2013/12/25(水)「世界の経済成長率とインフレ率(西岡純子)」資産形成力養成講座

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世界の経済成長率とインフレ率(西岡純子)

成長率とインフレ率の変換

 

 左側が実質GDP成長率のこれまでの変化率と、IMFの予想値をつけさせて頂きました。右側はインフレ率の数字ですが、こちらも世界平均と先進国、新興・途上国の3つで分けて表現しました。1980年以降のデータで表現していますが、近年の特徴ですが、まず大きく落ち込んだところとしては、リーマンショックの時です。2008年のときに大きく落ちていたのが見て頂けると思います。先進国が落ちたというところが大きなインパクトだったのですが、それに合わせて、新興国もプラス成長ながら、成長率が大きく下がりました。

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 そもそもリーマンショックというのはアメリカ発の金融危機ですが、なぜ世界経済に波及したかというと、アメリカがいわば大元となって組成した金融商品を介して、多くの国が金融のリスクをとっていたからであり、だからこそ世界経済全体が金融危機によって悪影響を受けてしまったというのが金融危機の振り返りだったと考えます。

 もう少し長く振り返ってみてみると、1980年あたりからちょうど2000年に入るあたりまで、この動きをみると先進国も新興途上国も大体同じような成長率で推移していたのがみてとれます。ところが2000年に入ると新興国が一気に伸びて、一方で先進国はどちらかというとそれまでの水準、ないしはちょっと下がった水準で横ばい推移していたのがご覧いただけると思います。

 なぜこのようなことになったのかについてですが、2つ要因があったと考えています。1つはアメリカを中心に金融技術が発達していて、様々な金融商品がグローバルで取引されるようになってきました。それがグローバルでめぐりめぐって、途上国にお金が入り、途上国の成長の原資になったので、新興国の成長率が大きく上がった、というのがこの局面です。一方で先進国ではほとんどの経済において生産年齢人口はピークアウトの様相を呈していましたので、成長率はあまり上がりませんでした。

 もう一つの要因は、2001年に中国がWHOに加盟して、いわば新興国の中で中国が非常にプレゼンスを発揮しはじめたことです。中国を中心とした新興国経済の拡大というのが2000年代に入って非常に顕在化し、地理的に近い日本もその恩恵を存分に受けたというのが、これまでの10年以上の回顧だと考えます。

 その間インフレ率はどうかということですが、全体としてみると右肩下がりにあるが、あまりにも水準が違います。例えば先進国はどうかというと、1980年代半ばから総じて横ばいの動きと表現するべきだと思います。ちょっと2007~2008年あたりに少し上がったところがありますが、これは原油価格が上がった時です。

 こういうふうに俯瞰して頂くと、例えば世界経済平均でみると、90年代の初頭、インフレ率が前年度比30%くらいありました。その時に比べると、2007年、08年の原油価格が上昇した局面は当時すごく上がったという印象があったのですが、この時に比べると全然大したことはなかったということがわかります。




先進国のディスインフレ問題、新興国のインフレ問題

 

 狭義でいうところの先進国は、日本、アメリカ、ユーロ圏の国ですが、それらの経済でこれまで直面した問題というと、ディスインフレです。ディスインフレはデフレとインフレのちょうど間くらいですが、一方、インフレ率2%が大体安定した水準といわれています。

 蛇足になりますが、なぜ0じゃなく2かというと、物価というのは、物価を計測する上で、少し歪みがあるので、ちょっと高めで設定しておいた方がのちのち安定しやすいというのがあるので、2%インフレを目標とする政策が複数の国で採用されています。

 一方でディスインフレが何かというと、デフレ=インフレ率がマイナス圏で落ち込んでしまうほどではないけれど、インフレ率が2%には全然届かず、非常に低い水準に落ちてしまっていて、いつデフレ状況になるのかがわからない、そういう冷や冷やした状況をディスインフレといいます。

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 グローバル全体で、ディスインフレの環境が共有されているのであれば対外的に取引されているモノの価格はそんなに差がつかないはずなので、そんなに大きな問題にならないはずです。

 しかし、新興国はインフレ問題に直面しています。なぜかというと、先進国というのはこれまで特にリーマンショックのあと異常な緩和政策をとっていたので、中央銀行としては必定以上のお金を供給してきました。そうすると、そのお金は投資をする上でちょっとでも利回りが高い経済に投資したくなりますので、新興国に流入します。

 必要以上にお金が流通してしまうと、その経済はモノの価値以上に、流通するお金の量が増えてしまうのでインフレ問題へ繋がっていきます。これが先進国のディスインフレと、新興国のインフレ問題をよりどんどん乖離させてしまっている原因です。今後もすなわち2014年以降も「顕在化しうる問題」だと考えています。


経常収支のインバランス。Currency War の行方

 

 経常収支のインバランスとは? 経常収支は、どこかの国が黒字であればどこかの経済はマイナスで、全部足しあげれば、ゼロになるはずです。ただ、このインバランスの状況がどういう状況かというと、黒字をすごく抱えた経済と極端な赤字に落ち込んでいて、経済に大きなバラツキがあることを経常収支のインバランスと言います。

 経常収支のインバランスの、何か問題でしょうか? インバランスが放置されるだけではいいのですが、お金のバランスによって為替の価値が決まってきます。経常収支が赤字の経済は、必ずお金を外から調達しないといけないため、将来何かのリスクに直面するだろうという悲観的な見方が強まり、通貨の価値は下がってしまいます。

 それだけではなく、今、中央銀行の間でどういう政策がとられているかというと、どこの経済も成長率が上がりにくい、ないしは特に先進国でディスインフレになりますので通貨安を促したいという気持ちにかられがちになります。日本もずいぶんと円安政策をこれまでとってきました。

 なぜ世界的に、政治的な批判を浴びずにここまで来られているのか。それは交渉力という見方もできますが、各国がそれぞれ抱える構造問題の解決に関心を払っているから、ということがあるのかもしれません。いずれにしても理論的に考えれば、経常収支の問題と為替は必ず密接に関わる問題ですので、インバランスがある限り、通貨の問題は必ず脆弱性を抱えるというのが全体的な見方です。


講師紹介

西岡 純子

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
アール・ビー・エス証券会社 東京支店 リサーチ・ジャパン チーフエコノミスト

西岡 純子

12月12日に撮影した映像より一部ご紹介いたします。

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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