2013/10/09(水)「今後の米経済成長率の行方は?(西岡純子)」資産形成力養成講座

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今後の米経済成長率の行方は?(西岡純子)

今後の米経済成長率の行方は?

 

 米経済の成長率は2012年2.8%でしたが、今後についてRBS証券では2013年は1.5%、そして2014年については2.2%と予測しています。リーマンショックの前までは、アメリカ経済は少なくとも3%を上回っているのが当たり前でした。2%を下回る成長というと、かつては景気減速を印象づけたものです。しかし、足元ではこの低成長が定着してしまっており、いかにリーマンショックの傷が深いかが分かります。

この上がらない成長率の足を引っ張っているのは何かというと、目に見えてマイナスとなっている項目があるわけではなく、国内の民間需要が全体として伸びにくくなっていることが理由です。つまり、個人消費や設備投資が伸びていないのです。個人消費と設備投資を足すと、アメリカのGDPの8割以上を占めるので、これが本格回復をしない限り、アメリカの高い成長率は戻らないと思われます。

 では、なぜアメリカの内需は盛り上がらないのでしょうか。リーマンショック前までのアメリカ経済を力強く牽引していたのは、レバレッジの拡大でした。つまり手元に持っているお金以上の金額を金融機関から借りて、それを原資に消費や投資をするというのがリーマンショック前までの成長パターンでした。しかし、金融危機以降、金融機関は与信を非常にタイトにしているところであり、住宅市場がなかなか回復しないことが、アメリカ経済が抱えている構造的な問題と言えます。これが解消しない限りは、アメリカ経済は成長しても低い成長にとどまってしまうと考えられます。


米国の重要指標 住宅に注視せよ

 

 アメリカの成長率を考える上で、住宅は非常に重要な要素です。アメリカでは個人消費の動向を見る上で、住宅価格の伸びが非常に大きな鍵を握るのです。住宅価格が上昇した分を担保に借り入れをし、その借り入れで消費や投資を増やすことがアメリカの成長ドライバーだったからです。住宅価格の上昇がなければ、アメリカの成長率が個人消費主導で再び勢いよく上昇するようなことは展望しにくいわけです。

 実際に、住宅着工と住宅投資の推移をグラフで見ると、やはりリーマンショックで大きく落ち込んだ後、アメリカの緩和的な金融政策が功を奏し、金利が大きく下がったことにより、住宅投資や販売個数着工件数も幾分回復しました。ただ、リーマンショック前の水準にはまだ届いていません。FRBとしてはいち早く、せめて2000年代前半の水準に戻って欲しいところですが、ここに来てどうしても金利の上昇が住宅市場の本格回復に対して足かせになっているのです。

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 9月のFOMCでFRBは、マーケットが予想していた緩和縮小に踏み切りませんでした。この理由として、まずは成長率の改善が非常に緩やかで、インフレ率の上昇も加速度的では無いことがあるものの、加えて、ここのところの金利の上昇があったと思われます。FRBのインフレ率と失業率の2指標を安定させることを目的に金融政策を運営していますが、今後、量的緩和政策の縮小がどういったペースで行われるかを読むためには、2指標に加えて事実上、「金利の上昇」が3つ目の指標として必要になったと言えるでしょう。

 実際に住宅価格の動きをグラフで見ると、家賃は2010年から上昇したものの、2012年には横ばいに転じています。またコアロジック社発表の住宅価格指数(逆目盛)と重ねて見ると、これまでは住宅価格が上昇し、事後的に家賃も回復してきたものの、ここに来て需要と供給のバランスがやや緩みつつあることが見て取れます。こうした指標は、住宅価格の伸びも年後半からやや減速する可能性を示唆しています。

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 また、住宅価格指数と中古住宅の在庫率(逆目盛)を重ねて見ると、住宅価格指数が上昇してきているにもかかわらず、在庫率は下げ止まっていて、需給が緩み始めていることが分かります。そうなるとすぐに価格にも反映されるので、今後の住宅市場は完全に回復する前に軟化する兆しがあると考えられます。

 住宅市場を考える上で、重要な要素が金利です。30年固定の住宅ローン金利は米国債金利と同じような動きではあるものの、米国債30年金利の3.8%近辺と比べると、住宅ローン金利は4%台後半まで上昇してきています。消費者は、さすがに金利負担の高まりを意識せざるを得ません。金利の先高感、コスト負担の高まりが意識されると、家計部門の住宅取得能力は下がります。ここでの住宅取得能力指数とは、住宅購入を考えるにあたり、所得、金利、与信などを総合的に捉えた指数で、これが改善すれば、住宅市場も改善しやすいわけですが、今後この指数は金利上昇の場合には悪化、金利が一定でも回復は一服すると予想されています。住宅市場が今後勢いよく回復する状況にはないことは、このグラフからも明らかです。

 さらに、建設コストの上昇も住宅価格減速の要因となっています。2012年から木材関連や建築用紙などの価格が上昇していて、これが、住宅販売価格に跳ね返ってしまっています。コモディティ価格が上がり、資材の価格上昇が過剰になると、FRBの緩和策が材料などの調達コストの上昇をもたらし、景気の後退に繋がるという皮肉な結果になりかねません。

 FRBとしては住宅市場、雇用市場がともに回復するのがベストであり、そうなれば迷うことなく緩和縮小を進めることになるわけですが、肝心な住宅市場が息切れしていることから、二の足を踏んでいるところなのだと思います。9月のFOMCで、市場が織り込んでいた緩和縮小を行わなかったというビッグサプライズとなったわけですが、これでFRBの金融政策が大きく変わったわけではありません。今は本格回復ではないので、急いで緩和縮小をする必要はないものの、来年、再来年を展望すると、やはり緩和政策は縮小の方向で舵を切るのだろうと思います。ただし、その後の利上げサイクルに入った時には、これまでのパターンよりも相当ゆっくりと小刻みにするなど、緩やかなペースで正常化を進めることになるだろうと考えています。


講師紹介

西岡 純子

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
アール・ビー・エス証券会社 東京支店 リサーチ・ジャパン チーフエコノミスト

西岡 純子

9月27日に撮影した映像より一部ご紹介いたします。

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資産形成力養成講座 加藤

 

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