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中国株式市場では何が起こっているのか?(大前研一)2015/07/29(水)

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今回のテーマ

中国株式市場では何が起こっているのか?(大前研一)

【中国】中国株式市場では何が起こっているのか?

 中国証券監督管理委員会は13日、財務ソフトウエア大手、恒生電子について、調査を開始したと発表しました。恒生電子は店頭市場の信用取引をクラウド上で支援するプラットフォームを運営しており、公式に認められているレバレッジの最大10倍を融資することが可能です。このサービスが株価の急落を引き起こしたとの社会的不安が広がっていました。

 もしかしたらその通りかもしれませんが、もしかしたらスケープゴートかもしれません。今回の中国の株価急落については、国民の怒りが非常に大きいので、悪人をきちんと見つけて政府も犠牲者だということにする必要があるのです。借金をしてでも株を買い、何倍かで儲けるというレバレッジは、アメリカの大恐慌の前もブローカーズファンドというある意味闇金融で5倍まで借りて取引されていました。当時は株が上昇していて、中国と同じような状況だったのです。中国でもそのレバレッジをやっている人が圧倒的に多いのです。

 中国人はほどほどに儲けるというやり方をせず、儲ける時は全部賭けてしまうというやり方をします。それにより、株価の下落の影響が非常に大きくなるのです。恒生電子が意図的にやっていたかどうかは不明ですが、政府はとりあえず調査をしているとして人々の関心をそちらに向けていると思われます。一方、この会社はアリババ系の会社で、経営権を持つジャック・マー氏はとんでもないことだと言っています。

 中国のバブルは350兆円の大きさだとビジネスウィークが表紙で伝えていて、中国のバブルは誰が弾けさせたのかという記事が掲載されています。そのスケープゴートがアリババではないかという展開になってきているのです。実態はよくわかりませんが、やはりアメリカもイギリスを抜いてから一本調子で上昇し、株式市場が湧きに湧いて、最終的にはレバレッジを5倍までかけ、さらにその資金を貸してくれる闇金融、ブローカーが出てきていたわけです。

 中国でも同様にノンバンクから借りて信用取引に貸していくというやり方が広がり、株価は一年で2.6倍にもなったのです。政府も、土地の市場が陰ってきたので、株で景気をなんとかしようと、株をやれとけしかけてきました。それによって国民が豊かになりかけたので良いと思っていたわけですが、実際の会社の実績が上がっていないのに株があがることはありえないのです。株はそもそも時価総額というものから見てもわかるように、会社の利益が未来永劫続いた場合の現在価値です。企業の業績が上がらず、全体的に輸出も低迷し、成長も止まってきて困っている状況で株が上がる理由は、バケツの中に金を突っ込むから沸騰しているだけなのです。

 このような人為的な株価の上昇は、後から見ると非常にわかりやすいものですが、アメリカも日本も1989年までは同じような状況でした。中国は今まさにそういうところに来ていて、ここから先は、さすがにマッチポンプはできないと思います。今、追い証が発生するところが多いので、とりあえず株価を少し戻してあげて凌ぐことになりますが、5%以上持っている大口株主は現在取引を禁止されています。半年後に取引できるようになった時にドスンと株価が下がることは明らかです。とりあえず目の前で急落すると困るということでこうした措置を取っているだけなのです。

 中国人民銀行は14日、海外の中央銀行、政府系投資ファンド等を対象に、中国の債券市場への参入条件を緩和すると発表しました。中国は今年IMFのSDR(特別引出権)への人民元の採用を目指しており、各国通貨当局などが人民元を運用しやすい環境をアピールし、採用を後押しする狙いとみられます。

 今は誰でもいいから来てくださいと、これまで色々と規制していた部分も緩和するという政策を出しています。しかしもう手遅れという印象です。

 日経新聞は18日、「東南アジアからマネー流出」と題する記事を掲載しました。東南アジア新興国の株式市場で外国人投資家らの売却が広がり、多くの国で通貨も下落しているということです。

 これはアメリカ回帰の流れで、秋口からだんだんと金利が上昇してくるということになると、米ドルの方に一度戻しておきたいということでしょう。通貨相場の推移を見ると、ナジブ首相が汚職関係で嫌疑をかけられていて政治的にも不安定なマレーシアの通貨の下落が最も激しくなっています。次いでインドネシア。タイは軍事政権ではありますが、なんとか持ちこたえています。フィリピンはもともとダメな経済からきているので、あまり期待がなかっただけにアメリカ帰りもしていないというわけです。東南アジア諸国からは、これから先もアメリカの方へ、お金が戻っていくという状況になっています。

【世界】世界不動産投資の現状

 金融メディアZUUオンラインは18日、不動産バブルを表面利回りの低さとして世界各国で比較したところ、一位は台湾、二位はオーストリア、三位はインドだったと紹介しました。

 これは非常に大切な見方で、不動産を買って賃貸にするといくらで回るのかということです。利回りで見ると、台湾が1.57%、不動産が高すぎて、賃貸に出しても1.57%でしか回らないということです。日本は5%で回るとされています。そんな物件は実際に見たことはありませんが、そのように評価されています。

 この数字そのものが正しいかどうかは別にして、こうして利回りで不動産を比較して見ることは、バブルを知る上で非常に重要な見方だと思います。何がバブルなのかを把握するのは難しいからです。株式の場合はPERで20倍ならもうバブルだとする見方がありますが、不動産の場合は、収益還元価格で見て、物件を買って賃貸に出したらいくらで回るかと考えることが非常に現実的であると思います。

【為替】投資マネーはドルに回帰していくのか?

 日経新聞は17日、「投資マネー、ドル回帰」と題する記事を掲載しました。FRBのイエレン議長が年内の利上げを改めて示唆したことで、ドル高、商品安が進んでいると紹介しています。

 ドルに回帰してドル高方向に進んでいますが、同時に資源株が下落しており、金価格も落ちてきています。金はドルと同じくらいの信用があるものの、金利が付きません。ドルにも金利が付きませんでしたが、これからは付いてくるという流れの中で、金は金利のつかないドルだという扱いになり下落しているのです。

 ロイターは16日、「中銀も首をひねるカナダ経済の謎」と題する記事を掲載しました。カナダ中央銀行は第2四半期になっても輸出に火がつかないことを受け、15日には今年2度目の利下げを行いました。

 これはメキシコが強くなったからだと思います。NAFTAの中でカナダとメキシコはどちらも真ん中にアメリカを置いてアメリカと輸出入しています。アメリカがメキシコにソースをシフトするとカナダとの取引はいらなくなるわけです。車などは特にその影響が現れています。悪天候や港湾数などの問題ではなく、メキシコの製造業が思ったより強くなり、カナダの競争相手がメキシコになってきているということなのです。カナダの中銀も首をひねっていないで、この説を検証してみてほしいものです。

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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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