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マイナス金利 低く留まる当座預金への適用対象(大前研一)2016/02/17(水)

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今回のテーマ

マイナス金利 低く留まる当座預金への適用対象(大前研一)

【日銀】マイナス金利 導入当初は適用対象10兆円 ~日銀~

 日銀は3日、金融機関が日銀に預ける当座預金へのマイナス金利の適用対象が、16日の導入当初は10兆円程度になる見通しを示しました。対象が狭くても市場での金利はマイナスに向かうと判断したものです。

 いわゆるマイナス金利効果は、円高と株安でどこかへ消えてしまい、バズーカではなかったということです。日銀の当座預金残高は250兆円あり、そのうち10兆円だけマイナス金利で、全体がそうなるわけではないのです。

 全てがマイナス金利なら話は違いますが、10兆円か、多くても30兆円というのでは、発表に値しないくらいの微細なことではないでしょうか。それでも預金金利まで下げた銀行が幾つかあり、こんなのは犯罪だと叩きのめさないといけませんが、安倍首相はやっていません。これは大山鳴動して何も出てこなかったという典型的な例だと言えます。

【中国】4カ月で10地域が最低賃金を最大3割引き上げ

 日経新聞は2日、「減速中国、賃金は上昇続く」と題する記事を掲載しました。景気の減速にもかかわらず、中国10の省や直轄市が、1月までの4ヶ月間で最低賃金を最大3割引き上げたと紹介。労働力人口の減少で働き手が不足している上、中央政府が国内の不満を抑えようと地方政府に賃上げを迫っていることが要因です。

 こうしたこともあり、人民元は弱くしなければ輸出競争力がないのです。広東省の東莞などはもうほとんど空っぽになってしまいました。深圳もそうですが、台湾企業が多くなっています。今話題になっているホンハイも深圳で大きくなった企業ですが、たまらず成都に主力を移しました。

 結局、中国は人件費をこうして人為的に上げていくので、最低賃金の推移を見ると2006年からすでに4倍にもなっているのです。地域によって差があり、成都あたりへ行けばまだなんとかなると言われていますが、それでもまた同じようなカーブで賃金は上昇していきます。しかも、地方政府も中央北京も、人民を喜ばせるためには人件費を上げるのだと動いているのです。それによって、ソロス氏ではありませんが、本来なら為替の方を調整しないといけないわけですが、人民にとって為替はそれほど関係がないので、賃金が上がっているとぬか喜びをするわけです。

 しかし実は、人民元が弱くなれば輸入品の価格も上がるのです。それでも見かけの給料が上がった方が喜ぶということならば、賃金一本に絞って、人民元の方はフロートにし、管理をやめるくらいのことをしないといけないのです。私はそれで1ドル=12元くらいというのが輸出競争力を維持する水準だと言っているのです。すでに逃げてしまった企業は無理ですが、今苦しんでいる企業をなんとか救済してあげることは可能なのです。

 ただ、あと3年もすればもう誰もいなくなるでしょうし、その時はもう手遅れということになると思います。また、その受け皿として、ベトナムが良いのか、ミャンマーが良いのかという議論がありますが、広東省だけで6000万人なので、タイやベトナム、ミャンマーなどはとても中国全体の受け皿にはなれないのです。人口だけで言えばバングラデシュは1億5000万人ほどいるので何とかなりますが、インフラが全くないので難しいのです。中国の受け皿として間に合うようなところはなかなかないのが現状です。

 また、中国の場合には腐敗がひどいと言われていますが、その点は進出した会社にとってはあまり関係がありません。進出した会社はやりたいことを言えば、交渉は表向きストレートに進むのです。しかし一方、ベトナムやミャンマーなどでは、裏の方から進出した会社に対して認可を早く取るので、これをくださいなどという話になるのです。中国の場合には我々もストレートに進めることができ、薄々は裏の動きが見えるものの気にする必要はありませんでした。それで中国には皆気持ちよく進出して行ったのです。

