2013/08/21(水)「不安定な中国経済(大前研一)」資産形成力養成講座

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不安定な中国経済(大前研一)

中国シャドーバンキングと所得格差

 

 中国の国務院は、中小零細企業約600万社に対して、商品の販売やサービスにかかる付加価値税を8月1日から免除します。中国に進出する日本企業が免税対象になるかどうかは不透明です。また中国国家審計署はこのほど、国務院の要請により全ての政府債務について監査を行う方針を明らかにしました。

 今、中国当局は、監査と免除の日替わりメニューのような方針を打ち出しています。少しのことでその手前で潰れてしまってはもったいないと思います。日本も、その手前で山一証券や三洋証券がつぶれてしまい、その後の長銀や日債銀は国がお金を大量に突っ込んで守るという方針で来てしまいました。今ちょうど中国はそうした状況で、とても大胆に600万社も対象にして付加価値税を免除し、零細企業の救済をしようとしています。またその一方で、すべての政府債務に監査を実施するとしています。政府債務は、地方自治体の債務まで含めると、地方自治体が設立した、いわゆる開発会社にも監査がおよび、シャドーバンキングの元凶となっているこうした会社の監査によって、おそらく350兆円ほどのとてつもない量の裏口のお金が流れていることが見えてくるでしょう。

 シャドーバンキングは個人から見ると、銀行に預けると3.5%なのに、裏側で預けると7%となり、おいしい預け先になっています。ところが借りる側からすると6%、ものによっては10%もの金利を背負うことになり、計算上は返すことが不可能です。したがってどこかで方程式が崩れてしまい、日本と同じような破綻の道を歩むことになってくるはずです。これはいつ起こってもおかしくない状況であり、今更監査をしてみたところで飛び降りられないような高さになっていると、結局は日本の90年代半ばのようにフリーズしてしまい、そのままズルズルと景気が後退していく状況に陥っていく可能性が非常に高いと思います。

 また、北京大学が3日にまとめた調査結果によると、中国都市部の最富裕層上位5%と最貧困層下位5%の世帯年収を比較したところ、242倍の格差が存在し、格差の幅も急速に拡大していることが分かりました。貧しい人は豊かになっていないわけです。鄧小平氏は、先に豊かになる人はなりなさい、貧しい人は追いつけばよいと言ったのですが、そうはならず、持てる人がさらに持つというアメリカ型社会とも言える状況となりました。

 そもそも、格差のない社会を実現するはずの共産主義体制下において、皆で富を分配しよう、共同で働き共同でシェアしようという動きであったのに、むしろ格差が広がったわけです。特に改革開放以降、その矛盾がさらに広がり、後ろの方で待っている人達に対する救済が追いつかないという状況です。このことは、今後革命が起こるという事態を招きかねません。7億人、8億人とも言われる置き去りにされた人たちがフラストレーションを爆発させるという危険性が非常にあるわけです。

 胡錦濤氏は非常にこの事を気にしていて、和諧社会、つまり貧富の差を縮めるということをスローガンとしていました。しかし、習近平氏の新しい政府は、腐敗の撲滅や倹約をかかげ、官僚その他に贅沢を見かけだけでも慎んでもらい、貧しい人たちの怒りをかわないようにするやり方のようです。

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 中国の貧富の差がひどいと言いますが、世の中にはもっとひどい国がたくさんあります。所得上位10%の層の総所得に占める割合を見ると、上位10%で5割を超えてしまう南アフリカのような国もあります。中国は30%なので、 統計手法によっては、189カ国から見ると上の方ではありますが最悪ではないといえます。一方、下位10%の層の総所得に占める割合を見ると、ホンジュラスは0.5%にも達しません。中国もあまりよくはなく、下位10%の人の分が1.5%という状況です。日本はどちらも上位には出てきません。M型社会になり、貧富の格差は広がって来てはいるものの、日本の場合は統計では優秀な北欧型の分布となっています。


ソフトウエア開発各社が中国拠点見直し ~日経新聞~

 

 日経新聞が先月27日報じたところによりますと、ソフトウェア各社が中国での開発を相次いで見直していることがわかりました。人件費の高騰により、コスト低減効果が小さくなってきているためで、日本国内への回帰の動きも出ているということです。

 少し極端な記事であり、大きな流れとは言えないものの、やはり、今日本は非常に人手不足の状況なのです。例えば工事をしようとしても人がいないために受注できないケースが多く出てきています。

 開発については、例えばビックデータを分析し構築するには、情報通信技術に強い人が必要なわけですが、国内にはなかなかおらず、どうしても海外に行かざるを得ないのです。その進出先が、今までは日本語がわかる中国だったのですが、インドの方がソフトウェアのエンジニアが多く、また、フィリピンはインドよりもさらに安い値段なので、英語で大丈夫ならフィリピンも候補となってきています。

 中国が圧倒的な優位性を失いつつあると言うことは事実です。中国政府の場合には人件費をどんどん上げでいかないと、先に豊かになった人も不幸になってしまいます。中国では多くの人が、住宅や車を買うために膨大な借金を抱えています。この借金はかつての日本と同じように昇進と昇給を前提として返済するプランになっています。昇進も昇給もなくなった場合には、ほとんどの人が破産してしまうのです。ですから中国の場合には給料が上がらないというオプションは、すでに豊かになった人でも考えられないわけです。あまりにもナイーブに給与が毎年15%ずつ上がるということをやってきたので、それが破綻の原因となるのです。

 日本は昇進と昇給が難しくなって20年、よく持ち堪えているという意味では、低成長軟着陸の中、世界の模範となるようなモデルだといえます。しかし中国ではこれが暴動となり、政府を揺るがすような事態を引き起こすことになりかねません。その兆しがこうしたところにも出ているわけです。

 開発の各社は日本に回帰するというよりも、フィリピンやインドに分散していくことになるでしょう。コストが同等だったとしても、日本には絶対数が足りないうえに、能力的にも日本のIT技術者はインドの技術者と比べて非常に劣っているのです。アメリカの先端的な技術を使って、時間と性能をギリギリまで絞り受注しているインドと比べ日本は開発力が弱く、ストレートに日本に帰ってくるとは思えません。


講師紹介

大前 研一

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長

大前 研一

8月4日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。

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資産形成力養成講座 加藤

 

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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