2013/10/03(木)「シェールガス「革命」による変化とは?(近藤雅世)」資産形成力養成講座

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シェールガス「革命」による変化とは?(近藤雅世)

シェールガス「革命」による変化とは?

 

 現在歴史的な産業革命に匹敵する技術開発は2つあると思う。ひとつは3Dプリンターであり、製造過程を根本的に替えてしまう革命であるが、もう一つはエネルギー分野で生じているシェール革命である。シェールガスやオイルは、天然資源の新しい採掘方法であるばかりでなく、既存の産業構造を一変させてしまう要素を持っているからこそシェールガス「革命」と呼ばれている。それは一体何かというと、まずシェールガスやシェールオイルが既存の天然ガスや原油とどのように違うかを説明する。

 地中から出てくる天然ガスや原油は従来のものと組成が変わっているわけではない。採掘方法が異なるのである。それには2つの技術発展があった。ひとつは縦に彫り込んだパイプを途中から水平に曲げて掘削する技術が確立したこと、もうひとつは水を高圧で注入し、いわゆる根源岩から天然ガスや原油を強制的に取り出すという技術である。これまでの原油は背斜構造に溜まったものを自噴させる仕組みであったが、シェールガス・オイルは自噴ではなく、強制抽出である。そのため、毎月新しい井戸を掘って水を注入しなければ生産量を維持できないという弱点を抱える。ついでに弱点を言っておくと、水と共に化学物質を注入するが、その処理を地下でどうするかという地下水汚染の問題がある。また、世界最大のシェールガス資源国である中国では高地に存在するので、水源の問題がある。元来中国は水不足に悩んでいる国である。

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 シェールガス・オイルは、中国の他、アルゼンチンやロシア等にも豊富に存在するが、開発に着手しているのは米国で、この新しい資源開発がもたらした効果はもっぱら米国に表れている。

 たとえば、米国の原油生産量は、1970年10月3億104万バレルを生産した時がピークであり、その後減少して、2011年2月には1億5238万バレルまで減少していた。しかし、シェールオイルの発見・開発により、今年6月には2億1630万まで回復し、その増産の速度は、2013年の生産量が前年比日量100万バレル増加するほど急ピッチで増加している。日量100万バレルがどれほど大きな数字かというと、2013年の世界全体の需要の伸びは前年比日量89万バレルと予測されており(OPECによる)世界の需要の伸び全部をアメリカ一ヵ国で生産してしまうので、OPECは減産しないと需給がバランスしないという状況になっている。

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 米国は2015年にロシアを抜き世界最大の天然ガス生産国に、2017年にはサウジアラビアを抜き、世界最大の原油生産国になるという。そのため、最近のオバマ政権は中近東にそれほど強い思い入れは無い。ブッシュ前政権がサウジアラビアを中心とした石油閥が背後にあったが、オバマ大統領はもっぱら天然ガスの生産を重視しており、中近東依存度は月を追って低下するばかりである。そのことは中近東に派遣されている第七艦隊等米軍の動きにも関連してくると思われ、ホルムズ海峡やジョホール海峡等のシーレーンは必要な人が守れば良いという考えになるかもしれない。

 更に、大きな産業構造の変化が見られるのは、

① 化学工業でナフサの代わりに天然ガス由来のエタンが原料となり、価格競争力で米国の化学工業が復活するだろう。
② 鉄鋼生産に使うコークスは天然ガスに代わり、米国の製鉄業の価格競争力が増すであろう。
③ 米国内で、天然ガス関連の機械設備やインフラ需要が出るので2035年までに2052億ドルの需要が創出されると全米ガス協会は試算している。
④ その他関連設備等の需要で米国に320万人の雇用が産まれるという。
⑤ 発電は、これまでの石炭火力や原子力、再生可能エネルギーに代わって天然ガスが主流となり、CO2の排出も少ないので環境に優しく電力料金が安くなる。
⑥ 安い電力を使ってアルミ精錬や銅精錬等の競争力が増すだろう。
⑦ 米国は今後数年で原油や天然ガス輸入が少なくなるため貿易赤字が解消し、景気が良くなり、これまで安い人件費を求めて発展途上国に移転していた製造業が米国に復帰するだろう。

今世紀はシェール革命により、米国の時代が訪れるものと思われる。


講師紹介

近藤 雅世

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長

近藤 雅世

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