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アベノミクス「新3本の矢」に見る真相(大前研一)2015/09/30(水)

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今回のテーマ

アベノミクス「新3本の矢」に見る真相(大前研一)

【日本】2020年へ「新3本の矢」発表 ~安倍首相~

 安倍首相は24日、経済政策アベノミクスの新たな三本の矢を発表しました。強い経済、子育て支援、社会保障の政策を強化するもので、2016年夏の参院選をにらみ、安全保障から経済に政策運営の軸足を移す考えです。

 この新三本の矢についてはコメントする価値もありません。ただひとつ、総理のために言うならば、あれだけの乱闘国会の後に、よく準備していたと思います。この点については野党の一歩先を行っていると思います。

 しかもこれには2つの目的があります。1つは新しい時代を提案し気持ちを切り替えさせることです。これによって集団的自衛権問題ではなく、議論を呼ぶような内容を3つ提案したのでこちらに争点を移してくださいと言うメッセージです。

 もう一つの狙いは、古い三本の矢がうまくいかないので、これを忘れてくださいということです。消しゴムで消すわけにはいかないので新しい目標を提案したというわけです。そしてその新しい目標では、GDPの目標は600兆円です。子育て支援では待機児童ゼロを目指し、社会保障の面では、問題になっている介護離職をゼロにすると言うのです。言葉だけ聞くとすべてにいいね!をつけたくなるような政策です。しかし具体的に考えると、GDP 2%の増加ができないアベノミクスに600兆円が実現できると言うのでしょうか。まさに目くらましの三本の矢であり、目に矢を入れて見えなくしようと言う狙いなのです。

 そしてもう一つすごいことは、1億人を絶対維持すると言うのです。私も皆さんに、子供をたくさん増やして特殊生涯出生率は1.8%以上、実際は2%を超えないといけないと話していますが、政府は具体策についてはこれから考えるものの、一億総活躍大臣を作ると言っているのです。重要なテーマと思わせたいときには必ず大臣を1人呼ぶのが政府のやり方です。

 石破地方創生大臣は何一つやっていないにもかかわらず、地方創生が安倍首相の政策の中心ということでそのポストができるのです。予算は最終的に1000億円しかなく、数十億ずつ地方にばらまいてしまって終わりです。いまや新大臣は何でもよく、「一億総活躍担当大臣」などというものができるのです。やはり安倍首相は目くらましについて非常にしたたかだといえます。これによってなんとなく集団的自衛権よりもこちらを批判したくなるからです。安倍首相は批判されて良いのです。みんながこちらに論点を移し、SEALDsなどが静かになれば良いというわけなのです。

 三本の矢ですが、これまでの第一の矢は大胆な金融政策で、円をどんどん出したことで円安になりました。第二の矢は機動的な財政出動でしたが、これは東北などに消えていきます。そして第三の矢の成長戦略は新三本の矢では安心繋がる社会保障とされています。第一の矢でお金をじゃぶじゃぶにしたものの、経済に吸収されていないということで、マネタリーベースでは非常に大変な事態となっているのが現状です。

 そして、特殊生涯出生率をフランス並みにしようとしたら、GDPの3%、4%も費用をかけないといけないわけですが、日本は雀の涙で、奮発の仕方がぜんぜん違います。成人になるまでの給付と費用について見ると、赤い部分が経費で、国の補助を差し引きした正味では日本は第三子でもマイナスになっています。一方フランスの場合には、第三子になると1800万円も儲かるという仕組みになっています。ここまでするにはGDPの3%、4%というお金を使わなくてはならないわけですが、日本にそのつもりは全然ないのです。

 どうしたら子供を産んでもらえるようになるのか、私が提案しているのは戸籍の撤廃です。しかし安倍首相のような保守系の方々は戸籍撤廃などとんでもないという意見なのです。スウェーデンやフランスは戸籍の撤廃をしてから20年かかって今の状況があるのです。日本はそれとは真反対のことを考えているので、到底うまくいくとは思えません。

【日本】白熱するマイナンバー議論 軽減税率の再検討訴え

 公明党は15日、消費税率10%時の負担軽減策について、マイナンバーカードを使って2%分を還付する財務省案に反対する方針を固めました。これまで訴えてきた軽減税率に比べて消費者の負担軽減が限定的で、党内や支持母体の創価学会からの理解が得られないと判断しました。

