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世界情勢と年初からの日経平均株価続落(大前研一)2016/01/14(木)

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新年あけましておめでとうございます! 2016年のみなさまのご活躍をお祈りしております。株式・為替をはじめ世界経済は波乱の幕開けとなりました。考え方と情報を活用し、今年も乗り越えていきましょう。「自ら考え、自ら行動を起こし、自らの手で資産を形成すること」 資産運用への第一歩をサポートしてまいります。

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今回のテーマ

世界情勢と年初からの日経平均株価続落(大前研一)

【日本】日経平均株価が年初から5日続落 1950年の算出開始以降最長

 8日の日経平均株価は、前日に比べて69円安い1万7697円で取引を終え、5日連続で下落しました。年初からの5日続落は1950年に日経平均算出が始まって以来最長となります。中国の景気減速や中東情勢の緊張など、不安材料を背景に投資家の買い意欲がしぼんでいる現状です。

 アメリカは金利を少し上げましたが、クリントン政権の時にインフレ退治と嘘をついて金利を上げたら世界中から金が寄ってきて好景気になったわけですが、今回の株式市場を見ているとアメリカはまだそうした状況になっていません。その点で、アメリカが思ったようには伸びていない中、中国の方はこけまくっています。そうした状況で金はどうなってしまうのか、先が見えないわけです。サウジとイランの国交断絶や、ヨーロッパの重しとなっている難民問題などを背景に、国内市場も年初から連続で下げるという初めての事態となりました。

 今年の景気を占ったエコノミストの予想はほとんどが2万円を超えて2万3000円を覗くなどと言っていましたが、いきなり1万7000円台です。しかし、実力から言えばこの辺りが妥当だと思います。株価は、企業が未来永劫、経営を続けた時の、得べかりし収益の現在価値なので、企業の根本的な収益が伸びていない限り上がらないのです。上がると言うのは日経や野村総研ぐらいで、冷静に考えればそれほど上がらないとわかります。

 個別の企業の株価が上がるとすれば、アメリカのように国内はどうでもよく、世界化してしまうというケースです。しかし、日本はやはり国内市場重視、さらに人口も減少していくような国です。何か伸びる要素があるのかというと、見えないのでとても難しいと言えるのです。中国にもそれほど影響されない、アメリカにもそれほど依存していない、自分たちで明るい内需というものを作り出している、あるいは次々に世界に進出できる名プランがある、といった材料が見えない限り、株式も伸びないと思います。

【中国】サーキットブレーカー停止を発表 ~7日・中国証券監督当局~

 中国の証券監督当局は8日、株式相場の急変時に取引を停止するサーキットブレーカー制度について、マイナスの影響がプラスより大きいとして、制度を一時停止すると発表しました。相場の安定のために導入した制度ですが、売りたいときに売れなくなるのではないかとの不安が個人投資家のパニック売りを引き起こす要因となっていました。

 ブラックマンデーの時に、日本のサーキットブレーカーが非常にうまく機能し下落が止まりましたが、中国の場合にはあまりにも簡単にやってしまい、自分が持っている部分を売れなくなる、買う時には買えなくなるということから、市場が動いている間に思い切って売ってくるので、ますます下げが加速してしまうということになりました。個人投資家が多いのでどうしてもこうなってしまうのでしょう。そうした考察が足りなかったために、サーキットブレーカーを導入して5日間で結局これはまずいとなって、結局少なくとも導入したサーキットブレーカーのシステムは停止するということになったのです。

 かといって、サーキットブレーカーなしでそのまま取引を続けたら行くところまで行ってしまうという可能性もあります。今のところ、5%以上の株を持っている人の売り買いには制限が加わっていますが、それだけでは足りないということになってくるでしょう。上海総合指数の推移をみると、このくらいの下落ならサーキットブレーカーなどと言わなくてもいいような気もします。政府の都合でどんどんと株を上げ、不動産から株に儲けをシフトさせた、その咎めが今来ているということです。

 人民元については何度も言っているように、自由化したら安くなるに決まっています。アメリカが人民元は不当に安いとして、高くするように言ってきましたが、人件費を毎年人為的に上げてきた結果、この為替レートでは持たないというところまで来ているのです。人件費の方を自由化しない限り、為替にこうした影響が出るのは当たり前なのです。

 私自身も中国で事業をやっていますが、あの人件費だと、現在1ドル6.5元ほどですが、13元くらいでないと持たないと実感しています。レートを自由にしたら10元は超えると思います。中国政府は二つの指数をコントロールするのは無理なのだと気づくべきです。人件費をコントロールしている国などなく、それを中国はやっているわけなので、為替は安くなるのが当たり前なのです。両方ともコントロールしようとするから無理がきているのです。中国がこのことに気づくまでこうした不幸は起こると言えます。

【日本】「前倒し債」上限額48兆円へ 4年連続引き上げで過去最高

 財務省は、次の年度に発行する国債を1年早く発行する「前倒し債」の上限額を、2016年度は48兆円に引き上げる方針を固めました。2015年度の当初の計画に比べると16兆円の増加で、過去最高となるものです。日銀の異次元緩和で市場に出回る国債が減り、需給のひっ迫で金利が乱高下するのを防ぐということです。

 今は国債で流動性を確保しているのですが、それが足りないということです。国債の需要そのものはあるわけですが、国債を出すということは国の債務を増やすということなので、それをやるのは禁じ手中の禁じ手だと思います。しかしそうした錯覚があるのには、国債に対する別の考え方があることも一つの理由です。

