2013/03/27(水)「ユーロ各国の離脱不安は今後も続くのか?(宮島秀直)」資産形成力養成講座

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ユーロ各国の離脱不安は今後も続くのか?(宮島秀直)

ユーロ各国の離脱不安は今後も続くのか?

 

 【受講生からの質問】

 ギリシャ・イタリア等、ユーロの中に留まるか、離脱するか、選挙において議論されつつあります。ECBは国債の無制限買い入れを示唆していますが、各国での選挙結果によるユーロ離脱不安は今後もリスクになり続けますでしょうか?


 【宮島講師からの回答】

 ユーロの危機が峠を越えたという見方が、アメリカ、アジア、日本で強まっています。しかしヨーロッパでは依然としてそうではありません。震源地であり、地合を良く知るヨーロッパの投資家を中心にアンケートをとったところ、不安な要素が多く挙げられました。

 まず、緊縮財政政策が強化されるかという質問に対し、半数近くの47.1%が弱体化すると答えました。例えばイタリアは今回の選挙で、民主右派、モンティー派、民主左派、五つ星運動が議席を分けました。これだけの党派があれば、通常は2つくらい仲の良いところがあるものですが、全て仲が悪いのです。つまり連立ができない状況なので、もう一度選挙をしても最悪な結果が予想され、イタリアでは暫定政権が続くことになります。しかし上院で54議席、下院で161議席を持つ五つ星運動が暫定政権を認めない姿勢を示しています。このまま反対すれば、暫定政権すらできない事態が予想されるのです。

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 問題となるのは、イタリアの国債に対しヘッジファンドが攻撃を仕掛けて、金利が5.5%や6%といった水準に上がった時です。イタリアは直ちにECBに対してOMT(国債の無制限買い入れ)を要求することになるのですが、この要求はイタリアの首相が出さなくてはならないのです。暫定政権がなければOMTを要請する首相がいないことになってしまいます。ナポリターノ大統領はいますが、名ばかりで権限は持っていないのでOMTを要請することはもちろんできません。暫定政権ができなければ、イタリアは目の前で国債が売られるのを見ているしかないのです。

 ただし、うまくいけば五つ星運動が他の派と少しずつ歩み寄り、意見の調整をして暫定政権を作ることになる可能性もあります。ただ、五つ星運動は今のところ他の派と与する気はないとしているので、予断を許さない状況です。

 マーケットはこの状況を甘く見ていると言えるでしょう。先日のキプロスの支援問題によって日経平均株価は300円下げたわけですが、今後イタリアで五つ星運動が協力を拒み暫定政権を拒否しつづけた場合には、一段と下げる場面が想定されるので注意しておいた方がよいでしょう。

 この問題が深刻化する時期は4月です。イタリアでは4月に1ヵ月間で過去10年間でも最高規模の借り換えが起こります。国債の借り換えが起こる時に暫定政権ができていなければ、当然ヘッジファンドがそのタイミングを使って大きく売りにきます。無防備に売られて大きく下がった場合、その時に五つ星運動がどう反応するかが重要です。国を守るためなら、と一肌脱ぎ、暫定政権を認めればよいでしょう。しかし、おそらくECBから借金をしたら後々税金を払うのは国民自身だというような理屈をこねて、最後まで動かない可能性も高いでしょう。もし一向に譲らなければ、とんでもないことも起こりうると考えておくべきです。

 また、社会不安は拡大するかとの質問に対し、世界で活躍するファンドマネジャーの60%以上が社会不安は増幅すると回答しました。イタリアの選挙結果も社会不安の一つですが、フランスでも問題があります。オランド大統領が大統領府から車に乗り込む時に、暴徒が駆け寄りオランド大統領に殴り掛かるという事件がありました。フランス国民の間では、年金が縮小し退職金の支払いが遅れる、賃金をカットされるといったことに対する怒りが爆発し、暴徒が現れたわけです。フランス国民が大統領を襲ったのは、1960年ポンピドー大統領以来のことです。

 国民はそれほどまでに抑圧された政策がとられていると感じているのです。私たちからすれば、税金は払いたくないが年金をよこせという国民の方が甘いのですが、ずっと社会主義だったフランスでは、税金を払ってこそ年金がもらえるということをきちんと分かっていない人々がいるのです。そうした実情をみて、ヨーロッパの社会不安の高まりにより暴動などが起こると考える投資家が多いのです。

 これらを背景に、ユーロを巡る期待、失望のサイクルは続くという見方も60%に上りました。去年7月のドラギ総裁の発言から異常な長さでブル相場が続いているので、ここで一旦折れる場面が出てくる可能性は高いと思います。


2013年のユーロ為替を占う

 

 【受講生からの質問】

 イタリアの政局不安定により、今後為替では、ユーロはどのように動くのでしょうか。


 【宮島講師からの回答】

 欧州保険会社への規制であるソルベンシー2の期間中は、ヨーロッパの投資家はおびただしい金額のレパトリエーションをしなくてはなりません。海外資産の中でリスクの高い資産を売り、ユーロに変えて自国に持ってくるわけです。その過程で、ユーロの買いが大量に発生します。去年も10月から12月にかけてユーロが買われましたが、これもレパトリエーションの影響と見られます。今後ヨーロッパの投資家が一番株を売ると思われるのが4月から6月なので、この間に海外資産を持ち帰ることから、4月からはユーロが上昇すると見てよいでしょう。

 一方イタリアの問題が爆発するとユーロは下がります。通常ならばイタリアがヨーロッパで3番目に大きな経済にもかかわらず、暫定政権もなく大きく金利が上がってしまった場合にはユーロの下落要因になります。

 しかし、それを補ってもあまりあるほどの10兆20兆規模のユーロが海外から帰ってくる可能性があるのです。その二つで、4月から6月のユーロは不自然に揉んで見える可能性が高いと思います。

 その後、7月から9月のユーロは若干売られますが、これは危機的な問題ではありません。レパトリエーションが一息つくことと、保険会社の売りがなくなって世界の株式市場が上がるのでユーロが下がるということです。その場合は危険があるわけではないので、下落は大したことはないでしょう。むしろ、4月からのもみ合いの方が、内部に大きな危険をはらんだ綱引きだと言えます。

 さらに注意が必要なのが来年以降です。来年1月1日にはソルベンシー2は終わっています。すると、しばらくの間はレパトリエーションでヨーロッパの金融機関がユーロを買うことはなくなってきます。そのときにフランスの国債格付けは2ノッチ下がっているかもしれません。そのギャップに対してヘッジファンドが反応し、ユーロを大量に売ってくる可能性があります。投資家の間では、1月1日が記念日となってユーロが大幅に下落するということが起こるかもしれないと言われています。


講師紹介

宮島 秀直

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師

パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ株式会社
代表取締役 兼 チーフストラテジスト

宮島 秀直

3月18日に撮影したコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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