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節約、現金預金が生み出す経済の停滞(田口美一)2016/01/27(水)

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今回のテーマ

節約、現金預金が生み出す経済の停滞(田口美一)

節約、現金預金が生み出す経済の停滞

 日本の状況については、いくつか明るい材料は見られるものの、大きな変化はありません。企業収益は今のところ悪くはありませんが、為替が110円ほどになってくるとガラリと変わってしまう企業も出てくると思います。また、インバウンドも悪くないようです。去年10月に上海に行った時には、少しくらい中国の株が下がったり景気が悪くなったりしても日本への観光ブームは変わらない、日本での爆買いは当分続くというのが様々なビジネスマンから聞いた結論でした。ただ、急には悪化しないと思いますが、株式市場は6ヶ月先取りして動くので、必ず早めに騒ぎ出すでしょう。

 実際には観光客も多く大量消費が続いていても、株式市場では半年前に反応が出てきてしまうので、なんとなく不安感が出て、いわゆるインバウンド銘柄と言われるホテル業や小売業、観光業、自動車やバス業などには早く影響が出てきてしまい、そうした企業の経営者のマインドがシュリンクし、設備投資や採用にネガティブになってくるリスクがあるので、注意しておいたほうが良いでしょう。

 資産価格については、株価が下がってしまいましたが住宅価格はそれほど下がっているものは出ておらず、むしろ新築マンションなどは、ご存知のようにまだまだ非常に高い状況です。

 雇用については今のところそれほど問題になっていないと思いますが、一番問題となるのが賃金です。今年のテーマは賃金だと思っていただくと良いでしょう。アベノミクスも黒田バズーカ砲も完全にうまくいかなかったという結論が出てしまっています。残された期待は、賃金を上げてインフレを起こし、景気を良くすることしかネタはないのです。景気を良くして税収を上げるという政策はもう無理で、インフレを起こしインフレ税を課して財政赤字を減らしていくしか道は残っていないのです。

 安倍政権の今年のポイントは賃上げであり、とにかく賃上げを要求してくるでしょう。そうは言っても民間はなかなか難しいとあって、お気付きの方もいるかもしれませんが、公務員の方から始めているのです。公務員の賃上げはすでに取り組み始めていて、まもなく予算が通ります。これにより実際に日本全体でみると賃上げが起こります。

 以前にもご説明しましたが、アメリカのレーガノミクスとイギリスのサッチャーイズムのときにどういう改革をしたかと言うと、どちらもまず減税、そしてパブリックセクターを思い切り削減したのです。とくにサッチャー氏は厳しく行い、社会保障や公務員の部分をどんどん削減し、民営化していったのです。さらに減税をしていくことで、イギリスもアメリカも大変な苦境から立ち直ったわけです。

 しかし、同じような状況にあった日本が今回取った策は、減税どころか増税で、公務員やパブリックセクターの削減、民営化も、確かに郵政民営化はありましたが、実際に公務員の削減は行われていないのです。全体としてみると、公務員に対する給与も減っていないのです。アメリカやイギリスがやったことに対し、日本は真逆のことをやっているわけです。

 そして、金融を噴かして株を上げて円安を起こしたのです。ところがそれによって効果がいろいろなところへ波及したかと言うとそうではありません。しかも日本の家計の中では2.4%しか外貨投資をしていないので、全く享受できていないのです。結局、あんなことをやっても先々見込みはないと、日本の人々はこれまでの20年間ですっかり賢くなってしまったので、当然防衛のみなのです。少しくらいボーナスが出ても、消費などせずに貯金に回すのです。

 個人としてはそれで正しいと思います。20年間これほど嫌な思いをし、父親はゴルフ会員権で失敗し、株でも失敗し、何をやっても全てダメだったわけです。有効なのは貯金、節約だけだったのです。そういう教育を受けている人たちが今、30代、40代になり、子育て世代となっているわけです。やっていることは同じように、節約、現金預金そればかりです。個人としてそれをするのは正しいと思います。しかし、マクロでそれをやってしまったら、経済政策の効果が全く出ない間に打つ手もなくなってしまうのです。

 ここから減税をすると言っていますが、法人税減税、食品などの軽減税率、足りなくなる1兆円をどこから持ってくると言うのでしょう。外準の財源が残っているなどとすごいことも言われ始めています。

 現象面で言うと、やはり賃金が上がるかが大きなポイントで、しっかり見ておく方が良いでしょう。賃金が上がればまだ脈はあると思います。

GDPに左右されず、経済の本質を見極めよ!

