2012/12/12(水)「厚生年金・社会保障の岐路(大前研一)」資産形成力養成講座

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厚生年金・社会保障の岐路(大前研一)

厚年基金廃止に大半の委員が賛成、社会保障給付費は前年度比3兆6272億円増

 

 厚生年金基金制度の廃止を議論する厚生労働省の専門委員会では、大半の委員が廃止に賛成しました。運用難によって積み立て不足解消の見通しが立たず、国に代わって運用している分の損失拡大を食い止めたいということです。

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 厚生年金の純資産が、国に替わって基金が運用している公的年金の一部に満たない状態を「代行割れ」と言いますが、これが非常に増えています。積み立て不足は兆単位で出て来てしまっているので、これを返そうというのが今回の議論です。しかしどこに返しても今の低金利では運用の方法がありません。もともと年金は5.5%で回らないと成り立たない設計になっているからです。現在は、1%、2%という状態なので成立するわけがないのです。株価も上がっていないので株へ投資するわけにもいきません。年金そのものが破綻してしまうのは当然です。いろいろな制度の年金がありますが、どこを見てもこのような状況になっています。

 また、国立社会保障・人口問題研究所によると、2010年度の社会保障給付費が、前年度から3兆6272億円増加し、103兆4879億円となり、初めて100兆円を突破しました。一方で、社会保険料や公費などの社会保障財源は、10兆6714億円減少し、112兆1707億円となりました。財源に見合った給付の抑制が急務となっています。

 これは非常に難しい問題です。野田内閣は一体改革と言いましたが、この部分は手を付けていません。給付費を機能別にみると高齢者や保健医療が伸びているほか、遺族年金や家族手当など社会保障給付はどんどん増えてきています。

 一方、財源を項目別に見ると、保険、事業主の負担に加えて公的な負担の部分が大きく膨らんでいます。これが、税金、または借金で補われているのです。本来なら保険料、事業主負担で成り立つべきで、公的な部分はゼロでなくてはならないはずです。

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 財源は足りないので公的に補いますが、もらう方は絶対に少なくなることを許さないとなると、出ていくばかりで積み立ては足りなくなるのです。この問題は基本的には支払いを減らして積み立てを増やすことが必要で、税金でやっていくことはほとんど不可能です。

 野田総理は消費税を上げて財源にするとしていますがそれでは間に合いません。消費税を1%上げたところで2.5兆円です。この一年間で10兆円も財源不足になっているので、この1年分でも4%消費税を上げないといけない計算となり、これが毎年上がっていくのです。高齢化社会はそのくらい加速度的に財政がおかしくなるのです。これは今の日本の制度では維持できません。人々は約束通りの支払いを受けるのは当然の権利と思っていますが、自分が積み立てたものではないので、本当にそれが当然なのか考える必要があるでしょう。


資金移動業の市場規模 約440億円

 

 銀行を使わない海外への送金が急拡大しています。金融庁がまとめた統計では、2011年度の資金移動業の市場規模は、約440億円となり、前年比3倍に拡大しました。銀行以外の事業会社が送金業務に参入できるようにした規制緩和から2年半が経過し、ノンバンクや海外の大手送金業者の参入が相次いでいます。2012年度はさらに2倍に拡大する見通しです。

 日本の場合、特に銀行の送金は手数料が高く、マネーロンダリングなどを警戒して送金の目的などを詳しく記す必要があり、手間もかかります。しかし、海外では、スマホで送金し、番号を相手に教えると銀行で受け取れるというサービスが普通に行われています。移民労働者の多いところは、母国に銀行がないところもあり、こうした便利なサービスが広まっています。その流れが日本にもやって来たということでしょう。

 小口の資金だけなら、ロンダリングなどを恐れる必要もありませんし、生活に必要なレベルの物なら、別のルールで手軽に送れるようにするべきです。その方向に少し動き始めたのはよいことだと思います。


日銀も外部の新鮮な血を導入せよ ~英FT~

 

 英紙フィナンシャルタイムズは、日銀も外部の新鮮な血を導入せよと題する記事を掲載しました。イギリス政府が、中央銀行総裁にカナダ人のマーク・カーニー氏を任命したことを取り上げ、日銀は15年間デフレ退治に失敗してきたのでなにか新鮮な考えを示すべきだとしました。そして、安倍元首相の主張するインフレ目標の設定、日銀総裁に目標達成の責任を負わせるという発想を高く評価しました。

 海外では安倍氏なら何かやるかもしれないという評価が多く聞かれますが、この記事自体には皮肉も含まれています。カナダからイギリスの銀行総裁が来る時代、イギリスの副総裁が余るのでこの人を日本で雇ってはどうかというトーンで書かれたものなのです。

 かつてニュージーランドでは、中央銀行の総裁を国内に限らずに世界中からふさわしい人を選ぶという規制緩和をしました。中央銀行総裁はインフレを2%以内に押さえなくてはいけませんが、国内だけでなく世界中から選出し、イギリスから来たこともありました。中央銀行総裁についてはマリオ・ドラギECB総裁のような人物をどんどん採用すべきです。白川日銀総裁は周りからたたかれて苦しそうにしている姿を見ると、頼りなくもっと自信を持ってやってほしいと感じます。


世界情勢を探る エジプト・アルゼンチン・中国

 

 エジプトでは、モルシ大統領の権限を大幅に強化する憲法令に反対するデモが、数万人規模に拡大する事態が起きました。

 裁判所の権限を制限して、大統領に対して憲法違反を指摘できなくさせるというもので、実現すればムバラク政権と変わらない権限を大統領が握ることになります。モルシ大統領はイスラム原理主義でも過激ではないとされていますが、何故権限を強化したいのか説明していません。権限強化だけを主張したので反乱が起こりつつあるのです。様子を見ないとよくわかりませんが、エジプトは失業者が多いので、何か不満があると街中に出て来てしまうこともデモが広がる一因でしょう。

 またアルゼンチンですが、フィッチレーティングスが長期債務格付けをシングルBからダブルCに引き下げ、デフォルトに陥る可能性を指摘しました。アルゼンチンは10年前にもデフォルトしていますが、やや回復し負債を3割ほど返すとして上向いていましたが、やはり情勢は厳しいようです。主要国の格付けをみると、ギリシャのトリプルCに次いでデフォルトの危機が迫っていて、アルゼンチンも要注意と言えそうです。

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 中国では上海総合指数が先月27日に、約3年10ヵ月ぶりに終値ベースで2000を下回りました。中国の問題は企業部門の債務が大きすぎるということです。対GDP比で見ると、企業部門だけでGDPの100%を超えています。日本で言えば、500兆円を超える債務を企業部門が持っているということで、あり得ないレベルです。極めて危険な状況であり、最後には政府が狂ったように金を印刷するしかないのだろうと思います。


講師紹介

大前 研一

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長

大前 研一

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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