2012/05/09(水)「世界投資家が抱える最大のリスク「イラン問題」(宮島秀直)」資産形成力養成講座

表示されない方はこちらから
大前研一学長総監修 資産形成力養成講座 グローバル・マネー・ジャーナル 「最新・最強・最高」クオリティの金融情報とデータ!

第241回目発行!資産形成力養成講座メルマガです。

メルマガをご覧の皆様、こんにちは!
ビジネス・ブレークスルー 資産形成力養成講座 事務局の加藤です。
このメルマガでは、皆さんの資産形成に役立つ情報を、大前研一ならびにプロとして活躍している 一流講師陣の視点から、毎週リアルタイムにお届けしていきます。今回は金融リアルタイムライブよりコンテンツを一部抜粋してお届けいたします。資産形成を実現するためのとっておき情報を、最後までどうぞご覧ください。

大前研一
 

【6月開講生募集中! 基本コースお申し込みの方には特典も!】

2012年4月よりフルリニューアルの資産形成力養成講座!
詳細はHPをご覧ください!

詳しくはこちら

 

世界投資家が抱える最大のリスク「イラン問題」(宮島秀直)

 

世界投資家が抱える最大のリスク「イラン問題」

 

 市場の抱えるリスクについて、2月半ばから3月半ばにかけて、海外機関投資家104社にインタビューしたところ、トップはイラン問題でした。日本ではあまりクローズアップされていませんでしたが、イランの問題は欧米の新聞ではトップで報じられていました。日本はイランの問題を甘く見過ぎ、その時点で日本の投資家は大きく乗り遅れた可能性が高いと言えます。

 実際にその後、イランの問題は大きく揉めて、原油価格も下がらず今に至っています。また、リスクとして2番目に挙がったのが、ユーロ問題でした。日本ではユーロの問題は収束したと言われていましたが、やはりその後、スペインの問題が浮上し、このリスク調査の結果は見事に現実に即したものであったわけです。

 イランの問題が、リスクとして大きく取り上げられる背景にはインフレ懸念があります。先日、FOMCでバーナンキFRB議長が、アメリカの実質金利は異常な低さであることは事実だと話しました。確かにグラフを見るとアメリカは、香港、イギリスに次いで、世界で3番目に実質金利が低い国なのです。

 アメリカは今回のFOMCでも言われたとおり、すでに、量的緩和もできなければ、住宅ローン債権も買えない状況ですから、動ける範囲が非常に少ないのです。選択肢がとても少ない異常な状況の中、原油価格、あるいは食品価格が急騰するなど、インフレ懸念があったときには、すぐにスタグフレーションになり、救いようのない状況になってしまうわけです。量的緩和も利上げもできない状況にあるという点は認識しておくべきです。

 過去40年間のアメリカのCPI変動率の分布状況を見ると、平均は2.5%です。2%を超えたら大変だと言うバーナンキ議長はやや言い過ぎですが、今現在、2.9から3%超のところに来ています。これは、金利は上げなくていいかもしれませんが、量的緩和をしている場合ではないのです。ましてや、その驚異が原油価格だけではなかったら、相当慎重にインフレを考えないといけません。

 一般的に、自動車の燃料価格が上がるからアメリカのCPIが上がると思いがちですが、アメリカのCPIの中で自動車燃料価格のウエイトは5.5%しかないのです。それよりも、ウエイティングが15.3%を占め、5%近く上昇している食品が重要な要素なのです。実は、アメリカで年初来一番価格が上昇しているのが、豚肉と生鮮食品なのです。

 豚肉については、アメリカ食品医薬品局が、豚肉加工品の人工的なつなぎ材の使用をやめて、豚肉を使用するように主張した際、ホワイトハウスが即座に撤回を求めた経緯があります。これ以上豚肉の需要が増えることで、価格がとんでもなく上昇するからです。豚肉の価格が上がるだけで、アメリカの食品価格は5%以上上昇し、ウエイティングの高い食品価格が上昇することで、CPI全体を3.2%~3.4%にまで引き上げてしまうのです。食品価格如何によって、アメリカのインフレ率が大きく上昇する危険性が影に潜んでいるのです。


※クリックで拡大画像が表示されます。   

 では、インフレ率の水準や推移でどれだけ市場に影響があるのかを見てみましょう。右上は、high and fallingで、ちょうど去年10月から今年1月、3.4%のCPI伸び率から落ちつつあるものの、2.9%と高い位置にあるというフェーズです。インフレ率がやや高く、それが是正されて落ちてくるところで株価は一番上がりやすいと言えます。

 一方、もし、今後豚肉価格が上昇したり、イランの問題がこじれた場合には、左上のhigh and risingとなり、株価は完全に負け組となります。さらに、この場合、米国債券も儲かりません。株は下がり、一方、債券も下がるので、ヘッジの対象になりません。すると結局、資金は商品に行くしかないので、悪循環が起こります。インフレになっているのに、儲かるのは商品しかないので、結局スタグフレーションが起こってしまうのです。

