では、インフレ率の水準や推移でどれだけ市場に影響があるのかを見てみましょう。右上は、high and fallingで、ちょうど去年10月から今年1月、3.4%のCPI伸び率から落ちつつあるものの、2.9%と高い位置にあるというフェーズです。インフレ率がやや高く、それが是正されて落ちてくるところで株価は一番上がりやすいと言えます。
一方、もし、今後豚肉価格が上昇したり、イランの問題がこじれた場合には、左上のhigh and risingとなり、株価は完全に負け組となります。さらに、この場合、米国債券も儲かりません。株は下がり、一方、債券も下がるので、ヘッジの対象になりません。すると結局、資金は商品に行くしかないので、悪循環が起こります。インフレになっているのに、儲かるのは商品しかないので、結局スタグフレーションが起こってしまうのです。
これを避けるには、債券を買い支えるしかありません。短期債を売って長期債を買うオペレーションツイストで長期金利を下げ、債券が長期で儲かるようにすることが効いてきます。high and rising の状態であれば、FRBが7月以降も長期債を買い続けないと、投資家達には逃げる道がないのです。