2013/02/13(水)「貿易収支赤字へ(大前研一)」資産形成力養成講座

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貿易収支赤字へ(大前研一)

2012年の貿易収支 6兆9273億円赤字

 

 2012年の貿易収支は6兆9273億円の赤字となりました。歴史的な円高に加え、世界経済の低迷や日中関係の悪化で輸出が落ち込む一方、原発の運転停止に伴い、火力発電所向けの燃料輸入が膨らんだことが要因と言われています。しかし、もちろん円高も加速要因ではありますが、日本から製造業が出て行ってしまい、アメリカ化していることが背景にあるのです。

 日本のアメリカ化については、4年以上前から雑誌などに書いてきましたが、避けられない問題だと思います。しかし、アメリカのように新しい産業が次々出てくるところでは何とかなるものの、日本のように製造業以外には国際的に強みがないところでは、致命傷になる可能性があります。

 貿易収支の推移を見ると輸出と輸入が拮抗していて、まだそれほど深刻な状態ではないように見えますが、収支の足りない部分が10%になると今回の6兆円という規模の赤字になるので、シリアスに捉える必要があります。

 赤字になる一つの理由は燃料輸入です。日本において、もともと燃料は輸入に依存していましたが、原子力を30%以上にしたことで輸入を抑えていました。現在は再び輸入が増えてきています。さらに、為替が円安に振れることで輸入額がさらに大きくなるという問題があります。

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 貿易相手国別に見ると、アメリカが依然として非常に有力な貿易黒字の相手国です。中国はマイナスですが、この大半は日本企業が中国で生産するために部品や機械を持ち込むことによるものです。ASEAN、EUとの間ではずっと黒字でしたが、現在はほとんど中立となっています。まとめると、アメリカがプラスで、中国がマイナス、その他は中立ということですが、中国に行った物の一部は、中国を経由してアメリカで売られるので、日本にとってアメリカが世界最大のお客であることは変わりないと言えます。


製造業の就業者数 998万人(2012年12月)

 

 2012年12月の製造業の就業者数が、前年同月比35万人減少の998万人となり、51年ぶりに1000万人を下回りました。雇用がどんどん海外に出て行ったという背景もありますが、企業が非常に臆病になっていて雇用を増やさないという問題もあります。特に民主党政権の頃に派遣問題などがあり、雇用法が硬直化しました。非正規社員が認められなくなると、正規社員は増やしたくないので海外に出て行くことにつながります。さらに電力が足りないことも海外への移転につながります。

 日本の製造業就業者推移を見ると、ピークは90年代でそこから減り続けています。毎年約30万人ずつ製造業就業者は減少しているのです。

 民主党の認識では、日本は失業が大変な問題であったので、雇用促進のためのバラマキなどをしました。しかし実は今、足りないのは人なのです。今後アベノミクスで経済が急拡大して、急遽生産が増えて人が必要となってきても、人が足りないのです。それによって供給不足になるという状況が一部の業界では既に起こっています。それにも関わらず、一方では大規模なリストラが起きています。人が足りないところもあれば余っているところもあるのに、うまく移動できないという状況です。もっと俯瞰して状況を見る政治家が必要なのです。企業は電気もなく、人件費も高く、雇用も硬直した日本では、リストラをして海外へ行ってしまおうという考えになっても当然なのです。


2012年の給料総額 月平均31万4236円 前年比0.6%減

 

 2012年の毎月勤労統計によると、残業代やボーナスを含む給料の総額は、前年比0.6%減少の月平均31万4236円となり、さかのぼれる1990年以降、最低水準となりました。

 私は日本のピークは1996年から97年だと考えていますが、この平均月間現金給与総額のグラフも全くその通りとなっています。ピーク時には37万円程度だったものが、今では31万円を切ってしまったということで、年俸にすると360万です。日本の全体の給与はこの10年間で、一人平均年100万円減ってしまったことになります。これが実態です。

 ただ、給与が減ったことで飢えている人やホームレスは増えていません。理由はセーフティネットがちゃんと機能していることもありますが、大きなものとしてはデフレです。デフレによって物価が安くなっていて、安いものの選択肢もとても増えています。マクドナルドを食べるのも良いし、お惣菜やコンビニ弁当を組み合わせてなんとか生きていけるということです。

 しかし、これは人生を楽しむという余裕のある生活ではなく、先進国日本にいながらこうした生活で良いのかと疑問です。そもそも先進国の中で10年間で100万円も給料が下がった国など他にはありません。他の国は給料が上がっているか、二極化しているのです。日本の場合は揃って皆が下がっているという状況なのです。収入が1000万円の人も、400万円の人も、あらゆる収入セグメントで給料が100万円下がっているのです。

 こうしたとんでもない給与所得の減少が起きている上に、リストラの危機も迫っています。企業は日本で給料が高くなれば海外に出て行ってしまうので、所得が高くなりようがありません。

 こうした事態に対してアベノミクスが効果を発揮するとは考えられません。アベノミクスはマクロ経済が中心なので、金融と財政にフォーカスしています。給与そのものが増えていくということはやはり、企業の収益構造自体が変わってこないと難しいのです。企業の収益構造が変化し、労働分配率からみて給料が上がらざるを得ないという流れになるべきですが、現在は全くそこには届きません。一見好調に見えるアベノミクスによる経済効果ですが、表面的なものに過ぎないのです。本来は個人個人の懐にまで到達するような政策を打たなくてはならないのだと思います。


一般会計総額 92兆6115億円 前年度比0.3%減

 

 政府は2013年度予算案を閣議決定しましたが、一般会計総額は、前年度比0.3%減少の92兆6115億円となり、7年ぶりに前年度を下回りました。新規国債発行額も前年度から減少しました。とは言っても、今回は補正予算と組み合わせた15ヵ月予算を作っているので、単年度で見て減ったと言うのはイカサマだと言えるでしょう。

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 安倍政権は最重要課題とする景気のてこ入れに軸足を置いた予算としていますが、アベノミクスについては、マイケル・シューマンがタイム紙に批判的な記事を書いています。「狙いの定まらない大砲がいろいろなところで迷走している」と表現し、安倍首相の問題は外交問題と言われていますが、そうではなく、アベノミクスという政策が問題だとして、どうなるか分からない危険なものだと批判しています。日本では円安が進み株価が上がったことから、アベノミクス礼賛となっていますが、アベノミクスは非常に古い経済学に基づいたもので、現実的な成果を生むということはまず考えられないのです。

 安倍首相は暗かった日本を明るくしてくれたということで国内では評判はよいわけですが、首相になる前に主張していた中国や韓国との問題については急に封印しています。また、日銀に対しても急速に態度を和らげ、国会などで見ると以前言っていたことと随分違うと感じます。 


講師紹介

大前 研一

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長

大前 研一

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資産形成力養成講座 加藤

 

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今週のグローバルマネー・ジャーナル、いかがでしたでしょうか。

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世界経済が緩やかな回復を見え始めた今、新しいフェーズに向かおうとしています。生涯重要になるファイナンシャルリテラシーを高めておく時期ではないでしょうか?

それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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