 これを避けるには、債券を買い支えるしかありません。短期債を売って長期債を買うオペレーションツイストで長期金利を下げ、債券が長期で儲かるようにすることが効いてきます。high and rising の状態であれば、FRBが7月以降も長期債を買い続けないと、投資家達には逃げる道がないのです。

 ですから、大物運用者たちは7月以降もオペレーションツイストをしろと言い続けているのです。オペレーションツイストを続け、商品に資金が行かないようにし、長期債は大丈夫というシグナルを出し続けなければいけないのです。FRBもその可能性を残した表現をしており、インフレが加速した場合には投資家を助ける為にオペレーションツイストを続けると思われます。


 

今後20年で需要拡大が予想されるアジアの航空機市場

 

 これから先20年間を見た場合に、中型の飛行機のニーズが非常に高く、この分野は高い成長が期待されています。リーマンショック後、明らかに飛行機の運賃は落ちていて、航空旅客数のグラフを見ると、ヨーロッパ、アメリカはほぼ横ばいになっています。

 しかし、アジアは、ずっと旅客数を伸ばしているのです。アジアに向けた飛行機の旅客数はリーマンショック後も変らず増え続け、運賃は上がり続けているのです。今後も中国、ほかのアジア、中東の伸びが期待されます。

 こうした路線が購入する飛行機の部品を作る会社は、売り上げを伸ばすはずです。どんな飛行機が売れるのか、今後20年のサイズ別の予測を見ると、230人から309人乗りが90兆円、120人から169人乗りは80兆円近いマーケットとなっています。ジャンボジェットの20兆円に満たないマーケットよりも、こうしたサイズの飛行機が、ずっと売れるという事が分かります。

   
※クリックで拡大画像が表示されます。   

 実は、世界を代表する飛行機部品を作れるメーカーを集めたファンドに組み入れられた銘柄のうち、中型機に部品を供給しているメーカーはほとんどが日本の会社なのです。日本のメーカーはこの分野で、唯一無二の競争力をもっているのです。さらに、この分野に関しては、アジアのメーカーが入っていません。

 飛行機関連の技術は一番高度な技術で、韓国や台湾等ほかのアジアのメーカーでは真似出来ないのです。日本はエンジンには弱いのですが、翼と胴体、機械制御系には非常に強く、こうしたメーカーが、今後大きく売り上げを伸ばして行く事は間違いないでしょう。このような銘柄を5年、10年の長期にわたってゆっくり買って行くべきだと言えます。


講師紹介

宮島 秀直

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師

パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ株式会社
代表取締役 兼 チーフストラテジスト

宮島 秀直

4月26日に撮影したコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。

詳しくはこちら

その他の記事を読む

日本の消費者物価と金融政策(福永博之) アメリカ金融の現状解説(大前研一)
Global Money Journal Editor's Note 編集後記

資産形成力養成講座 加藤

  【6月開講生募集中! 基本コースお申し込みの方には特典も!】
2012年4月よりフルリニューアルの資産形成力養成講座!
詳細はHPをご覧ください!


今週のグローバルマネー・ジャーナル、いかがでしたでしょうか。

2012年4月より『資産形成力養成講座』と改め、フルリニューアルされたコンテンツを提供しております。これまでの講座から更に魅力を増した『資産形成力養成講座』を資産形成・防衛していくためにご活用ください。

世界経済が混迷を深める中、どのような経済下でも購買力を落とさないためにどのように対処すればよいか。如何に経済動向を把握し、起こりうる未来を想定し、取るべき選択肢を十分に煮詰めていくのか。『資産形成力養成講座』では、受講生自らが考え、実践していけるようになることを目的としています。

世界マーケットが混乱する「今」こそ、生涯重要になるファイナンシャルリテラシーを高めておく時期ではないでしょうか?

それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!
 

グローバル・マネー・ジャーナル 【世界投資家が抱える最大のリスク「イラン問題」(宮島秀直)】の上部へ戻る

資産形成力養成講座 グローバル・マネー・ジャーナル 世界投資家が抱える最大のリスク「イラン問題」(宮島秀直)

『世界投資家が抱える最大のリスク「イラン問題」』

資産形成力養成講座メルマガページ。大前研一学長総監修。世界経済の混乱の中、資産運用・形成の方法を学ぶ。FX為替・株式・投資信託・不動産・REIT・商品先物・債券・年金・保険・分散投資・海外投資など体系的に資産運用が学べる講座。ビジネス・ブレークスルー大学の公開講座。

※ このメールは、HTML形式でお送りしています。インターネットに接続した状態でご覧ください。
発行人 : ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ事務局
〒102-0084 東京都千代田区二番町3番地 麹町スクエア

配信先変更・配信停止 お問い合わせ 個人情報保護方針

Copyright (C) BUSINESS BREAKTHROUGH Inc. All Rights Reserved.

資産形成について少しでも知識を高めたい方はまずは無料講義体験へ。

  • 無料講義体験
  • 講座申込み