2013/04/17(水)「日銀金融政策決定会合のキーワード「2」(福永博之)」資産形成力養成講座

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日銀金融政策決定会合のキーワード「2」(福永博之)

日銀金融政策決定会合におけるキーワード「2」

 

 4月3日、4日の日銀金融政策決定会合を受け、4月5日に長期金利は0.315%まで低下、過去最低利回りを更新しました。つまり債券価格が上昇しているということで、機関投資家が債券を多く買っているわけです。

 今回の会合では、数字の「2」がキーワードとなりました。日銀は、物価安定目標として前年比で上昇率2%を2年程度で達成するとしました。また、マネタリーベース、長期国債ETFの保有額を2年間で2倍にするとしました。こうしたことを受けて、日銀が債券を買うので債券価格は下がらないという見通しから、会合の結果が出た翌営業日に機関投資家が債券を買いに動き、0.315%まで利回りが低下したということなのです。あるシンクタンクの予測ではさらに利回りは下がるとも見られています。

 しかし一方で、最低利回りを更新した後には一旦利益を確保しようという動きが出て、債券は大きく値下がりしたのです。債券にも株のストップ高ストップ安のようなシステムがあり、これをサーキットブレーカーと言います。債券の場合は、価格が上下に1円動いたら一旦取引を止めるというルールになっています。また、このサーキットブレーカーは一度発動されると、2度目は倍の2円動いたときに取引を止めるという仕組みになっています。

 今回は一度1円下がって発動され、再び2円下がったので二度目のサーキットブレーカーが発動されました。合わせて3円、大幅に債券価格が下がったのです。債券市場はパニックにこそなりませんでしたが、この下げはある意味暴落と言えます。このようなことは過去にも珍しく、サーキットブレーカーの発動は2008年10月14日、リーマンショック以来のことです。

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 その後は持ち直し、利回りが低下している債券市場ですが、このような水準での推移が続けば債券で運用する価値がなくなるのではないかという懸念が浮上します。利回りが0になってしまえば、債券価格には上昇の余地がありません。債券先物は6%が前提で運用しているので価格が形成されるのですが、実際に利回りがここまで低下すると生損保などが運用するリターンが期待できなくなってしまいます。日銀が債券を買うことによって、必然的に運用している機関投資家が日本国債では運用が成り立たなくなるのです。

 そこで、円安になってきていることもあり、機関投資家が日本国債を売り、外国債券に投資する可能性が高まってきます。ただし、機関投資家が売っても日銀が買うので、日本国債の価格は保たれます。このように機関投資家が日本国債を売って外国債券を買うことになると、円を売ってドルを買うので更なる円安に繋がると考えられるのです。

 日銀は2年間で2%のインフレを目標にした金融緩和として、国債を買ってお金を市中に流し、マネタリーベースで銀行に貸し出すお金も増やすということを言っています。しかし、実際の実需で円を売ったりドルを買ったりお金が動かないと絵に書いた餅になってしまいます。価格を支えて金利を低下させ機関投資家を運用難にさせることによって、日銀は外債に投資が向かうことを促しているとも言えるのです。強制はしないものの、運用の魅力がないことで自然と外債にお金が向かうのです。これは介入と同じようなことであり、円安を保つことができるのです。なおかつ先物やFXなどではなく、実需のお金が流れるので、実際に市中にお金が流れて円が売られるということです。

 日本から海外へのお金のシフトが起こることで更に円安になり、製造業にとっては円安効果が続くことになります。それを利用してうまく競争力を付けることができれば、日本株がまだまだ買われるという期待も一段と高まると言えます。

 これまでの日銀は、金融緩和は効果がないと言ってきたのですが、大きく方針転換をしたことによって実際に大きな効果に繋がるのか、投資家目線でしっかりと見て資産配分を考えていく必要があるでしょう。


上昇相場で見るべきテクニカル指標とは?

 

 日経平均のチャートを見てみましょう。上昇が続く中、どこで買っていいのか分からないという声をよく聞きます。こういう時の買いのポイントは、どのようなチャートを使うかです。

 MACDというチャートはオシレーター系といわれる上下の振幅でタイミングを測るものですが、これは売りシグナルがいろいろなところに出てくるのでこのような場合にはとても不向きです。こうしたときにポイントになるのはトレンド系のチャートを見ることで、ボリンジャーバンドの+σ(シグマ)のラインを抜いたら買うというような手法です。トレンドというのは安値を更新しないからこそ上昇トレンドがあるのです。高値を更新したり、直近の高値を抜いたりすればトレンドが上向いていることの示唆になります。

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 上がっているところを買うという強気の考え方もありますし、一方、下げた後に戻し始めたら買うという考え方もあります。その時の基準になるのは5本線あるボリンジャーバンドのうち、真ん中の移動平均線や+σの線なのです。そこまで下がってきて反発したところを買っていけば基本的にはトレンドは上向きですから、仮に戻りが鈍い場合でも少し時間が経てば上がってくるので、右肩上がりの相場に付いていけるというということになります。

 注意するのは高くなりすぎたところです。ボリンジャーバンドで+2σを超えているところなど勢いはいいのですが、持っている人は売らなくてもよいものの、買ってしまうとすごく長い上ひげになっているところもあるので高値づかみをしてしまう可能性があります。また、ボリンジャーバンドの真ん中を割り込んでしまった時なども買うのは様子を見た方がよいでしょう。その後に反発してきたところを買えばよいのです。さらに、高くなり過ぎのところを買わないようにするためには移動平均線との乖離率も参考になります。52週移動平均線との乖離が30%を超えてきた時は警戒信号です。

 高値は買わず、でも相場が上昇してしまうという状況になると心理的にはどうしようかと焦り、迷ってしまうものですが、可能ならこのように上昇トレンドができる前に上向いた段階で付いていくというのが一番のポイントです。上昇トレンドができてかなり高くなっている時には、やはり短期的な考え方で買って利益が出たら一旦売るという利益確保を優先するやり方をしていかないと危険と言えます。


講師紹介

福永 博之

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
株式会社インベストラスト 代表取締役
IFTA国際検定テクニカルアナリスト

福永 博之

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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