 フィリピンは今はかなりよくなりましたが、マルコスの時代にはマルコスの使いが来て、次にイメルダの使いが来る、そして25%乗せろなどという感じでした。バングラデシュやタイは比較的少ないものの、ミャンマー、ベトナムはひどい状況になってきています。そうした意味で中国は、自分たちの中でやっているだけなので、入ってきた者も一緒に犯罪に引きずり込むようなことは少ないと言えます。

【イタリア】不良債権の証券化で合意 ~伊政府、欧州委員会~

 イタリア政府とヨーロッパ委員会はこのほど、銀行の不良債権処理に向け、債権を証券化することで合意しました。イタリアの金融機関は債務危機まで健全経営を維持してきましたが、不況の長期化により不良債権が増加。処理に追われる銀行の貸し渋りで景気が低迷する悪循環に陥っており、これを改善し経済の回復につなげたい考えです。

 イタリア経済は日本の半分ほどの規模ですが、45兆円の不良債権があります。欧州各国の不良債権比率を見ると、キプロスは論外ですが、スロベニア、アイルランドなどは20%を超え、かなり深刻な状況です。それとほぼ同じような水準でイタリアの不良債権比率も高くなっています。イタリアはギリシャ危機の時に、ポルトガル、スペインとともに騒がれました。

 その後、スペインは大分後退し、今ではオーストリアよりも不良債権比率は低くなっています。しかし、ポルトガル、イタリアはまだ高く、連鎖反応する可能性があるという状態です。イタリアが燃えてしまうと経済が大きいのでヨーロッパとしては手が付けられなくなることから、債権を証券化しても良いということにしたのです。そうすることで貸し渋りを改善し、経済が回るようにしてあげるということが狙いです。

 不良債権は、結構良い利率で証券化するとそれを買ってくれる人がいます。イタリアそのものが破綻するということになればリスクは100%になりますが、ギリシャの時もそうでしたが、やはり今は金利が下がっているので、5%から10%くらいの利回りで動くとなると買う人がいるのです。

 もちろんリスクはありますが、EUがイタリアを絶対に破綻させないと覚悟を決めれば、ただ単に金利の高いおいしい商品ということになり、金持ちの中には、ごく一部そういうものを入れる人が出てきます。10%くらいなら確実に入れ、5%くらいから組み込んでくると思うのです。そうしたことから、証券化を欧州委員会が承認してやったわけですが、イタリア問題に火が付かないようにするための苦肉の策とも言えます。

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座  学長
大前 研一


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資産形成力養成講座 加藤

新年あけましておめでとうございます。2016年の株式市場は波乱の幕開けですが、今年も有益な情報をお届けできればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

資産運用はインフレ経済下で特に重要になります。デフレ下では資産運用をしなくてもモノの価値が下がっていきますが、インフレ下ではモノの価格上昇を超える運用をしなければならないからです。資産運用は、株式・債券・為替・コモディティ・不動産など多岐に渡りますので、総合的な理解や考え方が求められます。世界標準の資産運用を学び、第一歩を踏み出してください!

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これまで長期デフレを経験した日本。デフレに慣れ、インフレの想像がつきにくい方も多いかもしれません。しかし確実に、デフレ脱却に向けて動き出しています。インフレとはモノの価値が上昇する世の中。私たちはそうした物価上昇以上に持っている資産を高めていかないと生活力(購買力)を落としてしまうことになります。

金融機関など他人任せにするのではなく自ら設計することで、手数料などを考えると2%程度の利回りの差になることも多々あります。毎年2%の差は、例えば500万円運用している人にとって、10年で100万円以上の差になって現れます。欧米では学校教育で「お金」について学ぶ機会がありますが、日本ではほとんどありません。みなさんも、世界のお金の流れを学び、リターンを実現できる資産形成力を高めませんか?

それでは、次回のグローバルマネー・ジャーナルもお楽しみに!

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