病院に行けば、保険でもって薬まで出てしまいます。一方、北欧の国では、高齢者の医療負担は0、若い人でも0にしている場合であっても、病気の定義をしているのです。

 例えば、風邪は病気ではないと定義されていますので、風邪で病院に来る人はいないのです。行こうとしても予約は取れません。お腹が痛いと言っても、電話でいろいろと聞かれ、問題ない場合には、OTCと言われる薬局で売っている薬で我慢をするのです。

 日本の場合には、医者が全部大口を開けて、プランクトンを飲んでいて、それで医療費が拡大してしまいますが、医療費を国庫が全部やっている国では、病気というものがちゃんと定義されているわけです。「ちょっと日曜日に歩きすぎて、足がむくんで痛いんです」、などという人は勝手にすれば良いのです。そこで、湿布薬まで病院でもらい、本人は1割負担とか2割負担などということはあり得ないのです。そんなことをやっている国はないのです。

 アメリカの有名な議論ですが、例えば日曜日にテニスをやりすぎて、テニス肘になってしまったとします。それは、勝手にしなさいということで、保険からはお金は出ません。骨が折れてしまったというならわかりませんが、テニス肘は除くという、有名な議論があるのです。ですから、日本のように、そこの定義を何もしないで、全て受け入れ、風邪ぐらいでも血液検査などの検査を一通りすれば、お金がかかるのは当たり前です。

 もし本当に公的負担を大きくしていくのであれば、病気の定義をしないといけないと思います。本当の病気とそうでないものが、電話一本で見分けられるのかと言えば、見分けにくいとは思います。グレーゾーンのところで不幸になるケースもあると思いますが、線を引いていかないとお金はいくらあっても足りません。2割負担はもちろんやるべきだと思いますが、定義の議論の方が先だと思います。


 

年金制度問題 2012年度の取り崩し 8兆8000億円

 

 2012年度の年金の取り崩しが過去最大の8兆8000億円となりました。これはかなり深刻な問題です。取り崩しは2009年から続いていますが、このようなことをやっていくと、その次の世代の人が年金をもらう時には、もうありませんという話になってしまいます。

 今のような国内債券、国内株で運用している限りは、崩れる一方です。なぜかと言うと、グラフにあるように、給付総額はうなぎ上りで、このまま年間数兆円ずつ増えていくと、さらに取り崩さざるを得ないわけです。

 実は、この取り崩しは結構しんどいものがあります。国内債券が3分の2なので、取り崩す時には債券を売らないといけないのです。国債を4兆円、5兆円規模で売って行くわけですから、国債暴落のトリガーになる可能性があると言えます。

 やはり、2012年度は基礎年金の国庫負担分として発行する交付国債が即時現金化できないため等の理由で対前年比30%以上の取り崩しになりますが、額にして数兆円となってくると、気づくと、年金給付のために国債を売却しなくてはならない組織が約1社あります、それがGPIFです、ということになるのです。

 年金積立金管理運用独立行政法人なるものが、年金を払うために国債を売らなくてはならないという局面に入ってきてしまったということです。

 こうしたことから、日本国債は、債券先物が続落しました。銀行も、もう国債を買う意欲がなくなってきています。国債に関しては、いろいろな危機的なシグナルが出てきていて、これ以上国債を出しても、買ってくれる人はいないということになります。銀行も身構えているので少しずつ影で売り始め、GPIFも売らざるを得ないという状況で、一体、だれが買い手になるでしょう。

 郵政の議論で、郵政再官営化をして、郵便貯金でとことん国債を買っていこうというのが今の財務省の考えです。従って、郵政というのは、国債生命維持機関と言われます。もともとは、銀行経営を圧迫する郵貯、簡保に対して反対と言っていた財務省、当時の大蔵省が、今では郵貯がなくてはもうだめだということになり、生命維持機関になってしまったという、大きな変化がここ数年で起こってきたということです。


講師紹介

大前 研一

ビジネス・ブレークスルー大学
学長

大前 研一

4月8日に撮影したコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。

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