2014/11/26(水)「日経平均に潜むPER16倍の壁(藤本誠之)」資産形成力養成講座

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日経平均に潜むPER16倍の壁(藤本誠之)

日経平均に潜むPER16倍の壁

 

 10月31日に日本銀行が行った追加緩和ですが、今後ドンドンとお金を増やしていくという内容です。その一つは、長期国債などを買い足して、世の中に出回っているお金(マネタリーベース)を80兆円も増やすというものです。資産を買って現金を供給し、お金をばらまくという形で、80兆円増額するとしています。

 その中身は、基本的には長期国債、さらに株式市場に大きな影響与えるETF (上場投信)です。今までは年間1兆円ずつ残高を増やすというのが目標でしたが、今回は3倍の3兆円ずつ増やすとしています。しかも不動産投信(REIT)についても、300億円の増加だったものを900億円の増加へと拡大し、不動産と株を直接買っていく形になっています。

 ETFを買っていく3兆円という額は、かなりインパクトのある数字だと思います。極端な話ですが、毎営業日買ったとしても、1年は200営業日ほどなので、毎日150億円も買ってしまうような大きな金額なのです。それなりに相場へのインパクトがある額だと言えるでしょう。

 また、日銀は基本的には株価が下落した局面でETFを買って買い支えるということになります。  日銀はETFの買い入れ状況を毎日公表していて、それによると、毎月株価が下がった局面で一定額を買い入れています。一回の平均買入額は、10月までは100億円から150億円でしたが、11月以降は380億円と増やしてきていて、マーケットへの影響も一段と大きくなりそうです。また傾向としては、前場が下がって終えているときに、買い注文を出すようです。

 今後は株価が下がる局面では日銀が買ってくるので、株価はより下がりにくくなるでしょう。年末までに関しては、なかなか下値の固い相場が続きそうで、これが今回の金融緩和の結果だと言えるでしょう。日銀が株を買い支えることが正しいことかどうかついては議論が分かれるところですが、現時点では株式市場にとっては非常に好影響として現れています。

   日経平均の今の水準を考えるにあたって、株価の大元にある企業業績を基準にすることができます。つまり企業の儲けを元にして株を買うということから考えれば、企業業績が大きな影響を与えることは間違いありません。日経平均は当然、日経平均採用銘柄の予想EPS=1株当たり利益で見て、どの程度儲けているのかが非常に重要になってきます。この予想EPSは、1030円から1040円あたりでもみあっていましたが、ここにきてようやく1060円近辺まで上昇してきています。もみ合い状態から一気にEPSが上がってきたことから、日経平均も合わせて急激に上昇してきました。

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 この関係を逆から見ると、EPS (1株当たり利益)× PER=日経平均株価です。本来は日経平均株価をEPSで割ったものがPERですが、このPERが14倍、15倍、16倍のラインをグラフ化し、日経平均株価の動きを重ねてみると、16倍に達すると株価は下落し、14倍を割り込むと上昇するという傾向が見られます。そして、このところの動きでは、とうとう日経平均株価が16倍のラインを越えてきています。

 ただ重要なのは、今後企業業績がさらに良くなる可能性があるという点です。というのは、1ドル=116円まで円安が進んでいる為替の影響があるからです。7-9月第2四半期、つまり上半期の決算発表がほぼ出そろいましたが、この時点で企業が為替水準をいくらと見ているかという想定為替レートは、1ドル=103円80銭という水準なのです。そこから考えると、現状116円に乗せている為替なので、当然今後の決算ではその見通しを変更してくると思われます。

 それにより、輸出企業、特に自動車産業などを中心にさらなる業績の増額が見込まれ、現在1060円の日経平均株価のEPSは、もしかすると1100円、1150円という水準になることも想定できるのです。そして、EPSが1100円まで上昇すれば、PER16倍まで株価が上昇しても1万7600円と、今よりも高い水準で16倍以下に納まるのです。

 もしEPSが1150円までくれば、同様にPER16倍でも1万8400円となり、結局リーマンショック以降の高値を抜けるまで上昇しても16倍のライン以下に納まることになるのです。企業業績が伸びればさらなる上昇も説明できる状況にあるといえるのです。今の時点では16倍で止まりそうに見えますが、EPSが上がれば16倍のラインも上がっていくので、今後、状況は大きく変わってくると言えます。

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 実際の企業業績を見ると、リーマンショック前の高水準から業績は落ち込み、その後回復したものの東日本大震災後に再び下落しました。そうした状況を乗り越えて、企業業績はようやくリーマンショック前のピーク時を上回ってきています。このように企業業績は最高の状況となっている一方で、日経平均株価はリーマンショック前の1万8300円をまだ上回ってきてはいません。前回の高値まで買われるとすれば、もう少し上への展開も望めると言えるでしょう。


講師紹介

藤本 誠之

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師

SBI証券 投資調査部
シニアマーケットアナリスト

藤本 誠之

11月12日に撮影したコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。

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資産形成力養成講座 加藤

 

資産運用はインフレ経済下で特に重要になります。デフレ下では資産運用をしなくてもモノの価値が下がっていきますが、インフレ下ではモノの価格上昇を超える運用をしなければならないからです。資産運用は、株式・債券・為替・コモディティ・不動産など多岐に渡りますので、総合的な理解や考え方が求められます。世界標準の資産運用を学び、第一歩を踏み出してください!

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長期デフレを経験した日本。デフレに慣れ、インフレの想像がつきにくい方も多いかもしれません。しかし確実に、デフレ脱却に向けて動き出しています。インフレとはモノの価値が上昇する世の中。私たちはそうした物価上昇以上に持っている資産を高めていかないと生活力(購買力)を落としてしまうことになります。

金融機関など他人任せにするのではなく自ら設計することで、手数料などを考えると2%程度の利回りの差になることも多々あります。毎年2%の差は、例えば500万円運用している人にとって、10年で100万円以上の差になって現れます。欧米では学校教育で「お金」について学ぶ機会がありますが、日本ではほとんどありません。みなさんも、世界のお金の流れを学び、リターンを実現できる資産形成力を高めませんか?

それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

 

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