第339回目発行!資産形成力養成講座メルマガです。
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11日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅反落し、終値で1万4000円を割り込みました。下げ幅は一時400円を超え、取引時間中としては半年ぶりの安値まで下落しました。 これは、黒田日銀総裁が追加緩和をしないという内容のコメントをしたのが一つの理由です。ヨーロッパではドラギ総裁が必要な措置を取ると言ったことも理由です。そしてもう一つ、安倍総理の第三の矢が、本物の矢なのか、リップサービスなのかわからないようなものしか出てきていないことに対する失望売りもあります。やはり、日本株の場合には、上げ材料が非常に乏しいのです。 また、4月第1週には家電製品の落ち込みが目立ちます。消費増税後、テレビの売上は4割落ち込み、想定を上回る落ち込み幅が確認されています。あまり良い材料がない中、安倍政権はもしかしたら追加的な刺激策を取らざるを得ないかもしれません。しかし実際には何も出てこないことから基本的には下げ局面となっているのです。 ただし、日経平均の対前取引日騰落率の推移を見ると、去年の5月、6月もアップダウンが大きかったことがわかります。この時期は例年株主総会前なので、いろいろなことが起きる可能性があり、引き続き乱高下があってもおかしくありません。まだ今後6週間ほどは目が離せないという状況です。
そういった中、日銀は3月10日と11日に開いた金融政策決定会合の議事録要旨を公表しました。輸出についての判断も従来の「持ち直し傾向」から「このところ横ばい圏内」へと引き下げ、設備投資については判断を「持ち直しが明確に」と強めたほか、国内景気は緩やかな回復を続けており、消費税率引き上げ前の駆け込み需要も見られているとの見方を共有しました。 これについては修辞学を勉強しているようで、ニュアンスをいかに伝えるかに重点が置かれています。金融政策決定会合の状況を公開したものが議事要旨ですが、その景況認識をじっくり読んでみてもほとんど意味がわかりません。こんな内容の会議に何時間も出るなど考えられません。「このところ横ばい圏内」とか、「改善する中で持ち直しが明確」とか、微妙な言い回しが多くよくわかりません。会議録を開示していただいても投資家の参考になるとは思えません。実際マーケットはこれとは無関係に動いていて、中身を見てこんなことを話し合っていたのかと失望売りが出そうなほどだと思います。
日経新聞は10日、「年金、外資台頭の波紋」と題する記事を掲載しました。これはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が日本株運用の委託先を約6年ぶりに見直し、外資系の運用会社を大幅に増やしたということです。 私のところに相談しにくるヘッジファンドも、GPIFの動向を非常に気にしています。GPIFは今までは国債中心にやってきましたが、徐々に変化を見せています。なぜこれがそんなに重要かと言うと、120兆円を超える規模で、年金基金の運用資産ランキングでも世界ダントツ1位であり、2位のノルウェー政府年金基金とも大差をつけています。政府系ファンドと比較しても、GPIFの資産規模が最も大きくなっています。しかしその中身を見ると、国内債券が55%です。
一方、ノルウェーの場合は60%が世界中の会社の株式で、その次が債券、不動産となっています。また、カルパース(カリフォルニア職員退職年金基金)は、株式が半分以上で債券が4分の1というバランスで、プライベートエクイティや不動産なども持っています。プライベートエクイティの場合は、基本的に会社を買収し運営して、5年後に売り抜けるというものに投資しているということです。他と比べて超保守的であるGPIFが、外国株式や外国債券の運用を7割ぐらいは海外のプロに任せようという動きが出てきたわけで、ある意味天変地異とも言えると思います。
ロイターは8日、「株式市場を歪めるダークプール」と題する記事の中で、マイケル・ルイス氏の著書「フラッシュボーイズ」の発売で注目を集めた超高速取引に関連し、投資家にとってより深刻な脅威は、取引所の外でやりとりされる取引、ダークプールが増大していることだと指摘しています。 市場によっては4割ほどが場外取引で、しかもプロ同士で取引してしまっています。取引所というシステムを経由せずに、7社程で7割近いトレーディングをしてしまっているとも言われています。その7社がお互いに情報交換し、時間外で、場外で、私設市場で完全に取引が成り立ってしまうのです。要するに取引は、売りと買いをくっつければよいだけのことなので、取引所以外でもそうした力を持ったところが存在するのです。 話題になっているフラッシュボーイズについては、超高速のプログラムトレーディングで、コンピュータが情報を知った瞬間にミリセカンド単位で取り引きしてしまうという、インサイダーまがいの取引が問題となっています。一般の人たちが情報を知って売り買いを決めている時点では、既に15秒遅れてしまうということなのです。 市場を歪めているとされるダークプールですが、実際、現在の取引所は取引コストが高すぎるのです。そうした高いコストを支払って取引所経由でと言われていますが、実は取引所には最良執行ルールというものがあり、複数の取引所がある場合、お客さんに対する義理として、一番良い取引所で取引しなければならないとされているのです。しかしどこもそれを実行していません。したがってダークプールのような取引がはびこる素地があるというわけです。 何れにしても、株式市場そのものが高いコストで取引の邪魔をしているとも言えるのです。日経225などはシンガポールなどでも取引されていますし、将来的には世界で最も執行能力のある場で取引されることになると、日本株といえども日本で取引する必要はありません。特にデリバティブやオプションという高度な取引となると、世界で最良執行してくれるところや、取引料の安いところで行うのは当たり前だろうと思います。もしかすると取引料を互いに取らないという取引所も出てくるかも知れません。そうなると、ますます個人株主がボードを見ながら取引に参加することに意味がなくなってきます。いずれは、ファンドの形で誰かに預けて任せないといけなくなる時が来るのだろうと思います。
ビジネス・ブレークスルー大学 資産形成力養成講座 学長
大前 研一
4月13日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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資産形成力養成講座 加藤
「資産運用を日本の国技に!」 大前研一学長の掛け声のもと、2006年にスタートした資産形成力養成講座。NISAスタート、401k導入企業増加、デフレ脱却に向けた日本経済などを背景に、銀行預金ではない金融資産で運用する方向に関心が向かう今、資産運用の考え方、実践を学ぶ講座で基礎からしっかりと学びませんか? 「自ら考え、自ら行動を起こし、資産を形成すること」 私たちは教育という観点からサポートしてまいります。 ▼ 【無料メールセミナー】5日間で資産運用を取り巻く環境を学ぶ! ▼ 【不動産】投資の絶好のチャンス!? インフレ期に勝つ資産形成とは? ▼ 【無料説明会】 5/13・5/22@東京(麹町) 少人数で開催! 資産形成力養成講座では、Facebookページでも金融にまつわる最新ニュースなどご紹介しております。ぜひこちらもチェックしてください。 長期デフレを経験した日本。デフレに慣れ、インフレの想像がつきにくい方も多いかもしれません。しかし確実に、デフレ脱却に向けて動き出しています。インフレとはモノの価値が上昇する世の中。私たちはそうした物価上昇以上に持っている資産を高めていかないと生活力(購買力)を落としてしまうことになります。 金融機関など他人任せにするのではなく自ら設計することで、手数料などを考えると2%程度の利回りの差になることも多々あります。毎年2%の差は、例えば500万円運用している人にとって、10年で100万円以上の差になって現れます。自ら学ぶことが重要なのが資産運用ですし、欧米では学校教育にも組み込まれているところも多いです。みなさんも、世界のお金の流れを学び、リターンを実現できる資産形成力を高めておく時期ではないでしょうか? それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!
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