 現代ビジネスは先月28日、「『日本の借金1000兆円』はやっぱりウソでした」と題する記事を掲載しています。これは、元財務官僚で経済学者の高橋洋一氏が国のバランスシートを分析した結果を紹介。財政破綻を煽る通説はバランスシートの負債側しか見ていないことや、資産として政府内の子会社を連結していないなどの問題点があるとし、それらを仔細に見ていけば日本の財政はマスコミや学者が言うように悪くはないと指摘しています。

 高橋洋一氏は20年以上こう言っています。しかしそれが一銭も借金返済に使われていません。もし特別会計などにそれだけの余裕があるならば、為替の特別会計もそうですが、いざという時のリザーブとしてあるもので、財務省が握っているわけです。それをパクればよいというのですが、実際はそれを取っておいているわけです。国が強い決意でもって、財務省が支配しているその部分を裸にしてしまうとすればよいのですが、そうではありません。

 マーケットの方は、債務は債務で1300兆円だとして、その数字を見て崩れます。格付けも債務の数字を見ながらどんどん落ちてきているのです。そう考えると、特別会計でリザーブを取ってあるので、格付けがここまで下がったらリザーブから幾ら持ってくるという具合に国の格付けが落ちないようにするためのルールを、法律で決めていくべきなのです。特別会計があると言っても使えないものは役に立たず、マーケットもあるとは見ていないので、リザーブのままになってしまうのです。

 日本人全体も同様に、死ぬ時に貯金がこんなに残るなら使えばよかったと言いますが、やはりいざという時のためにという意識があるのです。高橋氏の言うことは、日本人がそうしているように、日本国もいざという時のもリザーブを蓄えているので、実際はそれほどの借金はないという見方なのです。しかし、彼は20年以上同じことを言っていて、元財務省の立場から、天下り確保のために財務省が崩さないことなどを盛り込んで、話としては受けるのですが、いい加減にそれを引っ張り出す方法を考えてほしいものです。その方法がないなら、机上の空論ではないでしょうか。

 格付けがここまで下がったら引っ剥がしてくる、その時こそがいざという時だとして動かさないと、実際には出てこないお金です。生活が苦しいと言いながら3000万円を残して死んでいく人がいるわけですが、そういう国になってはいけないと思います。

 上から見てこうなっていると言うだけではなく、実際それを動かさないことには意味がありません。その方法がない限りはマーケットは使えないものだと判断するでしょう。マーケットがどう判断するかが重要なので、そこで役に立たないことを言ってもらってもあまり気休めにはなりません。

【日本】2014年の1人当たりGDP 3万6230ドル 前年比6.0%減

 内閣府が2015年12月25日に発表した統計によると、2014年の日本の一人当たりの名目GDPは3万6230ドルと、前の年に比べ6%減少したことがわかりました。前年を下回るのは2年連続で、OECD加盟34カ国中20位と、統計でさかのぼれる1970年以降最低となりました。

 日本はかつて主要国中で3位になったこともあり、20位とはみっともないと言えます。円高の時には上がり、今のような円安の時には下がるというのは仕方ないことですが、主要国の比較を見ると、上位はすでに6万ドル経済になっているのです。日本は4万ドルくらいの時もありましたが、今では3万ドル台半ばと、イタリアと肩を並べているという水準です。

 円ベースでみてもやや減少していますが、ドルベースでも高い時も、もっと低い時もあり、今の時点が最悪というわけではありません。こうしたことからも、あまり為替を理由にはできず、日本のGDPは伸びていないということなのです。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長
大前 研一
1月10日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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資産形成力養成講座 加藤

新年あけましておめでとうございます。2016年の株式市場は波乱の幕開けですが、今年も有益な情報をお届けできればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

資産運用はインフレ経済下で特に重要になります。デフレ下では資産運用をしなくてもモノの価値が下がっていきますが、インフレ下ではモノの価格上昇を超える運用をしなければならないからです。資産運用は、株式・債券・為替・コモディティ・不動産など多岐に渡りますので、総合的な理解や考え方が求められます。世界標準の資産運用を学び、第一歩を踏み出してください!


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「資産運用を日本の国技に!」「世界最適運用で世界標準の5%~10%の利回りを目指せ!」大前研一学長の掛け声のもと、2006年にスタートした資産形成力養成講座。5000名を超える受講生が学んできました。

これまで長期デフレを経験した日本。デフレに慣れ、インフレの想像がつきにくい方も多いかもしれません。しかし確実に、デフレ脱却に向けて動き出しています。インフレとはモノの価値が上昇する世の中。私たちはそうした物価上昇以上に持っている資産を高めていかないと生活力(購買力)を落としてしまうことになります。

金融機関など他人任せにするのではなく自ら設計することで、手数料などを考えると2%程度の利回りの差になることも多々あります。毎年2%の差は、例えば500万円運用している人にとって、10年で100万円以上の差になって現れます。欧米では学校教育で「お金」について学ぶ機会がありますが、日本ではほとんどありません。みなさんも、世界のお金の流れを学び、リターンを実現できる資産形成力を高めませんか?

それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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資産形成力養成講座とは。大前研一学長総監修。世界経済の混乱の中、資産運用・形成の方法を学ぶ。FX為替・株式・投資信託・不動産・REIT・商品先物・債券・年金・保険・分散投資・海外投資など体系的に資産運用が学べる講座。ビジネス・ブレークスルー大学の公開講座。

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