14日の日経平均株価は、一時3ヶ月半ぶりに1万7000円を割り込みました。中国の景気減速や原油安を懸念して世界的な株安となっているものですが、先進国の主要市場では特に東京市場の下落幅が大きく、円高に伴う企業業績の悪化懸念や、日本経済の先行き不安が重しになっていると見られると日経新聞が報じました。
私は日経新聞にはいい加減なことが書かれていると思います。中国の景気減速は確かに影響していますが、原油安が懸念かというと、日本にとって原油安はプラス以外の何物でもありません。日本は原油依存度が高く、いわゆる石油ショックは原油価格が上がってショックだったわけで、原油が下がっているのは大いに助かることなので、原油安まで株安の要因に使うのはやや図に乗りすぎていると思います。
日本株が下がっている最大の理由は、アベノミクスに対する失望売りで、外国人による売りが激しくなっているのです。安倍黒バズーカは効き目がなく、もともとこれを提案したポール・クルーグマンが、NYタイムズで、日本があれだけやって反応しないとは思わなかった、自分の提言を撤回すると言って、敵前逃亡してしまったわけです。これにしがみついていた浜田氏ら安倍首相のアドバイザーは宙に浮き、宇宙遊泳してしまっているのです。もう発言一つできなくなってしまったのです。何がスタンフォード名誉教授だとがっかりです。クルーグマンにしがみつき、彼を安倍首相の官邸に連れて行き、ジャブジャブと緩和をやれと促したわけですが、全然日本は反応しないとやっとわかったというのです。
反応しなくて当たり前です。日本は低欲望社会だからです。神の見えざる手ではなく、民の見えざる手が出てくるようにするべきで、それは心理経済学の世界なのです。しかし高欲望のおっさん達が、お金をジャブジャブにして金利を下げたら、絶対に金が出てきて景気が良くなると言って、結果がこうなると、参った、撤回、などとはちょっと無責任すぎる話です。
東京市場が下げている理由はここにあるのです。しかし、日経新聞としては安倍首相が怖くて書けないという状況なのです。中国の影響も確かにありますが、原油安はプラスのはずで、円高も経済にはプラスです。新聞の書く理由はいい加減なことだと思います。
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