アメリカは、昔から日本に対しても円安で輸出競争力を持っているのが問題だとして、プラザ合意以降日本は円高方向に追い込まれていきました。中国に対してもまだまだ元高に持っていくべきだと主張していて、為替については全く理解していないので、アメリカの言うことは無視する必要があります。現実に中国で事業をしている者としては、もう限界だと言えます。中国政府がフロート制を導入する勇気があるとしたら、元相場は一旦高くなり、その後大きく下落すると考えます。これが元の実力なのです。
ただし、それは早く実行しないと、どんどんと事業が海外に流れていってしまったり、ロボット化されてしまったりということになります。そうなると中国は何で飯を食っていくのか、非常に厳しい状況になります。中国の共産党政権は特に自由主義経済については経験も知識も非常に薄いので、今回のように乱暴なことをやって、世界中がパニックになったので慌てて手綱を緩めたという状況なのです。
SDR(特別引出権)の通貨別構成比のグラフがありますが、ここに元を入れる話もありました。しかし、IMFはこんなやばい通貨は入れられないということで、埒外に置いておくことになったのです。
日経新聞は7日、「中国市場、勝ち組総崩れ」と題する記事を掲載しました。自動車とスマートフォンの世界最大市場である中国で、シェア上位の企業が総崩れの様相だと紹介しています。
以前から話しているように中国経済は不動産でこけて、株でこけて、比較的活発だった消費がこけてきた時にはシェアの高い企業が影響を受けやすいので、フォルクスワーゲンやヒュンダイ、あっという間にシェア1位になったシャオミ、サムスンなども急失速しているのです。特別な商品を作っていて対象を非常に強く掴んでいる企業は良いのでしょうが、大手の企業は軒並み落ち込んでいます。フォルクスワーゲンなどは、1000万台体制を作ると発表したばかりで急に減速が始まってしまったので、非常に大変だと思います。
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