 日本の景気については、GDPがプラス、マイナスなどという話はやめるべきだと言えます。日本は潜在成長率が0.5%しかなく、目一杯、フル稼働で働いている状態なのです。去年10月には、アベノミクス、黒田マジックをサポートしていたアメリカのクルーグマン氏が、日本はお金を刷りまくってマネタライゼーションすれば景気が良くなると言ったものの、それは間違っていたと言ってしまったわけです。

 その中で彼は、日本は一人当たりの生産性はアメリカやヨーロッパよりもいいと示しました。つまり、日本はしっかり働いているのです。しかし、今の日本の成長できる分は、人やもののキャパシティー、生産設備や雇用からすれば、0.5%が限界なのです。日銀もそう言っています。そして今すでにそれを達成しているのです。

 去年11月、最初はGDPの統計はマイナスでしたが、新しい法人企業統計で設備投資がより良い数字が出てプラスになりました。ゼロを挟んで-0.5と+0.5などという話は、大きいといえば大きいですが、ゼロ前後のことなのです。日本の成長は今、ほとんどゼロであり、プラスだマイナスだと議論をしても仕方ないのです。

 黒田総裁も二回目のバズーカ砲を打つ時、もう景気は心配していない、問題なのは気持ちだとはっきり言っています。20年間日本はデフレにいたのでみんながシュリンクして、誰もリスクプレミアムのあるような商品に投資しない、景気の良い企業活動もしない、それが問題だと言っているのです。現実にCPIが落ちてきてしまったので、そうしたマインドのシュリンクを止めるために、二回目のバズーカ砲を打ったのです。つまり、GDPはもう限界まできているのです。

 賃金は、波はあるものの横ばいです。これがプラスになってくると良くなってくるかもしれないという期待はあります。業況判断は一時大きく盛り上がりましたが、そこからは横ばいが続いています。企業もほとんど貯め込んでしまっています。それはやはり怖いからです。大企業になればなるほど、個人の家計と同じです。テールリスクがあって心配だとみんながわかっているわけで、備えとして貯め込むのは当然です。安倍政権はそれをはき出せと言おうとしているのです。

 冷静に考えてみると、日本は急激にグローバルなポジショニングが下がってきています。その現実は受け止めましょう。しばらく前には中国に抜かれると騒いでいましたが、すでに大きな差がついています。中国の統計が信じられないというのは構いませんが、それよりも実際どこまで抜かれているのか、現実を見るべきです。一人当たりのGDPも20位以下に下がってきていて、厳しいところにきているのです。私が社会人になった頃は、日本の政治は二流、三流かもしれないが、経済は一流というところが日本人の誇りだと先輩から聞かされましたが、今はそれが難しくなってきているのです。もちろん規模だけで全ては語れませんが、規模も重要なのです。

 アベノミクス第二弾では、GDPを600兆円にする、人口一億人、一億総活躍と言っていますが、すごく良いことで必要なことではありますが、キーとなるのは賃上げです。賃上げがうまくいかなかったら我々も違う対策を考えていく必要があるでしょう。

 また、バズーカ砲第三弾については、すでに限界を超えてしまっているのかもしれず、非常に心配しています。黒田総裁は必要であれば断固やります、でも今はやりませんと、訳のわからない発言を繰り返しています。補完的措置というのもよくわかりません。しかし、7月前までには何かやらざるを得ないでしょう。安倍政権の肝は経済、株価だからです。株が非常に厳しくて、政策も打てず、賃上げも思うように進まないとなれば、安倍首相は次の消費税増税を凍結する、もしくはやるべきか民意を問うとして衆参同時選挙をやるというようなことも考えられます。

 安倍政権の命綱は偏に株価と経済です。国会のやり取りを見ていても自民党からの応援団は安倍政権になってからの株価の上昇を大げさに取り上げています。安倍首相は基盤を強固にして長期にわたり政界で力を持ちたいと思っているので、選挙前には絶対に日銀は何かやらざるを得ないと思います。日本は、株価など不安材料はたくさんありますが、中国と同様に政策的カードが残っているのです。ポジション的には持っているロングは落としても、ショートは振りたくないと思うのです。

講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
金融経済アナリスト
前クレディ・スイス証券副会長
田口 美一
1月16日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
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資産形成力養成講座 加藤

資産運用はインフレ経済下で特に重要になります。デフレ下では資産運用をしなくてもモノの価値が下がっていきますが、インフレ下ではモノの価格上昇を超える運用をしなければならないからです。資産運用は、株式・債券・為替・コモディティ・不動産など多岐に渡りますので、総合的な理解や考え方が求められます。世界標準の資産運用を学び、第一歩を踏み出してください!


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それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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