2012/06/27(水)「ユーロ連合の最大の問題点(大前研一)」資産形成力養成講座

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ユーロ連合の最大の問題点(大前研一)

スペイン政府 EUに金融支援要請最大10兆円

 

 スペインはやはりギリシャよりも不気味に悪い状況になってきています。IMFなどが常に見張っていますが、スペインに加えてイタリアもとなってくると、とてもIMFでは手に負えなくなると思います。

 スペイン政府はEUに10兆円という規模の金融支援を要請しています。さらに国債利回りが一時7%になっています。利回りが7%というのがどういう数字かというと、1000億円借りて10年後に返す国債を出したとすると、毎年70億円ずつ、合計700億円金利を払うという計算です。賞味で使えるのは300億円しかないのです。本当に意味があることなのか疑問になるほど、7%というのは重たいわけです。

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 使ったものが7%以上の利益を生むなら良いのですが、そんな案件はありません。おそらくこういう国ではまず死にかけているものから救済するので、それらが新たな富を生むということは考えにくいのです。日本のように1%台であれば話は違いますが、7%という水準は国債は出せるもののペテンのようなものだと言えるのです。

 各国の10年債利回りを見るとスペインが上昇してきていて、イタリアも6%になっています。ポルトガルよりはましですが大変な状況です。ビジネスウィークの記事では、スペインの「S」が落ちて「PAIN」になり、一番東にあるギリシャから痛みが西に移ってきていると書かれています。


EU共通の銀行破綻処理策を発表 ~欧州委員会~

 

 こうした中欧州委員会はEU共通の銀行破綻処理策をまとめ、各国が資金を融通し合うことなどが盛り込まれました。ここから先の議論は、おそらくユーロ債を出すのかどうかということになってくるでしょう。ユーロ債に関してはオランド仏大統領が出す方向にメルケル独首相を説得しようとしたものの、最初のミーティングでは失敗しました。

 ユーロ債は今のレートから見ると、ドイツなどの健全な国に引っ張られて2.5%程度で出せると思います。すると、国債を出せば7%などという弱い国はどうしようもないのでユーロ債を出すことになります。ユーロ債で2.5%で出したものをギリシャなどに貸すわけですが、そのための条件として国家予算を審査させてもらい、要求を満たせば資金を貸し続けるということになります。3ヵ月に一度審査し、だめな場合にはもう貸さないという仕組みです。

 現実にはメルケル首相やドイツ国民にとっては、国債利回りが2%に満たないのになぜ2.5%を払わなくてはならないのかという問題がありますが、通貨を守りEUを維持するためにはこのユーロ債がおそらくドイツの最後の妥協になるのではないかと思います。これを出すことでヨーロッパの中で7%、8%などというとんでもない国債がなくなり、その代わりに財政、国家予算を統一的にやっていくのです。これはドイツが強力に要求していることなので、ここはドイツが妥協し結果がだめな場合には突き放すという条件で一旦はユーロ債の方に振り、各国の出しているかなり危うい国債を全部置き換えてしまうことになってくるでしょう。

 ニューズウィークもユーロは終わりなのかという表紙で、さらにヨーロッパのリーマンショックは意外にもアメリカをも直撃する、ユーロストームだと表現しています。特に大統領選挙のまっただ中でこれが起こると、オバマ大統領にとっても危機を放置した責任を問われ、ロムニー氏がそこを突いてくるだろうと思われます。

 タイム紙でもヨーロッパはごった煮の状況で、みんなに解決策を聞いても誰が何を言っているのか全く分からないという内容を取り上げています。そこで共通していることはリーダーシップの不在です。誰も解決策を出せないからです。

 ユーロ連合の最大の問題点は、財政を放置して通貨を統合したが、通貨統一の大前提は予算の統一だということです。それができていなかったという所まで踏み込んで、ユーロ債を出すかわりに政府の出費、歳出を確実に制限するということをやるかどうか、最後の審判という段階に来ているのです。

 BRICs、中国、アメリカ、ユーロゾーンのGDP成長率をみると、いずれも激しく落ち込んできています。また、世界のGDPの比率はBRICsとアメリカ、ユーロゾーンで60%を占めています。いずれの経済も右肩下がりで落ちてきていているわけですが、これは相互連結経済においては避けられないことで、ユーロだけがずっこけるということはなく、アメリカも中国も大きく影響を受けるのです。そして当然日本もそうです。日本は前から右肩下がりなのであまり気にしていませんが、やはり中国などはヨーロッパの落ち込みから非常に強く影響を受けているのです。


伊モンティ首相、国内支持急落を認める

 

 そうした中イタリアを不安に思う理由は、ベルルスコーニ氏が退き学者であるモンティ首相が出てきて急激な緊縮プランを出して、この人はやると思わせたわけですが、ここに来て急激に彼に対する国内支持が落ちてきているからです。批判の高まりに対し、モンティ首相は正直でもっと成果を出せたはずだと語っています。自分はもっと早くガンガンやってしまうべきだったというのです。今こうなってみると、確かに緊縮反対勢力がフランスやギリシャでも出てきて、自分は緊縮策でドイツを喜ばせようと思っていたのに成果が出る前に国内世論に捕まったことを認めてしまったのです。

 今度はオランド仏大統領とモンティ首相が会い、モンティ首相はオランド大統領寄りのことをやろうとしています。メルケル独首相はこの二人の意見が一致したことに対して激怒しています。メルケル独首相はこんな奴らを救うなと言うドイツ国民に睨まれているので、どこまで妥協できるのかかなり厳しいトップの分裂もモンティ・オランドの急接近から見えてくるのです。


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大前 研一

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資産形成力養成講座 学長

大前 研一

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