2014/03/26(水)「コモディティ市場の動向を探る(近藤雅世)」資産形成力養成講座

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コモディティ市場の動向を探る(近藤雅世)

高騰する農産物市場とウクライナ問題

 

 2013年1月4日を100とした指数で表した2013年12月31日の価格では、トップは米国5年債利回りの+114.1であり、債券の利回りが2倍以上に上昇したことを示していた。次いで日経平均株価が+52.4%、S&P 500が+26%、ドイツDAXが+22.8%と株価の値上がりが目立ち、もう一つ特徴的だったのは、新興国諸国の為替がドル高新興国通貨安になっていたことである。インドネシアルピアが25.9%安くなり、南アランドは22.2%、トルコリラは20.5%安くなっている。またユーロ円やドル円もそれぞれ25.5%、19.5%円安になっていた。商品では天然ガスの値上がりが最大で26.9%と最大であったが、円安効果による東京一般大豆や東京パラジウム、東京原油等も2割以上の上昇を見ている。

 2013年の価格の動きと比較して、2014年1月2日を100とした指数で3月25日の価格を表すと、この3カ月で最も上昇した品目はNYコーヒーの+57.4%であった。次いでロンドンコーヒー、ベトナム株価、シカゴ小麦、シカゴコーン、米国2年債利回り、シカゴ大豆、タイ株価、シカゴ大豆粕、インドネシア株価、東京パラジウムの順となり、上位に農産物が入っていることがわかる。株価ではタイとインドネシアが10%以上の値上がりとなっているが、日経平均株価や上海総合指数は1割以上下落し、ロシアロイター株価は最大の▲18.9%の値下がりを見せており、またロシアルーブルの7.2%安も目立ち、ウクライナ問題がロシア経済には、負の影響を与えていることが見てとれる。

 ウクライナ問題を考えると、クリミアの投票以後の日本の報道は過剰反応と思われる。それまでの海外での取り上げ方を逐一見てきた感想では、クリミアを併合することは規定事実として受け止められ、政治的な駆け引きとしてロシアに対する経済封鎖等を唱えているが、米国もドイツも国内野党に対するポーズや、ウクライナに対する支援表明の域を出ていないと思われる。

 クリミア問題が生じるはるか以前から、オバマ大統領とプーチン大統領は数時間に及ぶ電話会議を何度も行っており、ロシア語が堪能なメルケル・ドイツ首相はプーチン大統領と懇意であり、こちらも何度も話しあっている。憶測であるが、クリミア半島併合は規定事実として両国が認める代わりに、他のウクライナ国内の地域に関しては併合しないという政治的妥協が行われたのではないかと推測される。

 クリミア半島はもともとソ連領であり、フルシチョフ・ソ連首相が1954年にコサックとの関係等でウクライナに譲渡したものであり、当時はどちらもソ連国内地域政府の問題であった。プーチン大統領は、当時ウクライナが独立することは全く想定外であったと述べている。ロシアと米国の間には、どちらかが軍事進出したら、一方は軍事介入しないという密約があるという。いずれにせよ、ウクライナで軍事衝突が生じる可能性は皆無であり、地政学的リスクという程のことではない。


緊迫度が増す中国経済とコモディティへの影響

 

 現在問題なのは、中国の理財商品等の金融商品や貸付が不良債権化し、金融機関が破綻することである。以前から述べられてきたことではあるが、20兆元の残高を持つ理財商品のうち今年に約4兆元(約100兆円)が満期を迎えるという。既に二つの理財商品が金利の不払いとデフォルトになっており、太陽光発電会社の社債がデフォルトになり、S&Pによれば、銀行による企業向け貸付額が米国を抜いて世界最大の残高となり、不動産会社1社が倒産し、いよいよ不動産バブル崩壊の兆しが表れ、融資平台と呼ばれる地方政府の不動産投資用子会社向け貸付が不良債権化しつつある。

 最後に銅や鉄鉱石という商品を担保用に輸入しているものの、国際価格の値下がりが急で担保価値が下がっており、かつ輸入ユーザンスの期限が到来するなど、今年を満期とする各種借入の返済がデフォルトする危険性が間近に迫りつつある。いつかあるであろうと思われた中国の不良債権問題は「今でしょ」と切迫してきている。

 中国政府はデフォルトも辞さずとしているが、その場合の金融機関の混乱は相当マグ二チュードが大きいものと思われ、そこから中国経済の悪化、回復しつつある世界経済への悪影響が考えられる。

 その意味では今年の株価は下落し、金価格は上昇するというイメージとなる。原油価格やプラチナ等工業用途の価格は下落する方向に向かう可能性がある。

 ただ、プラチナ単体を取れば、1月20日から始まった南アフリカのストライキは、世界最大のAmplats社、第2位のImplats社、第3位のLonmin社において、3月26日現在まだ継続しており、既に65日を経過している。一日当たりの3社の生産量は、約300kgであり、計算上19.5トンの生産が喪失している。11月から1月まで行われた世界第5位のNortham Platinumにおけるストライキでの喪失分約1トンを含めると、20.5トンの減少となる。

 昨年の世界のプラチナ生産量は178トンで、南アはその72%の128トンを占める。月産では約10トンであり、既に2か月分の生産量が無いということは、通常鉱山会社が保有する在庫はほとんどなくなっているということを示す。自動車触媒は、エンジンから発生するHC,CO,NOxという毒性ガスを、酸化還元反応を促進して無毒化するために必要不可欠な部品であり、同様な性能を持つ触媒はこれまでのところ発見されていない。プラチナはどちらかというとディーゼルエンジン、パラジウムはガソリンエンジンに多く使われるが、それは割合の問題であり、プラチナだけ、パラジウムだけというわけではない。

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 更に、ディーゼルエンジン自動車の多い欧州では債務危機が終わり、経済が回復しているため、自動車販売台数が増加傾向にあり、昨年9月以降前年比プラスが続いている。また中国では排気ガス規制が強化され、PM 2.5を排出するトラックやバス等ディーゼル車に対する触媒装着が義務付けられ、2013年世界最大のプラチナ需要国になった中国では、プラチナ需要の78%がエンゲージリング等宝飾品用の需要であり、触媒需要は5%しかなく、欧米の50%を超える割合と比較すると10分の1しかない。

 2013年中国のプラチナ輸入量は、98.3トンと前年比18.7トン、21%増となっている。今年の生産量が20トン減り、中国の消費量が20トン増えるなら、その差は40トンとなり、178トンの生産量の2割以上の需給ギャップが出ると思われる。プラチナは2012年▲10.6トン、2013年は▲18.8トンの供給不足であったが、三年連続の供給不足は間違いなく、過去最大になるだろう。それだけの在庫は世界中探しても無いと思われる。こうしたことから今後プラチナ価格は上昇していくものと考えられる。


講師紹介

近藤 雅世

ビジネス・ブレークスルー大学 オープンカレッジ講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長

近藤 雅世

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長期デフレを経験した日本。デフレに慣れ、インフレの想像がつきにくい方も多いかもしれません。しかし確実に、デフレ脱却に向けて動き出しています。インフレとはモノの価値が上昇する世の中。私たちはそうした物価上昇以上に持っている資産を高めていかないと生活力(購買力)を落としてしまうことになります。

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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