2012/11/07(水)「世界のリスク資産動向を把握する(宮島秀直)」資産形成力養成講座

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世界のリスク資産動向を把握する(宮島秀直)

世界のリスク資産動向を把握する

 

 イギリスのグローバル投信は、サウジアラビアや、今勢いよく伸びているブラジルの大富豪、また、破綻しかけているキプロスからアイルランドに資金を移したロシアの大富豪などの資金が流入しており、世界中の儲けを期待する資金が集まるところです。そのイギリス大手グローバル投信32本についての週間準資金流入のグラフをみると、資金の出入りは正常に行われていて、それを株価が追いかけて上下しているのがわかります。まさに世界の株価を動かすような資金の動きがここにあるわけです。

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 その足元の状況を見ますと株価のラインが上離れしています。8月末に実施したファンドマネージャーへのインタビューでは、8月から9月にかけて資金流入が減っているにも関わらず、世界のマーケットが大きく上昇していると指摘、これは明らかに投機勢の資金によって世界のマーケットが上がりすぎているということでした。そして9月から10月には世界のマーケットはもみ合いとなるだろうという話でした。まさにその通りの展開となったわけです。10月末の時点ではまだグラフは下がりきっていないので、もう一段の調整があると見ておいた方がよいでしょう。

 さらにヘッジファンドは10月20日から28日にかけて売りを固めてくると予想します。売りは11月15日まで続いてもおかしくないのですが、アメリカの選挙があるのでその前に益出しをしようという投資家が多いので、早めに売りに動くと思われます。


日本への流入が拡大するサウジアラビア資金

 

 今、一番足の長い投資をしているのはCIC(中国投資公司)ですが、現在は外国為替管理局から資金の流入はあまりありません。経常黒字が続くようになれば政府は外国為替のポジションを拡大しますが、現在は貿易に力がなくなり経常収支がぎりぎりの状態なので、新たな外貨は積み上がりません。日本株を動かすことでよく話題になるオムニバスアカウントも、この外貨準備が増えた分が投資に向かうのです。この外貨が増えていない以上、CICの外国資産の部門には資金が入りません。

 しかし今年前半、外債が値上がりし、全体の30%と決められている外債保有率が38.6%に達したので、超過分の約3兆円を株に回したCICはマーケットに大きな影響を与えました。CICは、スペイン、イタリアの株を購入したのです。スペイン、イタリアの株価が6月から9月にかけて40%上昇したのは、このCICの動きが背景にあったのです。10年先を考えてスペインやイタリアが潰れているわけはないという考えの下、中心となる株をどんどん購入した結果、スペイン、イタリアの株価は大きく上昇したのです。

 また、その資金でブラジル、メキシコなどのインフラ関連株も買っています。ブラジルのバス会社や航空会社など交通インフラを中心に買い、それらの株価は急上昇しました。この影響で、日本のバス、トラックなどの部品メーカーも買われ、株価の上昇につながっていると言えます。

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 もう一つ資金を持っているのがサウジアラビアです。そのサウジアラビアが毎月、日本の資産を買っています。特にREITを買っています。サウジアラビアは今年運用額が非常に増えています。2008年9月に4800億円だったサウジアラビアのソブリンウェルスファンドは、現在100倍の45兆円に膨らみました。今年は6兆円入ってきていて、6月から8月の間には2兆円が、9月にはおそらく1兆円以上が増え、刻々と資産が殖えている状況です。

 その資産のうち、現在の日本資産は31%という驚くほど高い割合を占めています。サウジアラビアは日本にとって最大の石油輸出国で、日本からもらった貿易黒字を部分的に返還するとすれば何兆という額になり、もともと25%ほどの割合で日本の資産を買ってくれていました。それが今年はさらに31%という高い割合に増えたのです。これは、サウジアラビアから日本は液化天然ガスも買うようになったことで、一年間に6兆円も黒字が増えたからです。これによって、さらに日本に資金を返す流れになったのです。

 また、日本はイランから輸入できる原油が大きく減ったことで、サウジアラビアからの輸入を増やさなくてはならなくなった状況も重なりました。結果として、6月から8月の3ヵ月間で、サウジアラビアは日本の資産を6000億円買ったのです。これは日本株が一番厳しい時の大きな救いになりました。

 さらにその資金の10%がREITに入っています。特に耐震マンションなど値が下がりにくいリテールの入ったものを買っているほか、改善を見せるオフィス賃貸料や賃貸利回りを受けてオフィス関連にも投資しています。彼らは東京という都市自体も非常に評価しています。先日IMFで財務省長官が来日した際にも、REITの専門家が東京駅を視察して非常に高い評価をして帰りました。東京は未だに人口が世界2位であり、3位の北京を引き離しています。その割に不動産価格ではロンドンなどと比べて低く、明らかに割安と言えるので、そこが評価されているのです。

 ただしサウジアラビアには弱点があります。それは原油価格です。原油価格が急騰した場合、100ドルを超えるようになると必ず原油価格は下がるので、暴落を恐れて資金を引き上げ現金化するか、何もせずに待つという行動に出ます。一方、85ドルを割った場合にはさらに暴落の危険を感じて動きが止まってしまうのです。85ドル以下と100ドル以上は冬眠期で、その間の価格であれば活発に動くという特徴があるので、原油価格も参考にして投資のタイミングを考えるのもよい方法と言えるでしょう。


講師紹介

宮島 秀直

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師

パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ株式会社
代表取締役 兼 チーフストラテジスト

宮島 秀直

10月24日に撮影したコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。

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