2012/10/03(水)「決め手欠く商品市況(近藤雅世)」資産形成力養成講座

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決め手欠く商品市況(近藤雅世)

世界経済の動向を考察する

 

 相場の流れの中では何もトピックが無い時期が存在する。そんな時は休むも相場であろう。無理して何かを求めて動きまわると損が膨らむのではないだろうか。今がそんな時期である。

 欧州の経済情勢は6月末の欧州理事会で一段落し、後は欧州統合への道のりを各国が国民の意思を確認しながら工程表を作っていくか、それともフィンランドやオランダのように、もうこれ以上自国民の税金を使ってギリシャやスペイン等の経済劣等国の世話を焼くのはたくさんだという国民感情に結論を委ねるなら、ユーロという通貨統合は失敗に終わることになる。

 サッチャー元英国首相の自伝を描いた映画を観た。それまでユーロにポンドが入っていなかったのはなぜだろうかと疑問に思っていた。しかしこの映画を観て、サッチャー女史がポンドとブリテンの独立を堅持するという固い意志を貫き通したことがわかった。

 ロッキード事件で後を濁した田中角栄ですら、日中国交回復の政治手腕は後世に名を残す偉業であった。残念ながらここ数年の日本にはいない政治家である。そうした偉大な政治家は大衆に迎合することなく、信念を貫いて国を導いてきた。ユーロ圏は今、好むと好まざるとにかかわらず、各国が統一に向かうか分裂するかの岐路に立たされている。

 欧州ではファンロンパイ欧州大統領の指導の下で、年末にかけて真の経済通貨同盟に向けての素案作りが行われる予定である。

 米国のGDP成長率は今年2.2%、来年1.9%増程度に収まるだろう。なぜ来年の成長率の方が低く見られているかというと、今年の年末にかけて「財政の崖」があるためである。これまで国内消費に依存してきた米国の経済成長は、失業率の高止まりにより足踏みを余儀なくされてきた。輸出は増加しているが輸入も増加し、貿易赤字は解消していない。

 本来なら財政出動による景気浮揚が行われるべきであるが、財政赤字が積み上げられており、年間1100億ドルの大規模な歳出削減が11年予算管理法によって強制されている。ブッシュ減税や給与減税等は延長することにより財政の崖の影響を軽減することができるとしても、歳出削減はこのままでは共和党の同意を得ることが難しいと思われるため、どの大統領が選ばれても来年上期の財政出動はありえないと言われている。そのために企業マインドが落ち込み、来年上期は更に景気が減速するだろうという。

 世界景気の牽引車として期待されていた中国も、指導者の交代時期で新旧勢力のせめぎ合いがあるようで、経済も8%成長が心もとなくなっている。中国最大の欧州向け輸出が減少し、内需が思うようには伸びていない。


コモディティの今後を予測

 

 こうして世界規模でデフレ現象が深刻化する中、商品価格は需給が足りているものについてはそれほど価格が上昇する気配は少ない。

 原油の場合、金と同様に、米国連邦準備制度理事会による量的金融緩和第三弾が9月13日に発動され、それまで価格はQE3期待で上がってきたが達成感とともに原油価格は下落した。一方金はそのまま高止まりしているが、2000ドルになるというアナリストもいる中で今の状況では価格が上がる要因を説明することは難しい。何か事件が起きなければ金価格は横ばいか下落の道をたどるだろう。ことに金はファンドのネット買い残が積み上がっている。9月25日時点のファンドのネット買い残は、23万4613枚で今年最高水準となり、過去最高の2011年8月2日の28万9250枚に近づいている。

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 過去のファンドのネット買い残と価格のグラフを見ると買い残が多くなると手仕舞い売りによる価格の反落が見られる。配当も利息もつかない金は買うだけでは利益が出ず、より高く売るしかない。したがって短期的には金価格は下落する可能性が高い。

 同様なことは穀物価格にも言えた。9月初旬からシカゴトウモロコシやシカゴ大豆価格は下落したが、これは需給が変わったせいではなく、ファンドが一旦手仕舞い売りしたためと思われる。その背景には収穫が始まり、少ないながらも現物が市場に流れ始めたというハーベストプレッシャーと言われる現象でもある。9月28日米国農務省(USDA)より、9月1日の四半期在庫が前年同期よりも12%少ない988百万ブッシェル(前年同期は1127百万ブッシェル)だったことが公表され、価格は40セント高と急反発した。

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 原油や金とは異なり大豆やコーンは供給が不足しており、USDAは来年にかけて毎月の需給報告の都度、生産は下方修正、需要は上方修正していくと思われる。そのたびに価格は反発して新たな高値をつける可能性がある、南米の1月の天候が注目されるが、南米産は春先にしか出荷されないため、それまでに価格は高くなると予想している。

原油については、イスラエルがイランを攻撃するかどうかがひとつのポイントである。ネタニヤフ首相は国連総会の演説で来春から夏にかけてと少し時期を伸ばした。優勢と見られるオバマ大統領との関係を維持したいとの思いもあるようだが、イスラエル国民はイランの原爆保有を許さないと思われる。


講師紹介

近藤 雅世

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長

近藤 雅世

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