 これは喜ばしいことです。以前、創価学会の問題で、雑誌などで公明党を非難したことがあったのですが、その時抗議してきた議員から、今後は直接意見して欲しいと言われていました。そういう経緯があったので、今回の件について、これをやったら公明党はまずいことになると電話で伝えました。すると公明党側も、財務省案が突然出てきて賛成できなくて困っているというのです。そこで、しっかり反対しないならまた記事で非難すると言って、まるで脅すような形になってしまったわけです。しかし、これは本当に、公明党は通してはいけない案なのです。

 財務省やサイバーゼネコンの罠にはまって、国民データベースで一年間の消費をトラッキングするなど、ビッグデータのような言葉にごまかされているのです。もう一つの問題は、希望者だけという点です。麻生氏は還付がいらない人はやらなくていいなどと言っていますが、それも間違いです。結果的には公明党が今回の財務省案を廃案にし、軽減税率で品目によって増税しないという形になるでしょう。

 ただ、どの品目が贅沢品かという微妙な問題が残ります。飲食店では牛丼チェーンで食べたら軽減税率の対象のような気がしますが、三ツ星レストランではどうなのか、こうした議論になると収拾がつかないのです。よって、低所得者は10%の消費税が困るということであれば、アメリカのようにフードスタンプを出すべきです。それもアメリカほどの額ではなく、今回言われている年間4,000円ほどのスタンプを購入時に使えるようにするという、かなり簡素化した形でなければうまくいかないでしょう。

 また、週間ポストが面白いことを書いています。財務省が狙っているのは実は、マイナンバーとデノミだという記事です。財務省はもとからそういったことを考えているのですが、やはり1ドル=100円は屈辱だというのです。戦前は1ドル=1円でやっていて、戦後にはハイパーインフレが起こってしまい360円で固定したわけです。円は360分の1になり、国の発行した戦時国債は360分の1になったので、国の借金がチャラになりました。そして今、財務省はハイパーインフレしかないと考えているのです。10倍のハイパーインフレになれば国の借金は10分の1になります。

 さらに、財務バランスを取ろうと税を上げようとすればあれこれ削れと言われ、国民や政治家がなかなかやらせてくれませんが、その点、ハイパーインフレになった場合には、これまでどこの国を見ても誰のせいだとは言えないのです。つまり、財務省は責任を取る必要がないので、ハイパーインフレ待望論が財務省にはあるのです。もう一つ、880兆円あるとされる現金・預金が世に出てくることになります。10倍のハイパーインフレになれば、1万円が千円になってしまうので、現金を持っている人は他のものに置き換え始めます。それにより、880兆円がマーケットに出てくることになるので、それにはデノミが好都合というわけなのです。

 財務省はもう1000兆円の借金対策はやりません。増税がいかに大変か、政治家がいかにだらしないかよくわかっているので、もう安楽死しようという方向に来ているのです。週刊ポストのこの記事は正しいと思います。こんなことは大新聞は書かないのです。

 アメリカのスタンダードアンドブアーズは16日、日本国債の格付けをAA-からA+に一段階引き下げたと発表しました。日本経済が期待したほどの速さで回復せず、所得も十分上がっていないことが理由です。

 アベノミクスが十分な経済成長に繋がらないからだと言っているわけですが、実はどういうことがきっかけでハイパーインフレが起こるのかというと、馬鹿な政治家や日銀総裁などが馬鹿なことを言った場合、それと格付け機関が政府は色々やっているがダメだと判断して国債をジャンク債に引き下げた場合、などがきっかけになるのです。

 今のところ一番確実なトリガーはジャンク債になることだと思います。まだそこまでではないものの、韓国や中国よりも日本国債は下の格付けなのです。由々しき状況ですが、安倍首相の話を聞いているとそうした感覚が全くなく、新しい三本の矢などと言っているのが現状なのです。

【ギリシャ】与党・急進左派連合が大勝 チプラス氏が首相就任

 20日に投開票されたギリシャ議会総選挙で、ツィプラス前首相の与党急進左派連合が得票率35.46%、145議席を獲得し、大勝しました。

 ギリシャの選挙では一位の党に50議席の余禄をくれるという制度なので、実際は95議席なのですが、それに独立ギリシャ人の10議席を加えて過半数をとったということになります。今回の選挙は、誰からも何の関心も呼ばなかったという点において、ある意味ツィプラス氏の巧妙なやり方がこれで固まったということになります。約束した通り、緊縮策も織り込んでやっていくという話になると思います。

 ただ、ギリシャの場合、何十兆という大規模な債務免除をヨーロッパが与えないと返済は不可能で、緊縮策だけでギリシャが復興するということはまずありえないと思います。次のステップが非常に重要で、ラガルドIMF専務理事はそのことを強く指摘していますが、メルケル独首相やショイブレ独財務大臣などは認めていないのでまだ距離があると言えます。

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