2012/08/22(水)「為替で見るべきポイント(田中泰輔)」資産形成力養成講座

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為替で見るべきポイント(田中泰輔)

今局面のドル/円相場のベスト・シグナルは米中期金利

 

 景気の悪化局面から回復局面の途中でFRBが利上げを開始する前段階まで、つまり米国が金融緩和している間は、ドル円は米中期金利の動向に沿って動く傾向があります。米国債2年物金利、米日2年物金利差、ドル円の推移のグラフを見ると、2007年8月夏頃からサブプライム問題が顕在化し、それ以降、金利が下がっていきます。米金利が下がり、金利差が縮小する程度に応じて、ドル安・円高となってきました。

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 通常、為替を金利相場として説明する時は、内外金利格差を使います。しかし、2007年当時、日本は長年のデフレ環境下で金利が分析上無視していいほど低水準でした。したがって、金利差という計算の一手間をかけなくても、米金利だけ見れば、ドル円の方向性は間違わないとご案内しましたが、およそその通りの展開で今日に至っています。

 2009年、G20の果敢な政策発動で景気が一旦底打ちした頃から、米金利は0%近傍まで行って底這ってきました。金利変動の値幅はほとんどなくなり、ドル円との感応度がずれているように見えますが、軸足を変えた図を見てみると、米国の金利動向は今もドル円にとってのベストシグナルだとわかります。昨年、この2年物金利が0.2~0.3%で推移している間、ドル円は75-80円の間を行ったり来たりしていました。今年2、3月に米金利が0.4%まで上昇した時には一時的に84円をつけ、その後また0.2~0.3%に低下して70円後半に戻っています。

 2年物金利は向こう2年間をカバーする金利であり、1年後の米国の景気や金融政策がどうなっているかという市場の期待を織り込んでいます。その金利が持続的に上昇するには、米経済成長が2.5%の巡航ペース以上を継続する必要があります。2.5%ペース以上であれば、毎月毎月発表される雇用などの景気指標は改善歩調をたどるはずです。

 FRBは現在2014年の終わりまで金融緩和を続け、経済を支え続けると約束しています。ただしFRBの幹部には、もっと早い段階で金融引き目に転じるべきという立場の人が少なからずいます。したがって実際に経済が2.5%以上の成長ペースとなれば、市場でも、2014年前半ないし13年末にも利上げがあるかもしれないという期待が浮上する可能性があります。

 そうなって、2年物金利が0.3~0.5%へと上がれば、ドル円の軸足は80円台前半になるはずです。さらに利上げ間近ともなって、0.5~0.8%へと上がれば、ドル円の中心軸は80円台後半にあり、時々90円台を試すような動意が見られる展開となるでしょう。

 逆に万一米経済見通しが1.5%成長程度とぐずつき、QE3やQE4が必要かもしれない、という事態になれば、2年物金利は0.2%かそれ以下に落ちるなら、ドル/円は75円方向に再び向かう展開が整合的です。

 経済には通常、自律的な景気サイクルがあります。景気が悪化し、金利を下げれば、まず住宅ローンが増えて建設需要が生じます。景況感が底打ちする頃には在庫投資が増え、生産が増え、雇用・所得が増え、そして設備投資が増えて景気拡大に弾みがつきます。

 しかし深刻な金融危機に陥った米国経済は、債務の後処理に追われ、金利を0%近くまで下げても住宅ローンが増えないなど、景気の自律回復機能が働かない状態が続きました。新たに発表される景気指標を一つ一つ確認しても、次の展開への連鎖をイメージしにくく、市場の回復期待は過去3年間に度々裏切られました。それだけの米2年物金利というシンプルなシグナルに集約して、状況判断をし、投資ポジションを機動的に変えることが推奨されます。

豪ドル 景気・金利・コモディティに支持され買い選好

 

 投資対象として人気の豪ドルは、資源輸出国としての性格が強い通貨です。金利よりコモディティ価格のボラティリティが高いため、図のように、豪ドル/ドルは豪米金利差が示唆する軌道の前後で相当なブレが生じがちです。CRB指数(コモディティ指数)と対比すると、豪ドル相場との連動性が如何に強いかが判るでしょう。

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 豪ドル金利は、2010年の終わりの大洪水の頃がピークでした。そこから徐々に豪金利は低下し、豪ドルも下落が一見示唆されていたにもかかわらず、逆に堅調を持続しました。それを正当化できた背景理由はコモディティ高でした。しかしその後、コモディティ価格ももたついてきたのに、豪ドルは目立って下がっていません。かつての豪ドルなら急落したはずです。何が変わったのでしょうか。

 実は、ここ10年ほど前からユーロが信認され始め、世界的にドルからユーロの分散投資が進みました。そしてドルとユーロを軸にした国際分散投資の中に、英ポンド、豪ドルも組み込まれて行きました。しかしその後、2007年以降にドルとポンドが金融危機で買いにくくなり、2009年暮れにギリシャ問題が顕在化したユーロもまた買いにくくなりました。結果的に、この間、投資パフォーマンスが良好だった豪ドルへの選好を世界中の投資家が強めています。

 最近では、世界経済の先行きに不透明感が出て、豪ドルが売られるまでになっても、世界は何とか持ちこたえるとの観測が出た途端に、豪ドルが真っ先に押し目買いされるパターンを繰り返しています。こうして豪ドルは自国の金利水準が下がっても、コモディティ価格が下がっても、比較的底固いまま推移しています。

 多くの投資家は、豪ドルのロングをオーバーウエイトにするまで買っています(要は、買い過ぎているといことです)。そして金利対比でも、コモディティ価格対比でも、豪ドルはオーバーバリュー、すなわち割高です。さらに相対的に高い豪金利を得るために、豪ドルのポジションは基本的に為替ヘッジをしていません。買い過ぎで割高で無防備な(ヘッジ無しの)豪ドルは、豪経済も圧迫しており、世界見通しの悪化に際して折々に売られますが、それでも押し目買い意向の投資家が多いのです。

 豪ドルを対ドル1.0のパリティ以上で買うことは、常に高値掴みであり、上値余地はそれ程大きくないであろうことを心得る必要があります。ただ相対的に高い豪金利分というバッファーがありますので、その分を計算に入れて臨めるでしょう。豪ドルは最強通貨の一つと認識されていますが、それ相応に制約があることを理解して投資することを勧めます。


講師紹介

田中 泰輔

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師

ドイツ証券
グローバル マクロ リサーチ オフィサー

田中 泰輔

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